こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
生涯投資枠3600万円は可能か
所帯持ちで余剰資金が多い人であれば、一度は考えたことがある人が多いであろう、夫婦で3,600万円(NISA二人分)ですが、ここには数々の罠が存在します。
まず大前提として、口座の名義人が本人の意思で取引を行う必要があります。
ですから、投資の知識が無い配偶者の口座を利用し、パスワードを教えて代理でログインして投資を行うといった行為は借名取引に当たる可能性があります。
「仮名取引・借名取引」とはどのようなものですか?
「仮名取引」とは、他人名義や架空名義の口座を利用して、本人の素性を隠しながら行う取引をいいます。
「仮名取引・借名取引」とはどのようなものですか? : SBI証券
「借名取引」とは、家族名義や友人名義の口座を利用して、本人が名義人に成りすまして行う取引をいいます。
「仮名・借名取引」は、脱税やマネー・ローンダリング(資金洗浄)といった行為の温床となる可能性があることや、相場操縦といった不公正取引に利用される可能性があり、法令諸規則等により委託、及び受託が禁止されています。
また、そこをクリア(配偶者が自分の意思で投資)したとしても、夫婦間でも贈与税は発生する、という大きな問題があります。
概要
贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。(中略)
<一般贈与財産用>(一般税率)
この速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。
例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
基礎控除後の課税価格 200万円
以下300万円
以下400万円
以下600万円
以下1,000万円
以下1,500万円
以下3,000万円
以下3,000万円
超税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55% 控除額 ‐ 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円
もちろん、配偶者が自分の収入の範囲内で投資を行う分には問題ありませんが、専業主婦(夫)のNISA口座で投資をするなら、年間110万円までが非課税でできる限度となります。
(パートの場合、パートの年収+110万円までが限度)
収入が無くても、貯金から投資を行うならこの限りではありませんが、架空の貯金から行う(実際は贈与しているけど貯金から投資している事にする)のは当然ながらNGです。
直接、生活費の支払いに使うならどちらの財布からでも良いけど、(最終的に生活費目的だとしても)投資すると贈与になっちゃうんだね
定期贈与の罠
さらに、この範囲で贈与を行ったとしても、定期贈与とみなされるリスクもあります。
定期贈与とは、例えば「1,000万円を100万円ずつに分けて毎年贈与する」というように、贈与する総額が決まっているものをあえて分割して贈与することです。
この場合、本来(一括)なら(1000 - 110)× 0.4 - 125 = 231万円 の税金が掛かる所、0円で済んでいるため、初年度に前者の税金の支払い義務があるとして追徴課税を食らう可能性があります。
NISAの場合も、明らかに配偶者のNISA枠を埋めるための贈与となれば、1,800万円に対する贈与税((1800 - 110)× 0.5 - 250 = 595万円)が掛かる可能性があり、
そうなると、せっかくのNISAの非課税効果も泡と消える(配偶者のNISA口座なんて使わず、自分の特定口座で投資した方が良かった)ことになります。
これに対する対策として、贈与契約書を作成する、(あえて毎年120万円等にして)少額だけ贈与税を払う、といったものがありますが、絶対では無い(これでも定期贈与とみなされる(差額を徴収される)ケースはある)ようです。
ただし、贈与税の除斥期間は6年(それ以上経過すると贈与税を支払わなくても良い)ため、7年以上かけて埋めるのであれば指摘される可能性は低いと思われます。
また、他の方法として青色専従者給与(年100万円以下なら非課税)もあり、こちらは実態がある(仕事に見合った給料である)のが大前提ですが、贈与と合わせて年210万円までなら可能と思われます(中には、夫婦間で貸借契約を結ぶ、という人まで居るそうです)。
逆に言うと、専業主婦(夫)のNISAを5年で埋めるのは、毎年360万円の贈与税(27.5万円 × 5年 = 137.5万円)を払ったとしても危険かも知れません。
(こればかりは、少なくとも新NISA開始から5年以上が経過しないと分かりません)
その頃には「NISAで贈与税」がトレンド入りしている可能性もゼロじゃないってわけね
未成年口座は大幅強化!?
配偶者のNISAの影に隠れていますが、知る人ぞ知る非課税枠がこの未成年口座です。
未成年口座と言うと、ジュニアNISAと混同されがちですが、それとは別物でジュニアNISAが廃止された今でも可能です。
簡単に言うと、基礎控除は日本国民全員にあり、たとえ0歳児であっても例外ではないため、それを株の譲渡益(または配当)に充てて無税にする、というものです。
NISAと違って全額が自動的に非課税、というわけではなく確定申告や、(無分配のファンドなどの)譲渡益の場合は益出し(一旦利確して買い直し)が必要ですが、
配偶者のNISAと同様、実質的に非課税枠の拡張方法として使えます。
(詳しくは下記の記事をご覧ください)
ちなみに、未成年の場合、所得税の基礎控除は48万円ですが、住民税の基礎控除は135万円となるため、今後の「103万円の壁」の引き上げ対象が所得税のみだったとしても、
未成年口座が大幅強化される(非課税にできる金額が大幅に増える)ことが期待できます。
(非課税に出来る基準は所得税の基礎控除と住民税の基礎控除の低い方なので)
蛇足ですが、この場合は特定口座になるため異名義移管が利用でき、ETFや個別株であれば下記のように出来るだけ低い価格、しかも底を打ってから後出しでの贈与(贈与税が少なくて済むor無税で贈与できる株数を増やす)が可能です。
上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格によって評価します。
ただし、課税時期の最終価格が、次の3つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。イ 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
ロ 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
ハ 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
No.4632 上場株式の評価|国税庁
証券会社によっては受贈者側が同じ株を保有していない場合のみ等の制約があるから益出しと合わせて移管する等の工夫が必要かもね
マイクロ法人
法人も個人とは法律上別人格なので、こちらも挙げておきましょう。
いわゆるマイクロ法人(経営者1人だけで経営している会社)で、資産運用そのものを事業とすることで実現します。
もちろん、法人から個人に移す際に税金が掛かりますが、(本来、運用益には使えない)給与所得控除や社会保険料の一部に充てることが出来るため、実質的に非課税枠の拡張と言っても良いでしょう。
しかし、こちらは法人の設立(および継続)に一定のコストも掛かるため、社会保険料の削減がメインで、運用益の非課税化はあくまでオマケです。
(詳しくは下記の記事をご覧ください)
このように、自分のNISA以外にも運用益を非課税にする方法は様々あるのですが、それぞれリスクや手間があるため、しっかり調べた上で、それに見合ったものは実践すると良いかと思います。
個人的には、これら(何なら自分のNISA)よりも優先順位が高いのがiDeCoかと思います。
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まだ始めていない人は検討してみてはいかがでしょうか。
iDeCoは始めるのは少し面倒だけど、始まったら完全放置できるわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️