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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
よくある勘違い
米国株式(S&P500)や全米株式(VTI)などは米国のみであるため、米国が落ちた(それ以外が伸びた)場合に備えて全世界株式(オルカンなど)を買う、というのはよくあるパターンかと思います。
しかし、そのオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))も国別配分比率は、米国が60.9%となっています。
ですが、米国が没落した場合、(時価総額加重平均なので)この米国比率もそれに合わせて落ちる事になるから大丈夫、と思われがちですが、実はこれは間違いです。
時価総額に応じて比率をコントロールする(下がった銘柄を売って上がった銘柄を買う)のではなく、そういった事をしないのが時価総額加重平均なのです(むしろ均等加重平均の方が、上がった銘柄を売って下がった銘柄を買う(リバランス)行為を行います)。
株数はそのまま、1株あたりの株価が落ちるから自動的に比率も下がるようなイメージです。
余談ですが、時価総額加重平均と均等加重平均のどちらが良いのか、については様々な議論がなされていますが、どちらとも言えない(過去と照らし合わせても指数や時期による)、というのが結論のようです。
(株価が下がったからと言って今後も下がるか、もしくは反発して上がるか、には因果関係が無いようです)
ですから、買った時の比率が米国60%であれば、米国が没落した場合、単純に米国株式のみを購入していた場合の60%のダメージは受ける、ということです。
(例えば、米国だけが50%下落した場合、全世界株式でも 50 × 0.60 = 30% は下落します)
もちろんですが、比率が下がった「後に」買った分に関しては別で、そこからさらに下がった場合のダメージは少ないですが、逆に復活した場合に取れる利益も少なくなります。
米国が没落したら米国比率が落ちるからダメージが和らぐ、というような効果は無いんだね
「除く米国」はNG!?
では、オルカンが米国に偏りすぎているのなら、全世界株式(除く米国)とS&P500の組み合わせなどで自分で配分すれば良いのでは、となりそうですが、これは非推奨です。
現状、全世界株式(除く米国)には米国ETFもしくは内部でそれを買い付ける投資信託しか無く、それだと(NISA関係なく)三重課税の影響をモロに受けるからです。
(オルカンのように、内部で個別株を買い付けるケースが多いeMAXIS Slimシリーズなどから出てくれれば良いのですが)
ちなみに、全世界株式ではないですが、SBI・V・先進国株式(除く米国)なども同じ理由で(内部で米国以外に投資する米国ETFを買い付けているため)非推奨です。
もちろん、今後は米国以外が伸びるはずという強い思いがあり、そのためなら少々のコストは飲める、というのであればこの限りではありませんが、
米国が落ちたら困るからとりあえず他も買っておく、みたいな消極的な理由なら辞めておいた方が良さそうです(ある意味アクティブファンドを選択する事に近いかも知れません)。
もし、低コストで米国以外の比率を上げたいのであれば、米国以外の先進国も含まれませんが、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス を組み合わせると良いかと思います。
(こちらであればオルカンと同様、米国ETFを介さないため三重課税問題は発生しませんし、信託報酬も年0.1518%とかなり安いです)
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | eMAXIS(イーマクシス)
これもちょっと中国に偏りすぎてるのが若干気になるわね
オルカンとS&P500の二刀流について
では、オルカンとS&P500を両方買う(二刀流)についてはどうでしょうか。
よくあるのが、オルカンにするかS&P500にするか悩んだ挙句、選べないから両方買ってしまえ、というパターンでしょう。
これに関しては「可もなく不可もなし」と言った所かと思います。
米国とそれ以外のバランスが悪くなるし中途半端、みたいな事を言う人も居ますが、それを言ったらそもそもオルカンの時点で米国に偏っていて中途半端です。
オルカンのみだと米国が60%なのが、オルカンとS&P500を半々にしたら80%になるだけの話です。
ですが、米国比率を上げる方向ならいくらでも調整が効きますが、(低コストで)下げる方向は(オルカンのみ保有の)60%が限界ですので、出来るだけ米国比率を下げたい人は混在させない方が良いかと思います。
とは言え、オルカンの米国以外の部分で高い割合を占める、日本やカナダ、ヨーロッパ各国などが今後伸びると思っている人はどれだけ居るでしょうか。
伸びるとしても、インドや最近台頭してきたインドネシア・ベトナム辺りだと思っている人が多いのではないでしょうか。
そう考えると、インドですら1.4%しか無いオルカンではあまり意味が無い気がします。
これらに投資するなら、下記のようなファンドを混ぜた方が良いかと思いますが、信託報酬が比較的低いものでもこれだけあるので、やはりコストは嵩みます。
(ちなみに、新NISAのつみたて投資枠の対象にもなっているのは「iTrustインド株式」だけで、他は成長投資枠のみ対象です)
- iTrustインド株式(0.9828%)
- イーストスプリング・インドネシア株式ファンド(資産成長型)(0.892%)
- ノムラ・アジア・シリーズ(ノムラ・インドネシア・フォーカス)(1.815%)
- イーストスプリング・ベトナム株式ファンド(0.989%)
- ベトナム株式ファンド(三井住友DSアセットマネジメント)(1.958%)
- SBIインド&ベトナム株ファンド(2.2%)
法整備と株主還元意識がないと「経済の成長=株価の上昇」にならない、という問題もあるね
オルカンは精神安定剤!?
ではオルカンの強みは何か、というと何と言っても、(信託報酬もさることながら、三重課税も発生しない)コストの低さと、(実状はともかくとして)世界全体に投資をしているという安心感でしょう。
信託報酬については、投資している人が多いがゆえに、各社の値下げ競争で今年に入ってからますます下がりましたし、この動きは(トレンドが変わらない限り)今後もしばらくは続くでしょう。
(新しく登場した全世界株式ファンドも、オルカンと同じく内部で個別株を買い付ける(三重課税が発生しない)ものが多いのも良い流れです)
どこに投資をした所で結果は神のみぞ知る、ですからなんちゃって全世界でも何でも、自分が納得して積み立てを継続できる(狼狽売りしない)要因になるのなら万事オッケーです。
そういう意味では、オルカンとS&P500の二刀流も、たとえ両方の良い所どりが出来るという盛大な勘違いであったとしても良いのです。
S&P500もオルカンと変わらないくらい低コスト(三重課税はそもそも対象外)ですから、好きな割合で混ぜれば良いでしょう。
ちなみに、オルカンと比べてS&P500は銘柄を絞っているが(NASDAQ100・FANG+・個別株まで絞らず)中途半端、という意見もありますが、それは少し違うと思います。
S&P500よりもGAFAMNT!?~年利10%超えを目指す~
別に特定の企業や業種が伸びると予想しているのではなく、米国が伸びると(残りの495銘柄から未来のGAFAMが出てくることも含めて)予想しているのですから。
もしくは、米国がダメになったら他もダメになるだろうから、米国が伸びた時に利益を最大限得られる方が良い、という消去法的な理由かも知れませんが、それでも良いのです。
いずれにせよ、(運用成績に関わらず必ずのしかかる)信託報酬や三重課税などのコストさえ抑えれば、あとは「継続あるのみ」です。
オルカンのみでもS&P500のみでも二刀流でも、自分が納得できるものが一番ね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️