NISA・iDeCo不要論について~制度の本質を考える~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

NISAの効果は意外と小さい

一時、SNSで「NISA・iDeCo不要」というワードがトレンド入りしました。

いつものごとく一過性のものなのですが、中にはNISAやiDeCoの本質について考える、良いきっかけになるものもあったので紹介したいと思います。

確かに、iDeCoは資金拘束のデメリットがあるため、そういう意見があっても不思議ではありませんが、NISAは一見、やらない選択肢は無いように見えます。

しかし、メリットを考えるにあたって、証券会社のサイトに表示される、現在の評価額(評価損益)がプラスになっているのを見て、NISA(iDeCo)をやってて良かった、と結論付けるのは正確ではありません。

NISAはただの非課税制度で、あくまで増えたのは投資を行った結果ですから、NISAの評価をするには「課税口座(特定口座など)で投資を行った場合」との比較、でなければなりません。

そう考えると、例えば100万円を投資して年利5%だった場合、1年で105万円(利益5万円)に対する税金(20.315%)、5 × 0.20315 = 約1万円 が浮く、というのがNISAの効果です。

これは月になおせば833円ほどしか無いわけですから、ある意味クレカ積み立て(1%なら月5万円に対して500円)などと大差ない、おまけくらいの価値なのかも知れません。

また、購入しているのが無分配のインデックスファンドであった場合、課税口座であったとしても売却するまでは税金は掛からないわけですから、(正確には)売却する瞬間までNISAのメリットは無い、ということになります。

極論、現時点でいくら含み益があったとしても、いざ使う時に利益が無くなっていればNISAの意味は無くなります。

その気になればいつでも現金化できるから、含み益(に掛かるはずの税金が浮くこと)にも意味がある、という意見もあるかも知れませんが、

(札束を眺めることが目的でなければ)お金は使ってなんぼ、使う時に始めて価値が出るもの、ですから使う予定が無いのに換金しても意味がないのです。

また、さらに極論になってしまいますが、投資信託の場合、約定までにタイムラグがありますから、その間に含み益が吹っ飛ぶ可能性もゼロではありません。

効果が小さい、という意味も込めてのNISA不要論なのね

NISAのデメリット

同じように、課税口座で運用した場合との比較、という視点で見た場合、例えNISAをやった結果、マイナスになったとしても、それはあくまで投資の結果であって、NISAのデメリットではない、ということになります。

ですので、NISA自体にはデメリットは無い、つまり、たとえ効果が小さかったとしても、(投資をするなら)やらない理由は無い、となりそうですが、ここにも一つ落とし穴があります。

それは、NISAと課税口座間では、損益通算が出来ない、というものです。

損益通算とは、赤字の所得を黒字の所得から差し引くことで、例えば事業を2つやっていて、1つが黒字・1つが赤字だった場合、単純にそれぞれの利益に税率を掛けて合算(前者の〇〇%+後者はゼロ)、ではなく、赤字の分は黒字と相殺することができます。

これは、株や投資信託の損益であっても同様です(ただし、給与所得や事業所得との損益通算は不可です)。

とある株で利益が出ていても、別の株で損失が出ていたら相殺(して税金を抑えること)が出来る、という仕組みです。

複数の種類のインデックスファンドだけを持っている、という場合ではおおよそ同じような値動きをするので、一部にだけ損失が出る、というのは起こりにくいですし、

そもそも無分配であれば、確定(売却)せずに長期保有していれば、(売却時には)全ての銘柄がプラスになっている(結果的に、年単位で同一銘柄内で損益通算されている)という状態になるでしょうから、特に意識することは無いですが、

問題は、(NISA以外で)配当金や分配金が出るもの(高配当株など)を保有していた場合です。

この場合、基本的には株価の上下は関係なく毎年、多少なりとも配当金や分配金が出て、それに税金が掛かることになりますから、他に含み損が出ている銘柄があれば、

それを(現金が必要でなくてもあえて)いったん売却して損失を出す(損出しする)ことで、その税金を抑えることが出来ます。
(その分、低い価額での買い直しになるので、後々かかる税金は増えますが、税金の支払いを後ろ倒しに出来る事自体にもメリットがあります)

損益通算・損出しについて~含み損で節税~

このとき、含み損がある銘柄がNISA枠内だったら、このテクニックは使えないのです。
(NISAでインデックスファンドを積み立てつつ、特定口座で高配当株も、というのはよくあるパターンでしょう)

条件は限られるものの、NISAを使うことで損をする可能性はある(課税口座の上位互換ではない)、ということだね

iDeCoのデメリット

一方で、iDeCoのデメリットですが、こちらは分かりやすいですね。

NISAと同様に損益通算できない(というかそもそも売却できない)ことに加えて、60歳まで引き出せない(拘束される)というデメリットがあります。

老後のために貯蓄していたけど、予定が変わって急遽お金が必要になった、そんな時にiDeCoだと困る、というわけです。

ただし、これは考え方次第かと思います。

公的年金だけしかもらえるアテがなく、それでは生活が成り立たないという場合、一定額の老後資金はどちらにせよ「絶対に手を付けてはいけないもの」のはずです。

そうなると、もし仮に、公的年金を前借りできる(ただし受け取れる額は本来の受給額より少ない)という制度があった場合、あなたは使いますか?というのと本質的には変わらない、と言えるかも知れません。

iDeCoも年金の一部と考えたら(というか個人型確定拠出「年金」なので、そもそもそういう制度です)、公的年金と同様に拘束される(自己破産しても差し押さえられない)のは、むしろメリットと言えるかも知れません。

ただし、必要な時には年金の前借りだろうが何だろうが手元資金をかき集めたい、失敗したら霞でも食べて生きていく、というくらいの気概のある起業家ならば、資金拘束はデメリットでしかありません。

「今は」必要じゃないから運用しておく、という使い方なら特定口座の方がいいわね

iDeCoの効果は大きい

そんなiDeCoなのですが、NISAと違って(運用結果に関わらず)メリットを確実に享受できる、という点も見逃せません。

NISAの場合、運用結果がマイナスだったら、損益通算が出来ないだけの、ある意味、劣化版課税口座なのですが、iDeCoであれば、掛金の所得控除のメリットは消えません。

しかも、その節税効果は、NISAが「利益」の約20%(元本ベースなら約1%((年利回り5%の場合)5 × 0.2))なのに対して、iDeCoは「元本」の約15~55%(所得による)にのぼります。

その分、iDeCoは受け取り時に税金がかかるのですが、その時にも控除がある上に、(退職所得控除の改悪などが続いて)最悪、拠出時の節税額と同額の税金がかかったとしても、これだけの額を先送り出来るだけでも大きいです。

先送り出来た分を運用に回せば、同じく年利回り5%で、14~15年で2倍になる(72の法則)わけですから、2倍にした後で半分を支払う=元の金額を得たのと同じ、とも言えます。

格言から学ぶ投資術~投資の鉄則~

別の例えをするなら、手数料(金利)ゼロでレバレッジ投資が出来るようなものです。

そう考えると、NISAもiDeCoも(課税口座と比べての)デメリットもありますが、NISAはメリットも小さい、それに対してiDeCoはメリットが大きいです。

今回の「不要論」という観点で見たら、NISAは無くても大きく困る人は居ない、iDeCoは無かったら少なくとも「絶対に手を付けない」老後資金を貯蓄したい人にとっては大ダメージ、とも言えます。

もちろん、資金拘束をどう評価するかは人によって全く違いますから、この金銭的メリットがそれに釣り合うものかどうか、よく見極める必要があるでしょう。

資金拘束を抜きにすれば、iDeCoで金銭的にマイナスになる(運用損失>節税効果 になる)ことは、ほぼ無さそうだね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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