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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
先進国株式インデックスとの違い
先日、あのeMAXIS Slimシリーズから新しいファンドが登場しました。
その名も、eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>。
これを聞くと、先進国株式って以前からあったのでは?と思う方も居るかもしれません。
委託会社名 | 信託報酬 (目論見書) | 合計コスト (運用報告書) | 設定日 | NISA対象 ※1 | |
---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 米国 株式(S&P500) | 三菱UFJアセッ トマネジメント | 0.09372% 以内 | 0.104% | 2018/07/03 | ◎ |
eMAXIS Slim 全世界 株式(オール・ カントリー) | 三菱UFJアセッ トマネジメント | 0.05775% 以内 | 0.131% | 2018/10/31 | ◎ |
eMAXIS Slim 先進国 株式インデックス | 三菱UFJアセッ トマネジメント | 0.09889% 以内 | 0.690% | 2017/02/27 | ◎ |
eMAXIS Slim 先進国 株式(含む日本) <オール先進国> | 三菱UFJアセッ トマネジメント | 0.09889% 以内 | - | 2024/10/25 | ◎ |
※1 ×:非対象 〇:対象(成長投資枠のみ) ◎:対象(つみたて投資枠・成長投資枠)
その通り、先進国株式自体は米国株式(S&P500)や全世界株式(オルカン)よりも前から存在します。
では、違いは何かと言うと、先進国株式はベンチマークがMSCIコクサイ・インデックスで、先進国株式(含む日本)はMSCIワールド・インデックスとなっており、
わざわざ明記されている通り、これまでの先進国株式は日本以外の先進国、今回登場したものは(日本を含む)全ての先進国が対象です。
これまで先進国株式から日本が除かれていたのは、日本株が上がる=日本の景気が良い=給料も上がるため(逆もしかり)、リスク分散の観点から、日本人投資家にとっては日本株以外に投資した方が良い、という考え方が一般的だったからだと思われます。
(もしくは、それまでは日本株を持っている人が多かったため、ポートフォリオのバランス的にこの方が都合が良かった、という話もあります)
しかし、昨年から今年の上半期にかけての日本株の上昇を見ても分かるように、(海外投資家の投機などによる実体を伴わない株価上昇で)近年は必ずしもこの図式が成り立たなくなっているため、
日本を除く意義が薄れつつあり、逆に日本を含む先進国株式への需要が高まったものと思われます。
先進国株式と国内株式の二刀流をしても、リバランスが面倒だからね
オルカンと先進国の中間
まずは、これらのパフォーマンスを比較してみましょう。
リターン (2024年1月~) | リターン (2017年3月~) | 順位 | |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) | 33.57% | 271.55% | 1 |
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 28.27% | 203.21% | 3 |
eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス | 29.68% | 227.14% | 2 |
MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス(ACWI) | 22.52% | 152.04% | 3 |
MSCIコクサイ・インデックス (先進国株式(除く日本)) | 23.72% | 175.33% | 1 |
MSCIワールド・インデックス (先進国株式(含む日本)) | 23.14% | 167.07% | 2 |
このように、今年の年初来でも先進国株式の設定来でもリターンは「S&P500 > 先進国株式 > オルカン」となっており、
eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)はまだデータが無いためベンチマーク指数同士で比較すると(ファンドより低いのはプライスリターンの(配当を含まない)データだからです)、
ちょうど先進国株式とオルカンの中間くらいのパフォーマンスであることが分かります。
こうして見ると、S&Pトップ10のように、過去のリターンありきで設定されたファンドとは一線を画すファンドなのかも知れません。
S&Pトップ10について~最強ファンドが爆誕!?~投資対象がS&P500 < 先進国 < 先進国(含む日本)< オルカンだから、広げれば広げるほどパフォーマンスは下がる感じね
過去30年は日本株が足を引っ張っていた
では、もっと昔まで遡るとどうでしょうか。
オルカンのベンチマークである、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の算出開始以来のデータで見るとこのようになります。
リターン (1987年12月~) | リターン (年率) | 順位 | |
---|---|---|---|
S&P500 | 2,795.44% | 9.57% | 1 |
MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス(ACWI) | 943.62% | 6.57% | 5 |
MSCIコクサイ・インデックス (先進国株式(除く日本)) | 1,657.54% | 8.09% | 2 |
MSCIワールド・インデックス (先進国株式(含む日本)) | 1,020.88% | 6.78% | 4 |
MSCIエマージング・マーケット・ インデックス(新興国株式) | 1,303.77% | 7.44% | 3 |
先ほどと同様、先進国株式(除く日本)とオルカンの間ではあるのですが、中間というよりはかなりオルカン(低い方)寄りのリターンになっています。
これは、「失われた30年」と言われる、バブル崩壊後の1990年代初頭から2020年代初頭までの日本株の低迷が足を引っ張ったためと思われます(オルカンと先進国(含む日本)ともに日本を含むため)。
別の視点で見ると、オルカンと先進国(含む日本)の違いは、中国やインドなどの新興国を含むかどうかなのですが、上記のMSCIエマージング・マーケット・インデックス(eMAXIS Slim 新興国株式インデックスなどのベンチマーク)を見る限り、
先進国(含む日本)に対してオルカンを引き上げる結果にはなっていないようです。
これは、オルカンにおける新興国の比率(約10%)が低いこともさることながら、為替やコスト(信託報酬以外にもキャピタル課税などがある)が影響しているためと思われます。
インド株投資はアリかナシか~潜む2つの罠~新興国はコストを考えるともっと爆発的に伸びてくれないと旨味が無いね
低リスクファンドには人気が必須!?
そう考えると、オルカンから新興国を排除した先進国株式(含む日本)は理にかなっているように見えますし、少なくともオルカンより大きく劣ることはあり得ないのですが、最大の問題が合計コスト(オルカンの0.131%に対して先進国は0.690%)です。
FANG+やレバナスなど、高リターン狙いのファンドであれば少々高くてもリターンがそれ以上にあればOKなのですが、こういったオルカンと大差ないファンドの場合、このコスト差は致命的です。
この場合、リターンでオルカンを上回る余地は約10%の新興国が無い、という点のみですから、たとえ理論的に新興国には投資しない方が良かったとしても、コストを含めたトータルの期待値はオルカンの方が高いでしょう。
普通に考えると投資先が多い方がコストは掛かりそうですが、純資産総額が多い(多く投資されている≒投資している人が多い)とそのコストも下がるため、
特に比較的、低リスク低リターンのファンドの場合、人気もかなり重要だと思います。
そう考えると、今回の先進国株式(含む日本)を選ぶ理由は特段なく、日本にも投資したい人はオルカンで良いという結論になってしまいます。
(もしくは、共にコストが安いS&P500と国内株式の二刀流でも良いかも知れません)
中身がほとんど変わらないのなら、コストが安い方がいいわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️