厚生年金を生かす~会社員最大のメリット!?~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

国民年金と厚生年金の差

会社員や公務員は(税金や社会保険料の面で)国に一番搾取されている、とはよく言われますが、その分、保障も手厚いというメリットもあります(払った額に見合ったものかどうかは置いておいて)。

その一つが厚生年金ですね。

国民年金の場合、所得に関係なく保険料は一定(2023年現在、1カ月あたり16,520円)ですから、受給額は払った年数次第なのですが、通常は20歳~60歳までの40年間納めなければならないため、受給額もほぼ一定になります。

ですので、40年間納めた場合(満額)を基準として、国民年金保険料の学生納付特例制度納付猶予制度(を使って後から追納しなかった場合)や、免除制度(受給額が一部減額(全額免除の場合は2分の1)になる)を使った場合は、ここから減額される形になります。

例外として付加年金を納めることで(満額以上に)受給額を増やすことも出来ますが、月400円固定で(それ以上納めることは出来ない)受給額も 200円 × 納めた年数 しか増えないため、誤差と言っても良いでしょう。

一方、厚生年金は収入(厳密には標準報酬月額(4~6月の給与+手当等の平均額))によって保険料が決まり、受給額も(保険料を多く払った人の方が多く受け取れるため)人によってまちまちです。

ですので、一般的には平均的な収入を基に計算されることが多いです。

その結果、国民年金と厚生年金の差はずばりこの通りです。

令和5年度の年金額の例(67歳以下の場合)

 令和5年度(月額)令和4年度(月額)
国民年金
(老齢基礎年金(満額))※1
66,250円64,816円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金
を含む標準的な年金額)※2
224,482円219,593円

※1 令和5年度の68歳以上の老齢基礎年金(満額)は、月額66,050円です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

令和5年4月分からの年金額等について|日本年金機構

国民年金が1人分、厚生年金が2人分なのでそのまま鵜呑みには出来ませんが、夫婦とも国民年金だった場合は132,500円(令和4年度は129,632円)ですから、その差は大きいです。

また、夫婦ともに会社員だった場合は(上記の例は専業主婦(夫)の場合と思われます)、約26.8万円にものぼるそうです(こちらに詳しい統計があります)。

年金だけじゃとても生活できない、とか言われるけど、それは国民年金のみの場合なのかもね

加給年金とは

また、国民年金と厚生年金には(老齢年金の)受給額以外にも細かい違いがあります。

まず、遺族年金(年金の被保険者だった人が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金)を受け取れる条件が違います。

厚生年金では生計を一にする子供・妻・55歳以上の夫・父母・祖父母がいれば支給されますが、国民年金では18歳未満(もしくは20歳未満で障害等級2級以上)の子のある配偶者(または子)しか受け取ることが出来ません。
(詳しくはこちらにありますが、夫と妻で条件が違うのが時代錯誤ですね)

もう一つ大きいのが加給年金の存在です。

ざっくり言うと、年金の被保険者だった人が65歳到達した時点で、条件を満たす配偶者または子がいるときに加算される年金です(その内容から「年の差夫婦年金」などと言われたりもします)。

これは厚生年金にしかありません

その条件と加算額はこのようになっています。

対象者加給年金額年齢制限
配偶者228,700円(※2)65歳未満であること
(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません)
1人目・2人目の子各228,700円18歳到達年度の末日までの間の子
または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
3人目以降の子各76,200円18歳到達年度の末日までの間の子
または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

(※2)老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に33,800円から168,800円が特別加算されます。

受給権者の生年月日特別加算額加給年金額の合計額
昭和9年4月2日から昭和15年4月1日33,800円262,500円
昭和15年4月2日から昭和16年4月1日67,500円296,200円
昭和16年4月2日から昭和17年4月1日101,300円330,000円
昭和17年4月2日から昭和18年4月1日135,000円363,700円
昭和18年4月2日以後168,800円397,500円
加給年金額と振替加算|日本年金機構

例えば、65歳になった時点で配偶者が60歳だった場合、5年間の間、年額397,500円(月額33,125円)が年金に加算されるのです。
(47歳以上の時に生まれた子供が居る場合は年額228,700円(月額19,058円)が加算)

老齢厚生年金と違って、払った保険料に関係なく金額が固定なのが特徴です。
(ただし、厚生年金に20年以上加入していることが条件です)

子供はともかく配偶者の方は条件を満たす人も多そうだね

繰上げ受給と住民税非課税世帯

このように色々なメリットがある厚生年金なのですが、所得扱いとなり税金(所得税と住民税)が発生しますし、国民健康保険料(75歳以上は後期高齢者医療の保険料)や介護保険料の計算にも含まれます(障害年金と遺族年金は非課税です)。

ただし、公的年金等控除(60~64歳は60万円、65歳以上は110万円)+(年金以外の所得が無い場合)基礎控除(48万円)が適用されるため、この範囲内であれば非課税です。

これは所得税の話で、住民税はもう少し複雑になります。

住民税の基礎控除額は原則43万円(65歳以上の場合、公的年金等控除と合わせて153万円)なのですが(これ以下なら国民健康保険料なども最低額になるはずですが)、

これに限らず、特定の条件を満たせば住民税非課税世帯となり、さまざまなメリットを享受できるため、一般的に非課税を目指す場合はこちらが基準となります。

住民税非課税世帯とは~年金繰上げ受給で対象に!?~

65歳以上の単身者の場合は年間の年金収入が155万円以下、夫婦二人世帯の場合は主たる生計者(一般的には世帯主)が211万円以下、かつ配偶者が155万円以下(合計で366万円以下)であればOKです(地方の場合、このラインが少し下がることもあります)。

それぞれ、月額になおすと単身なら約12.9万円、夫婦二人世帯なら合計30.5万円(世帯主は約17.6万円)になりますから、最初の表(国民年金(一人分)は約6.6万円、厚生年金(二人分)は約22.4万円(世帯主は15.8万円))と見比べると、

国民年金の場合はどちらでも、厚生年金の場合は夫婦二人世帯なら住民税非課税世帯に入れる計算になります。

ただし、この厚生年金はあくまで平均値ですし(特に世帯主は)割とギリギリなので、人より少し収入が多いだけでも超えてしまうと思います。

この時によく使われる手段として、年金の繰上げ受給があります。

年金の受給開始年齢を前倒しに出来る代わりに受給額が減る制度なのですが、最大(65→60歳に繰上げ)で減額率24.0%になります。

つまり逆算すると世帯主の年金収入が 211 / 0.76 = 約277.6万円(月額約23.1万円)以下であれば65歳以降は住民税非課税世帯になれることになります(65歳までの間は税金がかかります)。

単身(または二人世帯の収入が低い方)でも、155 / 0.76 = 約203.9万円(月額約17.0万円)ですから、かなりの高収入でなければ入れそうです。

60~64歳まで税金が掛かったとしても65歳以降ずっと住民税非課税世帯に入れるならお得ね

やるなら繰下げ受給!?

ただし、この住民税非課税世帯に入るために年金の繰上げ受給を行うという方法ですが、個人的にはあまりおススメできません。

なぜなら、受給開始した後に繰上げ請求を取り消したり変更したりすることは出来ず(減額率は一生変わらず)、この住民税非課税世帯の条件もあくまで現時点での話で、将来どうなるかは分からないからです。

少子高齢化で最も重い医療介護費の負担と財源確保(数が多い高齢者から取れるか)に直結する内容ですから、死ぬまでの間に見直しが入る可能性はかなり高そうです。

その代わりに個人的におススメしたいのが、逆に年金の繰下げ受給を行う方法です。

一見、受給額が上がるので住民税非課税世帯からは遠ざかるように見えるのですが、受給開始(最大75歳)までの間は所得ゼロになるため確実に住民税非課税世帯に入れるのです(もちろんその間、生活できるだけの貯蓄があるのが前提ですが)。

老後の前半でメリットを享受してしまおう、という作戦ですから、途中で制度変更が来てもダメージは少ない(むしろ変更前に享受できてラッキー)ですし、

何なら(繰上げ受給とは違って)繰下げ受給は後から変更することも出来ます。

繰下げみなし増額制度について~年金の繰下げ受給がお得に~

もし死ぬまで制度変更が来なかった場合、75歳までの控除枠を捨てる代わりにそれ以降の課税額(+後期高齢者医療の保険料と介護保険料)が増えることになるので損なのですが、

iDeCoをやっている人であれば一部を年金受け取りにして75歳までの控除枠を埋めるという裏技もあります。

こちらは自分で受け取り金額と期間を自由に決められるので、住民税非課税世帯に入りつつ控除枠を綺麗に使い切れますし、(金融機関にもよりますが)受給開始から5年後以降であれば変更して残りを一括で受給できます。

何にせよ、年金受給開始してから死ぬまでの間だけでも20年(多い人なら30年)近くありますから、変更できる方法にしておいた方が無難かと思います。

(75歳以降は資産ゼロになっても大丈夫と)資産の取り崩しが計算できるのが厚生年金+繰下げ受給の最大のメリットかもね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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