この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
世界トレンド・テクノロジー株(Zテック20)
つい先日、12月10日に新たなファンドが設定されました。
その名も、iFreePlus 世界トレンド・テクノロジー株(Zテック20)。
日本を除く世界(リスクが高い国・地域を除く)のテクノロジー企業の中から、時価総額で上位20銘柄に投資をする、時価総額加重平均型のファンドです。
実は、良く似たファンド(一歩先いく US テック・トップ20インデックス)(以下、一歩)が3月に設定されていて、こちらは米国を代表するテクノロジー関連上場企業20社で構成されている時価総額加重平均型、だそうです。
どちらもテクノロジー関連企業20銘柄ですが、大きな違いは「日本を除く世界」と「米国」という点です。
比較対象となるであろう、主要ファンドと比較するとこのようになります。
委託会社名 | 信託報酬 (目論見書) | 合計コスト (運用報告書) | 設定日 | NISA対象 ※1 | ベンチマーク | |
---|---|---|---|---|---|---|
eMAXIS NASDAQ 100インデックス | 三菱UFJアセッ トマネジメント | 0.2035% 以内 | 0.455% ※2 | 2021/01/29 | 〇 | NASDAQ100指数 (配当込み、円換算ベース) |
iFreeNEXT FANG+ インデックス | 大和アセット マネジメント | 0.7755% | 0.801% | 2018/01/31 | ◎ | NYSE FANG+指数 (配当込み、円換算ベース) |
一歩先いく US テック・ トップ20インデックス | 大和アセット マネジメント | 0.495% 以内 | - | 2024/03/13 | 〇 | FactSet US Tech Top 20指数 (配当込み、円換算ベース) |
iFreePlus 世界トレンド・ テクノロジー株(Zテック20) | 大和アセット マネジメント | 0.495% | - | 2024/12/10 | 〇 | なし |
※1 ×:非対象 〇:対象(成長投資枠のみ) ◎:対象(つみたて投資枠・成長投資枠)
※2:信託報酬引き下げ前(2023年1月27日~2024年1月26日)の費用
信託報酬は一歩と同じで、ちょうどNASDAQ100とFANG+の中間くらいになります(実質コストは運用報告書がまだ出ていないため不明です)。
NISAは成長投資枠のみ対象ですが、NISAで買うのはあまりおススメしません(後述)。
特徴的なのがベンチマークで、一歩がFactSet US Tech Top 20指数に連動するのに対し、Zテック20はファンド独自のルールでの運用となりますが、
どちらも年2回で(前者が毎年6月と12月、後者が毎年3月と9月に)リバランスと銘柄入替が行われるため、特段問題は無さそうです。
入れ替えがあるから組み入れ銘柄が落ち目になっても安心ね
過去のパフォーマンス
ベンチマークの指数が無いため、過去のパフォーマンスは分からないのですが、特集サイトに「10年前からZテック20があったとしたら?」というシミュレーションがあります。
こちらを見る限り、リターンもNASDAQ100とFANG+の間となっているようです。
この手のシミュレーションで自分よりも優れたファンドを載せるのは珍しい気がします。
(リスク対リターンという意味でも、22 / 23 < 29 / 28 でFANG+に劣りますし)
ちなみに、一歩(ファクトセットUS テック・トップ20指数)の推移もこちらにあり、集計期間は違いますが、S&P500とNASDAQ100、NASDAQ100と両ファンドとの差を見比べると「NASDAQ100 < 一歩先行く ≦ Zテック20 < FANG+」のようなイメージです。
信託報酬と過去のシミュレーションを見る限り、一歩の上位互換のように見えるね
全構成銘柄を比較
普通に考えると、オルカンとS&P500のように世界(Zテック20)よりも米国(一歩)の方がリターンが高くなりそうですが、逆転している理由は構成比率にあると思われます。
銘柄名 | Zテック20 (2024年9月 末時点) | FactSet US Tech Top 20 (2024年1月 末時点) | NASDAQ100 (2023年12月 末時点) |
---|---|---|---|
アップル | 1(17.3) | 5(7.18) | 1(9.2) |
マイクロソフト | 2(15.6) | 4(7.76) | 2(8.6) |
エヌビディア | 3(14.5) | 1(9.73) | 7(3.8) |
アルファベット | 4(10.0) | 7(6.53) | 3(5.0) |
アマゾン・ドット・コム | 5(9.5) | 2(7.85) | 4(4.8) |
メタ・プラットフォームズ | 6(7.1) | 6(6.83) | 6(3.8) |
テスラ | 7(4.1) | 9(5.77) | 8(3.7) |
ブロードコム | 8(3.9) | 3(7.79) | 4(4.1) |
台湾積体電路製造(TSMC) | 9(3.8) | - | - |
オラクル | 10(2.3) | - | - |
ASMLホールディング | 11(1.6) | - | - |
SAP | 12(1.4) | - | - |
サムスン電子 | 13(1.4) | - | - |
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ | 14(1.3) | 12(3.88) | 12(1.9) |
セールスフォース | 15(1.3) | - | - |
アドビ | 16(1.1) | 18(2.21) | 11(2.2) |
シスコシステムズ | 17(1.0) | - | 16(1.6) |
クアルコム | 18(0.9) | 17(2.39) | 20(1.3) |
テキサス・インスツルメンツ | 19(0.9) | 19(2.10) | - |
サービスナウ | 20(0.9) | - | - |
(Zテック20・一歩先行くUSテックトップ20・ニッセイNASDAQ100 特設サイトの情報を元に作成)
こちらは、Zテック20の構成銘柄ごとに、一歩(ファクトセットUS テック・トップ20指数)とNASDAQ100指数において何位(何%)かを並べたものです。
(時期は違いますが、大まかな傾向は見て取れると思います)
確かに、TSMC(台湾)やサムスン電子(韓国)、ASML(オランダ)、SAP(ドイツ)などの米国以外の企業や、オラクルやセールスフォース、サービスナウなどの米国でもNASDAQには上場していない企業を組み込んでいるのも特徴ですが、
それ以上に大きいのが上位7銘柄の比率です。
これぞまさに「マグニフィセント・セブン」(M7)と呼ばれる米国を代表するIT企業7社で、これだけで実に78.1%を占めています。
(逆に一歩はリバランス時に1銘柄あたり上限8%に設定されていて、NASDAQ100は構成銘柄数が多いため、比較的低くなっています)
それに対して上記の、一歩とNASDAQ100に無い7銘柄はたった12.7%しかありませんから、影響としては少ないと思います。
M7の比率が他とは全然違うのね
NISAで買ってはいけない理由
このように、世界に分散しつつリターンも高い、とかなり良いファンドのように見えるのですが、実のところは大半をM7に依存していると言っても良いでしょう。
銘柄入替がある上に、FANG+のように原則固定の銘柄も無いため、M7が衰退したらアウトというわけではないものの、リスクはかなり高いと思っておいた方が良いでしょう。
リスクを承知の上で買う分には良いのですが、NISAではさらに注意が必要です。
それは、このようなファンドでは4%ルールは成立しないため(NASDAQ100でも3%ルールすらNG)、途中での乗り換えが前提となり、非課税枠のロスが発生するからです。
例えば、1,800万円分オルカンやS&P500を積み立てたら引退前に4,000万円になったとして、これをハイリスク投資で5,000万円に出来たとしても、売却してオルカンやS&P500に乗り換えると、NISAに1,800万円と特定口座に3,200万円になります。
確かに、現在の税制ではNISAのみに4,000万円より(20%引かれたとしても)こちらの方が有利ですが、将来は税金もどうなるか分かりませんし、少なくとも申告不要の株や投資信託の利益も社会保険料に反映されるのは時間の問題でしょう。
そうなると、健康保険料はもちろん、老後の医療費の自己負担割合や高額療養費の限度額にまで影響が出ますし、住民税非課税世帯のメリットも受けられなくなるためトータルではかなりの損失になります。
それらを加味すると、オルカンやS&P500を(取り崩し期も含めて)一生保有するよりも多くの利益を、資産形成期だけで出さなければならず、そうなると今回のZテック20や一歩はパワー不足感が否めません。
(NISAならFANG+や(成長投資枠なら)個別株がありますし、特定口座ならレバナスやレバドラなどもあります)
もちろん、実際に長期保有できる方が重要なので、これに特別な価値を見出せる人なら良いですが、理論的に考えるとどうしても中途半端という評価になってしまいます。
NISAにスイッチングがあれば面白いファンドなんだけどね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️