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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
前提条件について
前回、NISAとiDeCoを使うことでどれだけお得になるのかを、積み立て期間を30年に固定して、想定利回りを変化させることで、損得ライン(年率何%以上でNISAの方がお得になるのか)を特定しました。
しかし、実際は積み立て期間は30年とは限りませんし、積み立て金額も様々です(iDeCoであっても限度額まで拠出しない、という選択肢もあります)。
そこで今回は、これらの条件も変動させながら、また所得税率(前回は10%で固定)によっての違いも見てみます。
変動する条件が多いと、パターン数が増えすぎてしまうため、今回は想定利回りを年率6%に固定、としました。
(これまでのS&P500の平均リターンと、今後は少々伸び悩むであろうことから、この程度に落ち着くと予想されることが多い数字です)
前回はiDeCoの場合、60歳~64歳の公的年金等控除(1年あたり60万円)もフルに使う想定で、最終積立金額(元本+運用収益)から300万円を引いた金額で退職金手取額を計算したのち、300万円を加算していましたが、
今回は簡略化のため全額を一時金で受け取る(退職所得控除のみ適用)という想定で計算しています(iDeCoにやや不利な条件)。
(最終積立金額は30年まではこちら、40年はこちらで計算)
また、前回の増税ありパターンと同様、iDeCoは退職所得控除が悪い方向で改正される(20年未満・以上関係なく一律で1年あたり40万円になる)前提で計算しています。
(便宜上、積み立て期間30年は勤続年数を26年、40年は31年(10年・20年はそのまま)としてこちらで計算)
40 × 40 = 1,600万円 と、800 + 70 × 11 = 1,570万円 で、金額が近くなるからだね
比較結果
こうして、特定口座・NISA・iDeCoでのそれぞれの手取り額を計算し、NISA(上段)とiDeCo(下段)で、それぞれ特定口座と比べていくらお得になるのか、を表にするとこうなります。
(縦軸は毎月何万円ずつ積み立てるか、横軸はそれを何年間積み立てるか、です)
月額/年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
---|---|---|---|---|
1.2万円 | 11万円 48万円 | 54万円 156万円 | 157万円 369万円 | 371万円 698万円 |
2.3万円 | 21万円 93万円 | 104万円 278万円 | 301万円 585万円 | 711万円 992万円 |
3.5万円 | 32万円 128万円 | 158万円 372万円 | 458万円 731万円 | 1,082万円 1,183万円 |
5.0万円 | 44万円 169万円 | 225万円 459万円 | 655万円 856万円 | 1,545万円 1,385万円 |
6.7万円 | 60万円 207万円 | 303万円 523万円 | 877万円 945万円 | 2,071万円 1,540万円 |
黒字の部分がNISAよりiDeCoがお得になるパターンで、赤字の部分がiDeCoよりNISAの方がお得になるパターンです。
こうして見ると、(仮に退職金の増税があったとしても)ほとんどのパターンでiDeCoの方がお得になることが分かります。
iDeCoの場合、NISAと比べて毎年の所得控除がある(その分、運用(ここでは特定口座を想定)に回して増やせる)のがメリットですが、
退職所得控除額を超えると、受け取り時の課税が(1/2ではあるものの)超過累進課税で掛かる(利益が多いほど税率が上がる)のがデメリットです。
ですので利益が大きくなる(税率が高くなる)、積み立て金額が多く、積み立て期間も長いパターンで不利になります。
40年間、個人事業主としてiDeCoに拠出はあまり考えられないから、年率6%ならどのパターンでもiDeCoの方がお得と言っても良さそうね
所得控除額の計算方法
実はもう一つ、iDeCoの損得に影響する大きな要素があって、それは(iDeCo以外の)課税所得です。
所得税は超過累進課税(所得が多いほど税率が上がる)ですから、iDeCoで節税できる金額は、拠出額が同じであっても税率によって違ってきます。
所得税の速算表では195万円~330万円が税率10%、控除額9.75万円ですが、例えば課税所得が300万円(所得税は 300 × 0.10 – 9.75 万円)の人が、iDeCoに年間10万円拠出した場合、
課税所得は290万円(所得税は 290 × 0.10 – 9.75 万円)になりますから、iDeCoに加入したことによって減った所得税額はこの差である1万円(10 × 0.10)、つまり掛金に(iDeCo加入前の所得に応じた)税率を掛けたものです。
(厳密にはiDeCoに加入することで速算表の上の段に割り込む(200万円→190万円などの)場合、税率は割り込んだ金額に応じて若干下がります)
実際はこれに復興特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税(ほぼ10%固定)が加わりますから、この場合、10 + 10 × 0.021 + 10 = 20.21%となります。
こうして、課税所得が195万円(+iDeCoの年間拠出予定額)~330万円の人が、iDeCoに加入した場合で計算したのが前回と先ほどの表です。
所得が大きい(所得税率が高い)人ほどiDeCoの恩恵も大きいんだね
所得が195万円以下、330万円以上の場合
では、この範囲外だった場合はどうなるでしょうか。
まずは課税所得が330万円~695万円(所得税率20%、復興特別所得税と住民税を合わせて30.42%)の場合です。
月額/年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
---|---|---|---|---|
1.2万円 | 11万円 67万円 | 54万円 207万円 | 157万円 476万円 | 371万円 906万円 |
2.3万円 | 21万円 129万円 | 104万円 376万円 | 301万円 790万円 | 711万円 1,389万円 |
3.5万円 | 32万円 183万円 | 158万円 521万円 | 458万円 1,043万円 | 1,082万円 1,788万円 |
5.0万円 | 44万円 248万円 | 225万円 671万円 | 655万円 1,302万円 | 1,545万円 2,249万円 |
6.7万円 | 60万円 313万円 | 303万円 808万円 | 877万円 1,543万円 | 2,071万円 2,698万円 |
この場合、やはりiDeCoの所得控除が大きくなる分、実質の(所得控除分の運用収益を含めた)iDeCoの手取りは全体的に大きくなり、iDeCoよりNISAの方がお得になるパターン(赤字の部分)は皆無になりました。
では、逆に所得が195万円以下(所得税率5%、復興特別所得税と住民税を合わせて15.105%)だった場合はどうでしょうか。
月額/年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
---|---|---|---|---|
1.2万円 | 11万円 39万円 | 54万円 130万円 | 157万円 316万円 | 371万円 594万円 |
2.3万円 | 21万円 75万円 | 104万円 229万円 | 301万円 483万円 | 711万円 793万円 |
3.5万円 | 32万円 100万円 | 158万円 298万円 | 458万円 575万円 | 1,082万円 881万円 |
5.0万円 | 44万円 129万円 | 225万円 352万円 | 655万円 633万円 | 1,545万円 953万円 |
6.7万円 | 60万円 154万円 | 303万円 380万円 | 877万円 646万円 | 2,071万円 961万円 |
こちらは逆にiDeCoの所得控除が小さくなる分、赤字の部分が増えていますが、思ったよりも多くのパターンでiDeCoが有利な状態になっています。
これは所得に関わらず、住民税が10%で固定であるところが大きいと思います。
所得が少なくてふるさと納税等がある場合、控除の上限が低いから、そこは要注意だね
iDeCoをやってはいけないパターン
ですので、逆に住民税がかからない所得(住んでいる自治体によりますが、おおむね年間100万円以下)の場合、iDeCoの所得控除の恩恵が受けられなくなります。
この場合、良くてNISAと同じ(運用益が非課税になるだけ)で、悪いとNISAに劣る、という状態になるため、全くおすすめ出来ません。
iDeCoに加入している「本人」の所得控除にしか出来ないため、専業主婦(夫)や扶養内でのパートもこれに該当します。
例外として、社会保険の扶養(年収130万円以下)ギリギリの人が、税法上の扶養(年収103万円以下)にも入るためにiDeCoに加入するという方法もありますが、
社会保険の扶養に入る条件も年々厳しくなっていきますので、このスキームも使える場面が減っていくでしょう。
ですが、ある程度所得があって、資金ロックが許容できる人であれば、(退職金の増税があったとしても)iDeCoはお得な制度なので、積極的に活用していきたいですね。
個人型確定拠出「年金」なだけあって、老後資金にはうってつけの制度ね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️