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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
103万円の壁の正体
またしても増税系のニュースが飛び込んできました。
具体的には、「政府税制調査会」にて「配偶者控除」の見直しを求める声が相次いだ、というものです。
配偶者控除と言うと、下記にあるように控除対象配偶者がいる場合、(所得が900万円以下の人であれば)38万円の控除が受けられる、というもので、
その控除対象配偶者の条件が「年間の合計所得金額が48万円以下」ということで給与所得(パートなど)の場合、給与所得控除(55万円)と合わせて年収103万円以下となり、これがいわゆる「103万円の壁」の正体です。
概要
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。
配偶者控除の金額
控除額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、および控除対象配偶者の年齢により次の表のとおりになります。
控除を受ける納税者本人の
合計所得金額控除額 一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者 900万円以下 38万円 48万円 900万円超950万円以下 26万円 32万円 950万円超1,000万円以下 13万円 16万円 (中略)
控除対象配偶者となる人の範囲
控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。
なお、平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。
(1)民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
No.1191 配偶者控除|国税庁
そして、この「103万円の壁」を超えないように働く時間を制限することによって、労働力不足を引き起こしたり女性の社会進出を阻害したりしていることは、これまでもたびたび問題視されてきました。
収入を増やしたいのに働く量を少なくするって本末転倒ね
すでに103万円の壁は存在しない
しかし、103万円を超えたら夫(妻)の控除が減る(税金が増える)から、世帯全体の手取りは減る、という意味での「103万円の壁」はすでに存在しません。
なぜなら、103万円を超えて配偶者控除が受けられなくなった場合、その代わりに配偶者特別控除を受けられるようになったからです。
この配偶者特別控除は、下記のように所得が増えるごとに少しずつ減るようになっており、収入が増えたら手取りが減る「壁」を作らないようになっています。
概要
配偶者に48万円(令和元年分以前は38万円)を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを配偶者特別控除といいます。
なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。
(中略)
配偶者特別控除の金額
控除額は、控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて次の表のようになります。
令和2年分以降
No.1195 配偶者特別控除|国税庁
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 900万円超
950万円以下950万円超
1,000万円以下配
偶
者
の
合
計
所
得
金
額48万円超 95万円以下 38万円 26万円 13万円 95万円超 100万円以下 36万円 24万円 12万円 100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円 105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円 110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円 115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円 120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円 125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円 130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円
ちなみに、これだけ「夫婦の間で互いに受けることはできません」となっているのは、配偶者控除だと双方が条件に入る=どちらも非課税(基礎控除48万円̟ + 給与所得控除55万円 = 103万円)であるため、控除の意味が無い(控除が無いのと等しい)からだと思われます。
この表を良く見ると、所得48万円~95万円(給与の場合、年収103万円~150万円)だと38万円となっており、配偶者控除と全く同じ(名前が変わっただけ)なのです。
ですから、本来であれば150万円の壁(それも超えた所で控除が2万円減るだけ)となるはずなのですが、いまだに103万円の壁というワードが無くなっていない所が、
今回出てきた、「(すでに制度上の壁はなくても)制度が人々の価値観を変えてしまった(短く働くことが良いことだという雰囲気を作ってしまった)」という指摘に繋がっていると思われます。
これは経営陣も例外ではなく、企業の配偶者手当の支給水準が103万円以下になっているケースも多いみたいだね
どの程度の増税になるのか
ということで、(配偶者特別控除のような)小手先の改正ではなく、配偶者控除自体の廃止も含めた抜本的な見直しが検討されているようです。
では、仮に廃止されたとして、どの程度の増税(手取りの減少)になるか、と言うと年間で「38万円 × 税率」になります。
税率は、所得に応じて変わりますが、およそ(配偶者控除以外の控除を含めた)課税所得が195万円以下なら15%、330万円以下なら20%、695万円以下なら30%、900万円以下なら33%となります。
これ以上だと税率はもっと上がりますが、もともと配偶者控除が少ない、もしくは無いですから、最高でも増税額は 38 × 0.33 = 12.54万円(月に1万円強)です。
とは言え、ただ廃止するのではなく、(給付になるのか控除になるのかは未定ですが)負担増にならないように何らかの配慮はあると思われます。
少なくとも、子育て世帯にも直接影響があるものですから、少子化対策と逆行するような改正を行うことは無いでしょう。
また、支持層に弓を引くような事は出来ないでしょうから、高齢世帯が不利になる改正も出来ず、「配るために増税」のような、まやかしの改正で終わる可能性も十分ありそうです。
児童手当と扶養控除みたいな感じになりそうだね
悪いニュースに踊らされずに
今回は配偶者控除(税法上の扶養)でしたが、社会保険の扶養(106万円 or 130万円の壁)も以前から見直しが検討されています(負担増はこちらの方が大きいです)。
主婦年金廃止について~年15万円負担増~さらに、(金融所得や資産額に応じた)社会保険料アップも検討されています。
社会保険料に金融所得反映を検討~FIREはオワコンに!?~また、こういった悪いニュースを好むのがマスコミです(人は本能的に、危機回避のためにマイナスな情報の方が敏感に受け取るようになっているそうです)。
その証拠に、国民のほぼ全員(年収2000万円超の人を除く)に恩恵がある、定額減税の情報については驚くほど少ないです(取り上げられても還付金詐欺がセットだったりします)。
定額減税と調整給付金について~6月下旬から申請開始~TVを見ずとも、ネット上でもこういった情報がつい目に付いてしまいますが、自分から取りに行ったもの以外の情報は、話半分で流しておいた方が良いと思います。
話が盛られている(酷い場合、全く違う方向にミスリードしている)場合も多いですし、そもそも嘆いた所で何も解決しないからです。
制度はしっかり理解しつつ、その中で自分ができる最善の方法を模索していきましょう。
ネガティブな方が視聴率(数)を稼げる、という裏側を知っているだけでもニュースの見方が変わるわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️