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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
iFreeETF NASDAQ100
つい先日、信託報酬0.11%のNASDAQ100が登場したとの衝撃のニュースが出ました。
厳密には、以前からあった iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)(銘柄コード:2840)と、同為替ヘッジあり(銘柄コード:2841)の信託報酬が2024年12月4日より、0.22 → 0.11%(税込)に引き下げられました。
これにより、それまで最安を競ってきた ニッセイNASDAQ100インデックスファンド(ニセナス)(0.2035%)や eMAXIS NASDAQ100インデックス(eナス)(0.2035%以内)、楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド(楽ナス)(0.198%)などを一気に抜き去りダントツでNASDAQ100最安になりました(概要は下記の通りです)。
iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)(銘柄コード:2840)
連動対象指数 | NASDAQ100指数(配当込み、円ベース) |
---|---|
決算 | 毎年3月、9月の各10日 |
委託会社 | 大和アセットマネジメント |
受託会社 | 三井住友信託銀行 |
売買単位 | 1口単位 |
信託報酬率 | 純資産総額に対して 年率0.11%(税抜0.1%)以内 |
上場日 | 2022年2月2日 |
iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり)(銘柄コード:2841)
連動対象指数 | NASDAQ100指数(配当込み、円建て、円ヘッジ) |
---|---|
決算 | 毎年3月、9月の各10日 |
委託会社 | 大和アセットマネジメント |
受託会社 | 三井住友信託銀行 |
売買単位 | 1口単位 |
信託報酬率 | 純資産総額に対して 年率0.11%(税抜0.1%)以内 |
上場日 | 2022年2月2日 |
iFreeETF NASDAQ100の信託報酬率が年率0.22%(税込)から年率0.11%(税込)に | 最新情報 | マネックス証券
しかし、名前の通り、こちらはETF(ニセナス・eナス・楽ナス等は投資信託)になります。
ですので、ETFと投資信託の違いも含めて、トータルでどちらがお得なのか見ていきます。
(投資信託同士の比較は過去に行っていますので、気になる方はこちらをどうぞ)
ETFって最近ではあまり聞かなくなったけど、少し前までは鉄板の投資先だったんだよ
ETFと投資信託のメリット・デメリット
ETFと投資信託(投信)の違いは多岐にわたるのですが、長期投資に絞ればシンプルです。
それは、分配金を出すか出さないか、です。
厳密には、ETF=必ず分配金を出す、投信=分配金を出すものと出さないものがある、なのですがここで比較対象となる投信は全て分配金を出さないため、出さないものとします。
(以前紹介したSCHDなどは分配金を出す投信です)
そして、分配金が出るかどうかによってそれぞれメリットがあります。
- 分配金あり:二重課税調整がある(または外国税額控除が可能)
- 分配金なし:配当金に対する課税の繰り延べが可能
税金(20.315%)は、譲渡益(キャピタルゲイン)に対しても、分配金(インカムゲイン)に対しても掛かりますが、前者は売却時のみ、後者は受取り時に(原則毎年)発生します。
しかし、海外株式に投資をする場合、これとは別に配当金には外国税(米国の場合は10%)が掛かります。
これは、分配金が無い投信も例外ではなく、内部で発生した配当金は外国税が引かれた後に再投資され、基準価額に反映されます。
では、その配当金を分配金として受け取った場合はどうなるかと言うと、10%が引かれた後に20.315%が引かれるため、実質の課税は約28%(1 – (0.9 × 0.8) = 0.28)となりますが、
救済措置(外国税額控除)があり、確定申告をすることで二重課税となった分、国内の税金を減らして(還付をして)くれます(全額とは限りません)。
また、一部の東証上場ETF(今回の iFreeETF NASDAQ100 も含む)や、一部の投信(楽天SCHDなど)は、二重課税調整の対象となっており、(確定申告をしなくても)自動的にこの外国税額控除を行ってくれるようになっています。
(確定申告の手間だけでなく、金銭的デメリット(国保料のアップなど)も回避できます)
ですが、分配金が無い投信の場合、この外国税(二重課税)を取り戻す手段がありません。
その代わりに本来、分配金が発生する度に取られる国内税を先送りにして運用に回すことで増やしてから払える(利益は自分のもの)、というメリット(課税の繰り延べ)があります。
(ETFと二重課税については下記でも解説しています)
二重課税調整(ETF)と課税の繰り延べ(投信)のどちらのメリットの方が大きいのか、にかかってくるのね
二重課税調整(ETF)vs 課税の繰延べ(投信)
では、実際にこの2つを比較しみましょう。
例えば、元金を100万円、リターン(配当込み)を年率8%、配当利回りを2%、ETFは二重課税を全て取り戻せる(外国税+国内税で20.315%になる)と仮定した場合、
1年後は理論上は108万円になるはずですが、そのうち配当金2万円に対する税金がETFだと 20,000 × 0.20315 = 4,063円、投信だと 20,000 × 0.10 = 2,000円引かれETFは1,075,937円、投信は1,078,000円となります。
2年目以降はこの残金に対して1.08(配当金は0.02)を掛ける、というように計算していき、売却時の手取りとして利益の20.315%を税金として引くのですが、
投信は単純に「利益=評価額-元金(100万円)」ですが、ETFは再投資する度に元本(取得価額)が積み上がっていくため、それも考慮します。
こうして、ETFと投信どちらの手取りが多くなるのかを比較したものが下記です。
運用年数 | 分配金再投資後の評価額(ETF) | 評価額 (投信) | 売却時の手取り(ETF) | 売却時の手取り(投信) | ETF - 投信 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1,075,937 | 1,078,000 | 1,063,748 | 1,062,154 | 1,594 |
2 | 1,157,640 | 1,162,084 | 1,132,337 | 1,129,157 | 3,180 |
5 | 1,441,897 | 1,455,773 | 1,370,966 | 1,363,183 | 7,783 |
10 | 2,079,067 | 2,119,276 | 1,905,861 | 1,891,895 | 13,965 |
13 | 2,589,578 | 2,654,874 | 2,334,427 | 2,318,686 | 15,741 |
14 | 2,786,223 | 2,861,954 | 2,499,508 | 2,483,698 | 15,810 |
15 | 2,997,800 | 3,085,186 | 2,677,124 | 2,661,581 | 15,543 |
20 | 4,322,518 | 4,491,333 | 3,789,206 | 3,782,068 | 7,137 |
21 | 4,650,757 | 4,841,657 | 4,064,757 | 4,061,224 | 3,533 |
22 | 5,003,922 | 5,219,306 | 4,361,234 | 4,362,154 | -920 |
23 | 5,383,905 | 5,626,412 | 4,680,224 | 4,686,556 | -6,332 |
30 | 8,986,804 | 9,518,375 | 7,704,805 | 7,787,867 | -83,062 |
40 | 18,684,165 | 20,172,068 | 15,845,598 | 16,277,263 | -431,665 |
その結果、基本的にETFが有利で、運用年数が長くなるにつれてその差も広がるのですが、14年でピークを迎えたあとは縮まっていき、22年で逆転し、その後は差が広がる一方です。
ちなみに、逆転するまでの年数を一覧にすると、このように配当込みリターンは上がれば上がるほど、配当利回り(影響少)は下がれば下がるほど、短くなっていきますが、それでも結構な年数が必要です(積み立て投資ならもっと必要です)。
配当利回り→ リターン↓ | 0.5% | 1% | 2% | 4% | 6% |
---|---|---|---|---|---|
6% | 29年 | 29年 | 29年 | 30年 | 30年 |
7% | 25年 | 25年 | 25年 | 26年 | 26年 |
8% | 22年 | 22年 | 22年 | 23年 | 23年 |
9% | 20年 | 20年 | 20年 | 20年 | 21年 |
10% | 18年 | 18年 | 18年 | 19年 | 19年 |
11% | 17年 | 17年 | 17年 | 17年 | 17年 |
12% | 16年 | 16年 | 16年 | 16年 | 16年 |
将来の増税や総合課税化(の前に益出し)まで考えると、基本的にはETFの方が有利と考えて良さそうだね
実質コストの罠
しかし、そもそもこの比較はコストが同じ、かつ特定口座の場合の話です。
なぜなら、NISAではそもそも国内税は非課税で控除できる税金が無いため、二重課税調整があろうが無かろうが外国税は取られっぱなしになるからです。
では、NISAだとどちらがお得かと言うと生涯投資枠(1,800万円(全体)もしくは1,200万円(成長投資枠))が埋まる場合は投信がお得、そうでなければどちらも同じなのですが、
前者でもETFの方がコストが安い、となればその損得判断は非常に難しいです。
ところが、このコストには罠があるのです。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558):信託報酬 0.077% 実質コスト 0.149%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) :信託報酬 0.09372% 実質コスト 0.105%
これはS&P500の例ですが、投信よりETFの方が信託報酬こそ安いのですが、(隠れコストを含めた)実質コストでは高くなっています。
(指数使用料(0.05%)等を信託報酬に含めるか隠れコストに含めるか、の差だそうです)
今回の iFreeETF NASDAQ100 だと比較対象は同じ大和アセットマネジメントの iFreeNEXT NASDAQ100インデックス(信託報酬:0.495%)でしょうから、ニセナスやeナス、楽ナスと比べると逆転する可能性はさらに高そうです。
もちろん、今後これに合わせて投信の方の信託報酬も下げて来る、もしくはNASDAQ100で唯一のつみたて投資枠対象商品という事でプレミアム価格にしているだけ、という可能性もありますが、
いずれにせよ、信託報酬引き下げ後の隠れコストが判明するまでは、少なくともNISAで買うのは様子見した方が良いと思います。
米国ETFのQQQMですら0.15%だから、0.11%はさすがに低すぎるっていうのもあるわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️