iDeCoの拠出額は抑えた方が良い?~退職控除枠からはみ出さないように~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

iDeCoと退職所得控除

政府与党は退職金への課税制度改正を一旦、見送る方針を固めたそうです(2024年度の税制改正には盛り込まず、2025年度以降に先送り)。

この改正の内容は、おそらく以前から話題になっていた、退職所得控除に関するもの(20年超と20年以下で1年あたりの控除額が違うのが現代にそぐわないため是正)と思われます。

退職金への税金が増額に~iDeCoはオワコン化?~

その理由として、メディアでは(与党が)増税イメージを払拭したいのでは、と報じていますが、これが本当であれば我々にとって良い改正ではないのでしょう。

少なくとも、20年以下(1年あたり40万円)を20年超(1年あたり70年)に合わせる、といった内容ではなく(これなら見送る必要もないので)、

40万円超~70万円未満の間の金額になる(一部の人が増税になり反発を避けるため延期)か、下手をすると40万円で揃えられるか、それ以下(便乗増税)になるかも知れません。

退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額は、次のように計算します。

勤続年数(=A)退職所得控除額
20年以下40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (A – 20年)
No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

そんな中、一部で声が上がっているのが、iDeCoの拠出額の変更(引き下げ)です。

iDeCoは一度始めると原則止めることはできませんが、月々の拠出額については年1回まで最低で月額5,000円~に変更が可能です。
(特に督促などは無いようなので、引き落とし口座からお金を引き上げる(もしくは使っていない空の口座に変更する)という方法で強引に止めることは可能だそうです)

しかし、結論から言うと、(自分都合で投資可能額が減ったなどではなく)退職所得控除の改悪を見込んでの拠出額の減額はしなくて良いかと思います。

60歳まで引き出せないだけに、改悪が心配になるわね

控除枠内に収める必要なし

減額する根拠はおそらく、会社員の拠出額上限(月2.3万円)を継続した場合、単純計算では年27.6万円で退職所得控除(年40万円)の枠内に収まるが、運用益を加味すると収まらなくなる、といった所でしょう。

運用益は(1年あたりで換算しても)長期であればあるほど大きくなりますから、20年以上での加算(1年あたり40万円→70万円)はちょうどそれの受け皿になっていたのが、無くなるとなればその懸念は高まります。

しかし、必ずしも控除枠内に収める必要はないのです。

そもそも、拠出時に(小規模企業共済等掛金控除で)節税できているのですから、元本部分に関しては課税されてトントンか、むしろ課税の繰り延べが出来るだけでも(その分、運用に回して増やせるので)NISAと比べても得です。

例え、30年積み立てて控除枠がずっと1年あたり40万円(合計1,200万円)だったとしても、利回りが5%なら少なくとも利益分(1,086.2万円)はこれに収まることになります。

資産運用シミュレーション : 金融庁

さらに、退職所得の金額(課税対象)は収入金額から退職所得控除額を差し引いた額のさらに 1 / 2 ですし、その税率は通常の所得税と同様の超過累進課税(所得が多ければ多いほど税率が上がる)である上、他の所得とは分離して計算になるため、

よほどの金額にならない限り(少しはみ出した程度では)税率はかなり低いでしょう。

計算方法・計算式

課税される所得金額(1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。)に対する所得税の金額は、次の「所得税の速算表」を使用すると簡単に求められます。

平成27年分以後

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

具体例

(課税される所得金額が7,000,000円の場合)

求める税額は次のようになります。

7,000,000円×0.23 – 636,000円= 974,000円

No.2260 所得税の税率|国税庁

例えば、控除からはみ出した部分が1,000万円だとしても、その 1 / 2(500万円)に対する税率は、(5,000,000 × 0.20 – 427,500)/ 5,000,000 = 11.45%(住民税と合わせて21.45%)で 、元(1,000万円)から見たらたったの10.725%です。

この点、iDeCo拠出時の節税額の税率はと言うと、所得の一番高い部分の税率(iDeCoによって課税所得が350万→330万円になるのであれば、節税額は20万円の30%)なのです。

運用益のみが退職所得控除内に収まるだけでも十分お得なんだね

個人事業主(月6.8万円)の場合

では、個人事業主(月額最大6.8万円(付加年金を納める場合は6.7万円)まで拠出可能)の場合はどうでしょうか。

こちらについても、基本的には同じ考え(特に理由が無ければ減額しない)で良いかと思います。

この場合、運用益のみでも余裕で控除枠をオーバーする可能性が高いですが、それでも得になるくらい、課税の繰り延べ、および 1 / 2 と超過累進課税の組み合わせ、は強力です。

NISA vs iDeCo(増税後)~パターン別に徹底比較~

それでも、退職所得控除自体が無くなる、1 / 2 が無くなる、まで改悪されればこの限りではありませんが、そこまで考えるとキリがありません。

タラレバで言うなら、改悪されても最悪、売却で逃げられると思われているNISAですら、医療・介護保険料の金融資産考慮で事実上の課税対象(売却しても現金も金融資産なので回避不可)になる可能性はあります。
(今のところNISAは対象外にすべきと考えられているようですが)

金融資産を考慮に入れた負担へ~NISA課税の正体!?~

そもそも、20年も30年も個人事業主(かつ満額を拠出できる状態)が継続する方が稀で、途中で雇われになったり法人成りしたり等(で拠出上限額が減る可能性)を考えた場合、拠出できる時はしておいた方が良い、という考え方もあります。

もしそうならなかったとしても、60歳になる手前で拠出額を減らして調整すれば良いです。

(5,000円までなら)減らすことは出来ても、拠出上限額より増やすことは出来ませんから。

60歳以降もマイクロ法人設立などで厚生年金に加入して、iDeCoの拠出年数を延ばすという手もあるね

本末転倒にならないように

さらに言うと、iDeCoに限った話ではないですが、増税を恐れてやらない、という選択をするのはあまり得策とは言えないと思います。

いくら税率が高かろうが、稼いだ(増やした)以上は取られない(100%以上になる事はない)のですから、あえてやらないという選択をする必要は無いでしょう。

税金で最も得をする人生が目的であれば、それこそ(現役年齢で生活保護は難しいとしても)最低限の稼ぎで貯蓄などせずに全て使って、老後は生活保護というのが一番でしょう。

そうではなく、現在も老後も(生きるための最低限ではなく)ある程度豊かな生活を送る事を目的とするのであれば、

(富の再分配である)税金や社会保険料はしっかり納めて、かつそれでも自分にも残るくらい稼いで貯蓄するのが最良の方法かと思います。

同じ稼ぎでよりお得になる方法があるなら、使わない手はないわね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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