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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
2028年度に改正か!?
先日、厚労省が社会保険をめぐり、株の配当などの金融所得について、保険料の算定対象を広げる検討を始めた、というニュースが飛び込んできました。
ここで言う社会保険とは、国民健康保険や後期高齢者医療制度、65歳以上の介護保険などで、これらの保険料は自治体が把握する所得をもとに算定されていますが、
株や債券などの利子や配当による金融所得を確定申告をすると(自治体が把握できるため)反映される一方、源泉徴収を選んだ場合には保険料の算定対象にはならず、不公平との指摘があったため、とのことです。
とは言え、自治体と金融機関との情報共有なども必要になってくるため、システム構築も含めて2028年度までを目途に進めているようです。
しかし、不公平を解消するのが目的なら、確定申告しても算定しないようにした方が(情報共有も不要なので)早いと思うのですが、わざわざシステム構築までして徴収する方に合わせてくるあたり、
(不公平だからというのはただの建前で)本音は少子高齢化で年々厳しくなっている社会保険の財源確保が目的なのでは、と勘繰ってしまいます。
そもそも金融所得を確定申告している人の方が少数派で、確定申告しても会社員などで社会保険(健康保険)に加入している人は保険料に算定されません(算定は会社(組合)が行っている(自治体ではない)ため今回の検討も関係ありません)。
ですから、社会保険加入者以外(個人事業主や引退後の人)だけ全員を算定対象にする方が不公平なのでは、という意見もあります。
会社員は関係ないから、資産がある高齢者から社会保険料を徴収しよう、という方向なのかもね
FIREへの影響は
まず、このニュースに関連して、一部SNSなどではNISA課税とかNISAオワコンなどの発信もありますが、その心配はありません(NISAに確定申告も源泉徴収も無いからです)。
では、特定口座はどうか、というと多少なりとも影響はありそうです。
FIRE後に申告不要(源泉徴収)で配当(分配)金を受け取る場合はもちろん、(4%ルールなどで)無分配のインデックスファンドを取り崩す場合も同様かと思います。
(今回の検討の真意を考えると、譲渡益だけ対象外とするのは考えにくいです)
こうなると、これまでは(含み益の)約20%の税金だけで良かったのが、保険料の増加まで考慮しなければなりません(実質、毎月使える金額が減る)。
逆に、配当控除や外国税額控除のために確定申告(総合課税・申告分離課税)をしていた人であれば、(もともと保険料の算出対象なので)今回の検討は関係ありません。
特に4%ルールの取り崩しの場合、単純に税引後で毎月の支出の300倍の資産があればFIRE達成だったのが、保険料アップまで考えるとかなり複雑になってしまいます。
また、自治体が把握する所得としてカウントされることで、住民税非課税世帯に該当しなく(様々な恩恵が受けられなく)なったり、高額療養費の自己負担限度額や医療費の自己負担割合が上がってしまうのも地味に痛いです。
特に後者は歳を取るほど掛かかる費用ですし、75歳以上なら一般所得者は1割なのが、現役並み所得者となったら3割になるので、かなり大きいです。
自己負担割合の判定基準
判定基準 区分 自己負担
割合同じ世帯の被保険者の中に住民税課税所得が145万円以上の方がいる場合 現役並み所得者 3割 以下の1と2の両方に該当する場合
自己負担割合が「2割」となる判定基準
1 同じ世帯の被保険者の中に住民税課税所得が28万円以上145万円未満の方がいる
2 同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が、
・被保険者が1人の場合は200万円以上
・被保険者が2人以上の場合は合計320万円以上一定以上所得のある方 2割 ・同じ世帯の被保険者全員の住民税課税所得がいずれも28万円未満の場合、または上記(1)に該当するが(2)には該当しない場合
・住民税非課税世帯の方一般所得者等 1割 ・「住民税課税所得」とは、総所得金額等から各種所得控除を差し引いて算出したものをいいます。お住まいの市区町村から送付される住民税納税通知書等で確認できます(「課税標準」や「課税される所得金額」など)。
自己負担割合|東京都後期高齢者医療広域連合公式ウェブサイト
もし仮に、源泉徴収の金融所得が反映されて、現在の判定基準のままだったとした場合、6000万円(うち含み益 4000万円)を4%ルールを取り崩すと所得が 4000 × 0.04 = 160万円 になるのでアウトです(年金と控除にもよりますが)。
取り崩す金額じゃなくて、含み益の金額が基準になるのね
金融所得ではなく資産額そのものを反映に!?
しかし、この金融所得反映なのですが、個人的にはこれだけでは済まない可能性があると思っています。
なぜなら、施行前に利確してしまえば逃げられるからです。
利確後に買い戻した場合、それから発生した利益については保険料に反映されますが、施行前からずっと保有していた場合と比べると利益率はかなり低くなり、それこそ不公平になってしまいます。
また、特に高齢者だと(先ほどの医療費なども考えると)売却して現金で持っておいた方が良い、ということにもなりかねません。
そうなると、資産所得倍増プランと逆行することになりますし、その受け皿としてNISAと考えても、年360万円までの制約があるため一度に移すことはできません。
制度変更に合わせて一斉に売却となると経済への影響も計り知れないでしょう。
そう考えると、金融「所得」ではなく金融「資産」の方に目が行くのは自然の流れかと思います。
金融資産額に応じての保険料算定であれば、株でも現金でも同じですから、少なくとも売却した方が良いとはなりません。
(金融資産を考慮に入れる案は以前から出ています)
マイナンバーで個人の金融資産は捕捉しやすくなっているしね
改正後の対策は
では、これに対する我々が出来る対策は、というと、やはりまず第一にNISAとiDeCoの活用でしょう。
非課税制度であれば金融所得はもちろん、金融資産ベースになったとしても、対象外となる可能性が高いです(上記の議論でも、NISAなどは対象外にすべき、となっています)。
さらにiDeCoはあくまで年金制度ですから、(少なくとも受け取り前は)資産ですら無いため、計算に入れようがありません。
奇しくも、目途とされている2028年まで今年を入れて5年ありますから、今資産がある人はNISAの枠いっぱいまで移せますし、そうでない人もNISAとiDeCoに積み立てると良いです。
(ある程度余裕がある人は、iDeCoを限度額までやった上で残りをNISAにするのが推奨です)
iDeCoを併用すべき理由~NISAの1800万円が埋まらない場合も~
また、NISAとiDeCoをフル活用しても資産が余る、という人はマイクロ法人(資産運用会社)を設立するのも手です(こちらも会社員と同様、社会保険に加入になるため、自治体の所得把握は関係ありません)。
しかし、こちらについては多額の資産を持っている人の逃げ道として(税理士の助言などで)使われるでしょうから、塞がれる可能性も高そうです。
とは言え、税金と同様に保険料も、稼いだ以上に取られるわけではないため、取られるのが嫌だから稼がない、という考え方は本末転倒です。
事業も投資も、稼げるだけ稼いで、納めるものはきっちり納める、そういう人が最終的な手残りも多くなるのだと思います。
稼ぎを減らさない範囲で、出来る節税(保険料節約)はやる感じね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️