この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
損益通算とは
前回、 二重課税を取り戻す方法(配当控除・外国税額控除)についてお話しましたが、それ以外にも税金を抑える方法はあります。
それは、損益通算です。
損益通算とは、赤字の所得を他の所得の黒字と相殺する計算方法のことです。
通常、損失(赤字)が出た場合は税金はゼロで、マイナスになる事は無いのですが、その分を他の利益(黒字)が出た所得と相殺が出来るのです。
株や投資信託の場合、利益が出るのは配当金・分配金を受け取った時か、含み益(保有する有価証券が買った時よりも値上がりし、もし売却すれば利益が出る状態)があるものを売却(利益確定)した時で、
損失が出るのは含み損(保有する有価証券が買った時よりも値下がりし、もし売却すれば損失が出る状態)があるものを売却(損失確定)した時だけです。
ただし、株や投資信託での損失を他の種類の所得(給与所得や事業所得など)と相殺する事は出来ず、あくまで分離課税の範囲内(株や投資信託による利益・損失)のみとなります。
売却せずに持っているだけなら利益にも損失にもならないんだね
損出しとは
ですので、株や投資信託で利益が出た場合、含み損があるものを(現金が必要じゃなくてもあえて)売却する、という方法があります。
この時、売却した株(投資信託)をすぐに買い戻せば(多少の上下はあれど)ほぼ同じ値段で買える(お金を使わずに、元と同じ株数になる)ため、ただ単に節税になるだけで、これを損出しと言います。
配当金(分配金)による利益は売却関係なく発生しますので、これに掛かる税金を抑えるために(含み損があるものがあれば)損出しを行う、というのが一般的な使いどころかと思います。
この時、注意すべきなのが、売却したその日に買い戻すと損益通算が出来なくなる(厳密には一部分のみ損益通算される)、という事です。
ですので、ちゃんと損益通算するには、翌営業日以降に買い戻すのが鉄則です。
含み損(損)を確定する(出す)から損出しなのね
繰越控除
この損益通算は基本、同じ年の利益と損失を相殺するものなのですが、相殺しきれなかった損失は、繰越控除という制度で翌年以降に持ち越す事が出来ます。
例えば損失が50万円出た年があったとして、その年の利益が10万円だった場合、40万円分の損失が残りますが、その次の年の利益が10万円だった場合はそれとも相殺して、30万円分の損失が残る、といった感じで繰り越しが出来ます。
しかし、繰越出来るのは3年間だけで、それ以降は損失が残っていても損益通算出来ません。
もう一つ注意点としては、繰越控除を受けるには申告分離課税で確定申告を行う必要がある、という事です。
同一証券会社内の同一年度内であれば、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておけば、確定申告をしなくても自動的に損益通算される(その都度、税金が還付される)のですが、
複数の証券口座や、年度をまたいで損益通算する場合は確定申告を行う必要があります。
この時注意なのが、前回もお話した、(控除前の)所得に応じて料金が決まるもの(国民健康保険料・介護保険料や、子どもの保育料など)は、確定申告をすると料金が上がる可能性がある、という事です。
損失額が小さい場合、確定申告すると損をする事もあるんだね
配当控除と損益通算
この損益通算にはもう一つ問題があり、それは、配当控除が受けられなくなる、という事です。
前回お話した通り、配当控除を受けるためには総合課税で確定申告を行う必要があります。
対して、損益通算を行うには特定口座(源泉徴収あり)で確定申告をしないか、申告分離課税で確定申告を行うか、になるのですが、いずれにしても申告分離課税になります。
ですので、配当控除を受けながら損益通算する事は出来ないのです。
しかし、これにはちょっとした裏技があります。
実は、(同一年度内でも)損益の一部だけ総合課税、他を申告分離課税とする事も出来るそうで、
これを使って、(配当金は総合課税にしつつ)損失だけ申告分離課税で繰越控除しておき、3年間貯めてから(全部を申告分離課税にして)損益通算する、というものです。
こうする事で、1年目~3年目は配当控除を受けられ(4年目は受けられない)、かつ(4年目の利益≧4年間の損失の場合は)4年間のトータルの損益は毎年、損益通算するのと同じになります。
計算が難しいし、手間もかかりそうね
損出しは本当に得なのか
しかし、この損益通算、本当にそこまでしてやる価値があるものなのでしょうか?
個人的には、現金が必要になったり、他の銘柄に乗り換えたりするための(節税目的ではない)売却で結果的に損失が出た場合なら兎も角、
配当金(分配金)にかかる税金を抑えるために(節税目的で)売却して買いなおす事(損出し)については、あまり意味が無いんじゃないかと思います。
損失が出るという事は、買った時よりも値下がりた状態で売却して買いなおすという事で、次に売却する時は(買った値段が低くなった分)値上がり幅が大きく、かかる税金も増えます。
優秀な高配当株などで、死ぬまで(損出し以外で)売却しない、というなら話は別ですが、(自分も社会も)将来は誰にも分からず、いつかは何らかの理由で売却する事になる、と考えた方が自然です。
つまり、損出ししたその年は確かに税金は減りますが、その分将来に払う税金が増えている、要は税金の繰り延べにしかなっていない、という事です。
税金の繰り延べにも意味がある、という意見もありますが、長期投資家なら特に、税金についても長い目で見た方が良いかと思います。
投資の目的が老後の資産形成なら、老後に得になる手段を選びたいね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️