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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
楽天VXUSとは
今回は最近巷で話題になっている楽天VXUSについてお話したいと思います。
楽天VXUSとは別名「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」で、その名の通り米国を除く全世界に投資するインデックス・ファンドです。
逆に言うといわゆる全世界株からアメリカを除いたもので、これ単体というよりは全米株または全世界株と組み合わせて、アメリカとそれ以外の比率を調整するのに使うイメージです。
2022年12月22日に設定されたばかりの新しいファンドですが、つみたてNISAに対応している(おそらく2024年から始まる新NISAではつみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも買える)という事で注目されています。
つみたてNISA(つみたて投資枠)で買える商品というのは、つまり国の厳しい基準をクリアしているということで、手数料が高すぎずリスクも低めで長期投資に適した商品、というお墨付きを貰っている訳ですから、
少なくともポートフォリオ(保有資産の構成内容)の一つとして選択肢に上がって来るでしょう。
しかし結論から言うと、(個人的には)購入はあまりおすすめできません。
その理由について解説していきたいと思います。
ポートフォリオの一部としてもダメなの!?
楽天VXUSの詳細
まず、楽天VXUSという名前の由来にもなっていますが、VXUSという米国ETFが存在しています。
こちらの正式名称は「バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF」で、2011年1月26日に設定された比較的新しいETFになります。
このETFを内部で買い付ける投資信託であるため、楽天VXUSという愛称になっているのです(楽天VTや楽天VTIなどと同じ)。
目論見書を見ると、これ以外にも「バンガード・FTSE・デベロップド・マーケッツ(除く米国)ETF」(VEA)という先進国株式も投資対象になっていますが、おそらく割合的には低いと思われます。
以前、全世界株にはMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)と、FTSE GACI(グローバル・オールキャップ・インデックス )の2種類があり、
全米株式 vs 全世界株式~つみたてNISAで何に投資すべきか~
前者は構成銘柄数が約3,000(小型株は含まない)、後者は約9,000(小型株も含む)という違いがあるとお話しましたが、VXUSは後者(から米国企業を除いたもの)になります。
しかし、この2つの違いは実質ほとんど無く(時価総額加重平均であるため、そもそも小型株が全体に及ぼす影響は少なく)気にしなくて良いでしょう。
むしろ、気にすべきはコストの方で、楽天VXUSの信託報酬は目論見書上で年0.132%、VXUSの信託報酬が年0.07%ですから、合わせて0.202%がコスト(の目安)という事になりますが、
まだ設定されてから1年経っていないため、(いわゆる隠れコストも含めた)実質コストは不明です。
VXUSは言い換えるとVTから米国企業を除いたものになるんだね
三重課税問題
こう見ると、他の全世界株式と比べて若干手数料は高めですが、そこまで乖離はしていないように見えます。
しかし、問題は三重課税です。
詳しくは過去に解説しているため割愛しますが、米国ETFを通して全世界に投資しているため、配当金が発生すると第三国(企業がある国)で税金を引かれた後、(ETFを運用している)米国で税金が引かれ、さらにそこから(日本人の場合)日本で税金が引かれます。
このうち、米国と日本で重複している部分については、外国税額控除で(全てではないものの)取り返す事が出来ますが、第三国と米国で重複している部分は(両方とも日本に収めているものでは無いため、申請しても返してもらう物が無く)どうしようもありません。
これは内部で(米国以外に投資する)米国ETFを買っている投資信託も同様で、例え分配金が出ないとしても、内部で(税引後の)配当金を再投資しているため、理屈は同じです。
(楽天VXUSは分配金が出るかどうかはまだ不明ですが、おそらく出ない可能性が高い)
VXUSの現在の分配金利回りは約3.6%ですから、全体に占める割合はさほど大きくないのですが、信託報酬などと同様、運用成績に関わらず必ず掛かってしまうコストと考えると無視できません。
しかも半分以上が米国で、分配金利回りが約2%のVTですら、三重課税による(毎年かかる)コストは0.1%近くあるわけですから、VXUSだと単純計算で0.4%近くにまで及ぶ事になります。
先ほどの信託報酬(0.202%)にこれが加わる(約0.6%になる)わけですがから、比べるといかにこれが大きいかが分かると思います。
信託報酬よりも三重課税によるコストの方が多いのね
なぜ買ってはいけないのか
この三重課税問題以外にも楽天VXUS(本家VXUSも含む)を買うべきではない理由はあります。
それは、これをポートフォリオに組み入れる事によって、少なからずアクティブ要素が加わるからです。
インデックスファンドは、時価総額加重平均という仕組みによって、大きな企業ほど及ぼす影響が大きく、小さな企業は(例え潰れたとしても)全体に及ぼす影響は小さくなっています。
これは国においても同様で、全世界株のうちの6割近くが米国になっているのも、それだけ米国に価値があるからです。
そこを敢えて、小さな所に多く投資するわけですから、当然リスクも高まります。
今度、アメリカは停滞する(全世界株におけるアメリカの割合も減る)、と予想してあらかじめアメリカ以外に多く振っておきたい、という場合はこの限りではないですが、
それであるならば米国ETFを買うという選択肢自体が(リスクヘッジという意味で)本当に正しいのかも若干疑問です。
極論、アメリカが潰れても大丈夫なポートフォリオにしたいならeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)のように、個別株を買い付ける日本の投資信託(米国を介さない)の方が良い気がします。
少なくともこれであれば三重課税は発生しないので(かつ信託報酬も安めなので)、米国以外に投資するなら現状はこれ一択と言っても良いと思います。
オルカンが最強と言われるのには理由があるんだね
まとめ
という事で、個人的には米国以外に投資する米国ETF(を買い付ける投資信託)は避けて、全米株(S&P500かVTI)またはオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)、もしくはその組み合わせが良いかと思います。
とは言え、狼狽売りを避けるためにも、自分が納得した商品を買うのが何より一番です。
上記で述べたコストやリスクを考慮した上でも良いと思えるなら買うべきでしょう(最悪なのは、買った後から気付いて売却する事です)。
今回の楽天VXUSに限らず、今後も(新NISAなどの影響で)投資人口が増えるに伴って様々な新商品も出てくるでしょう。
もし買うなら、しっかりその商品を調べた上で納得してからでも遅くはないと思います。
汗水流して稼いだ大切なお金、大事に運用したいわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️