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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
公的年金等控除額が余る場合
前回、iDeCoで全米や全世界株など比較的、想定利回りが高いものに投資していた場合、一時金受け取りよりも年金受け取りの方がお得(税金は高くなるが、それ以上に運用益が多くなる)というお話をしました。
一時金 vs 年金~iDeCo受け取り、どちらがお得か徹底比較~
ただし、本当の正解は、一時金で受け取ってそのお金を特定口座で運用しながら少しずつ取り崩す、というものでした。
しかし、ここでのモデルケースでは、会社員で厚生年金が月14.4万円(現在の厚生年金の平均受給額)の場合を想定していたため、自営業やフリーランスの時期が長いなど、年金受給額が低い場合は少し話が変わってきます。
具体的には、公的年金だけではこちらの公的年金等控除額が余る、という場合です。
公的年金等は、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算します。
公的年金等の課税関係|国税庁
公的年金等控除額は年金以外の所得が1000万円以下で、年金所得が330万円未満の場合、110万円(65歳未満は60万円)となります。
しかし、国民年金受給者の平均は月5.6万円のため、年間でも67.2万円で、これに届かない(差額の42.8万円が余る)のです。
iDeCoの受け取りを一時金と年金の併用にして、年金でこの差額がちょうど埋まるくらいにすると良さそうね
均等割免除額とは
実際には、収入が公的年金(+iDeCoの年金受け取り)のみの場合、110万円に基礎控除(所得税は48万円、住民税は43万円)を足した額が控除される事になります。
ですので、年金の壁(課税されるかどうかのライン)は153万円と思われがちですが、実は違うのです。
そこには、住民税非課税世帯というものも絡んでくるのです。
住民税非課税世帯とは、言葉の通り、「住民税が課税されない世帯」の事で、同じ世帯にいる全員の住民税が非課税である場合を指すのですが、
実際には世帯全体の所得が〇〇〇万円以下、のような判定基準が存在するのです。
具体的には、控除(給与の場合は55万円、事業(青色)の場合は65万円、年金の場合は110万円(これ以外の控除(生命保険・iDeCo・ふるさと納税など)は含まない))に、
均等割免除額と言うものを加えた額なのですが、この均等割免除額の計算式は下記の大阪市のサイトが分かりやすいです。
前年の合計所得金額が、次の算式で求めた額以下である方
大阪市:個人市・府民税が課税されない方
(1)同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円 × (本人 + 同一生計配偶者+扶養親族)の人数+ 21万円 + 10万円
(2)同一生計配偶者および扶養親族がいない場合
35万円 + 10万円(給与所得者の場合、年収100万円以下である方が該当します。)
これは、大阪市に限らず住んでいる地域が1級地(大都市)であれば同じですが、2級地(中核都市)、3級地(その他)となるにつれて下がっていき、3級地の場合、
(1)28万円(※1) × (本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数+16.8万円(※2) +10万円
(2)28万円(※1)+10万円
となります。
(※1) 基本額:1級地 35万円、2級地 31.5万円、3級地 28万円
(※2) 加算額:1級地 21万円、2級地 18.9万円、3級地 16.8万円
自分が住んでいる地域が何級地なのかはこちらをご覧下さい。
級地制度(きゅうちせいど)とは、生活保護による扶助を行う際に、生活保護法第8条第2項に基づき、地域ごとの立地特性や生活様式などに応じて生じる物価・生活水準の差を、生活保護の基準額に反映させることを目的とした制度である。
級地制度 – Wikipedia
ですので、例えば1級地に住んでいる単身の年金生活者の場合は本来、税金は収入から153万円(110+43)(+各種控除)を引いた額に対して掛かるのですが、155万円(110+35+10)以下であれば非課税になる、というわけです。
要は、地域によって生活費が変わるから、扶助すべき基準も変わる、という事だね
住民税非課税世帯のメリット
この住民税非課税世帯なのですが、通常の税金の壁(超えた分だけ課税)と違って、ギリギリ超えないか、ちょっとだけ超えるか、で大きな差が出てしまいます。
それは、住民税非課税世帯である事によって受けられる恩恵があるからです。
- 国民健康保険料の減免
- 高額療養費の減額
- 入院中の食事の自己負担額の軽減
- NHK受信料の全額免除
- 0歳から2歳までの子どもの保育料の免除
- 大学費用(入学金や授業料)の減免
主なものでもこれだけあり、これに加えて地域によってはプレミアム付商品券やシルバーパス(無料or格安で公共交通機関を利用できる)など様々なサービスが受けられます。
さらに国からの給付金が定期的に(経済情勢がマイナスになるような出来事がある度に)あり、近年では消費税増税(1.5万円)、新型コロナ長期化(10万円 ※国民全員や18歳以下のものとは別で貰える)、物価高騰(5万円)などがあります。
これは単なる憶測ですが、対象の世帯が少ないかつ貧困層が多いがゆえに、国民を助けるべきとの意見が出た時に、出来るだけ予算と手間を掛けずに納得させる政策として有効なのかも知れません。
一国民の感情としては、ひとり親で収入ゼロの世帯も、年金で年収155万円の単身者も(資産が何億あろうが)同じ支援で、収入が1円でも超えたら支援なし、というのもおかしな気がしますが、制度がこうなっている以上、仕方がありません。
ちなみに、国民健康保険料に関しては家計に直結するものである事からか、(地域にもよりますが)同じ住民税非課税世帯であっても所得に応じて(7割・5割・2割など)軽減率が段階的に変わるようになっている事が多いようです。
iDeCo(の年金受け取り)をした事によって、この住民税非課税世帯から外れる場合もあるのね
年金繰上げ受給で住民税非課税世帯に!?
と言う事は、公的年金だけで155万円(1級地に住んでいる単身の年金生活者の場合)を超えてしまう場合、金額によっては繰上げ受給をする事で住民税非課税世帯の対象となる可能性があります(以前紹介した繰下げ受給とは逆で、年金受給額が下がるため)。
具体的な減額率については日本年金機構のサイトに詳しく載っています。
老齢基礎・厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。ただし、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。
年金の繰上げ受給|日本年金機構
ここによると、減額率の最大は60歳0ヶ月で請求した場合で、24%になります。
これを先ほどの厚生年金の平均受給額である月額14.4万円(年額172.8万円)に当てはめると、131.3万円(172.8 × (1 – 0.24))となり、なんと155万円を下回って住民税非課税世帯の対象になるのです。
ただしこれは単身の場合で、夫婦の場合は2人の年金を合算したものが211万円(110+35 × 2+21+10)以下である必要があるため、現役時代の多くが共働き(夫婦とも会社員)だった場合、繰上げ受給を行っても難しい場合が多いようです。
また、子供の扶養に入るために同一世帯にしている場合、当然ですが子供の収入も含めた世帯全体の所得が判定基準になるため、ほぼ不可能になります(ただし、厳密には税法上の扶養と健康保険の扶養は分ける事ができるそうです)。
裏技としては、夫婦間であっても世帯分離を行って住民税非課税世帯の条件を満たす、という方法もあるのですが、夫婦には民法で「協力・扶助の原則」が定められており、実際にはどちらかが施設に入所したり、DVなど特別な事情が無いと難しいようです。
自分の年金見込額はねんきん定期便などで見られるから計算してみると良いかもね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️