この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
悪いニュースではない!?
少し前に、厚生労働省の部会で年金制度改正について議論が行われ、そこで検討された内容について物議を醸す事になりました。
それは、「国民年金保険料の納付期間が5年延長される」というものです。
国民年金と言うと、自営業者やフリーランスの方だけが対象のようなイメージですが、国民全員が対象です。
会社員や公務員は厚生年金に加入するのですが、年金制度は2階建てになっているため、基礎の部分である国民年金にも自動的に加入しているのです。
ですので、SNS界隈などでは「働かないといけない期間が増えた」「(貰える額が減らないように)払う額を増やしているだけ」などの悲観的な意見が多く見られます。
また、「厚生年金から財源の一部を国民年金に回す」という事も検討され、
これによって「会社員が割を食う(会社員が払った年金が自営業者に取られる)」という印象を受けた人も少なくないかと思います。
確かに、2階建てとは言え、厚生年金加入者だけが払った分を国民年金のみの加入者にまで分配するとなると、不平等な感じもします。
しかし、これらの案は一般庶民にとって決して悪い事では無いのです。
最近、値上げなどのニュースが多い事も相まって、つい改悪だと思ってしまうね
5年延長について
まず、国民年金保険料の納付期間なのですが、現在は20年間(20歳から59歳)まで、となっています。
これが5年延長されるわけですから、払う期間は64歳まで、となります。
このご時世、65歳未満で引退するのは一部の富裕層だけで、65歳までは働く人が多いでしょうし、今後はもっと(平均寿命の上昇と共に)労働寿命も延びていく事でしょう。
実は、現在でも70歳までは会社員として働いている間は厚生年金に加入していて、保険料も発生するのです。
59歳までの間は国民年金+厚生年金の2階建てだったのが、60歳から退職するまでの間は厚生年金のみになるイメージです。
しかも、国民年金の納付が無くなった分、負担が軽くなるわけでは無く、厚生年金の部分が増えて、トータルで払う額は変わらないのです。
さらに、社会保険の加入条件(社会保険への加入=厚生年金にも自動的に加入)は年々拡大しており、
2022年10月の改正で、週の労働時間が20時間・月給が88,000円以上・101人以上の事業所(2024年10月からは51人以上)であればパート・アルバイトでも対象となりました。
ですので、そもそも65歳まで働く多くの人にとっては、何も負担増にはならないのです(今まで払っていた厚生年金の一部が国民年金になるだけ)。
負担が増えないのなら安心ね
国民年金に財源を回す件について
では、厚生年金から財源の一部を国民年金に回す、という事についてはどうでしょうか。
以前にもお話しましたが、現在、65歳から受給開始した場合、(会社負担分含めて)厚生年金で元が取れるのが15年(80歳)、国民年金で元が取れるのは9年(74歳)と言われています。
蛇足になりますが、受給の繰下げには12年の法則なるものがあって、70歳開始であれば82歳(70 + 12)、75歳開始であれば87歳(75 + 12)で総額が65歳受給開始より多くなる(それ以降は死ぬまで年が経てば経つほど繰下げの方がお得になる)そうです。
ですので、(もともと払う額に対して受け取れる額が多かった)割の良い国民年金を維持しよう、というのが今回の改正案なのです。
もちろん国民年金のみの自営業者が困らないように、という面もあるのでしょうが、これは低所得の会社員にも当てはまります。
国民年金の保険料は収入に関わらず一定のはずですが、会社員であれば収入が上がれば実際に納める保険料は上がります。
つまり、収入が多ければ多いほど厚生年金の保険料が増える(年金保険料のうち厚生年金が占める割合が増える)のです。
収入が多い人ほど多く払う厚生年金を国民年金に回す(=国民全員に等しく分配する)わけですから、所得税などと同じように実質、「富の再分配」になり、
会社員であっても高所得者以外はむしろ、この改正で恩恵を受ける側になるかと思います。
厚労省も、高所得者は年金額が減るけど、それ以外の人の年金額を保つため、と説明しているね
いつかは見直しが必要
そもそも、日本では年々、少子高齢化が進んでおり、同じ基準(60歳未満が保険料を払い、65歳以上が年金を受給)のままでは、受け取る人が増えて払う人が減る一方です。
そして、年金は賦課方式(ふかほうしき)(年金支給のために必要な財源を、その時々の保険料収入から用意する方式)、つまり自分の為に積み立てているのではなく、今自分が払っている保険料は現在の高齢者に渡っています。
ですので、今保険料を納めている若い世代が引退する頃には、(1人あたりの保険料が一定であれば)受け取れる額は減っています。
では、先ほどの損益分岐点(厚生年金で15年(80歳)、国民年金で9年(74歳))が平均寿命よりも下に出来ているのはなぜか?と言うと、集めた年金保険料を資産運用して増やしながら給付しているからです。
つまり、本来なら少子高齢化によって 受取額 < 支払額 になるはずの年金ですが、運用によって現状は何とか 受取額 > 支払額 をキープしているのですが、それも将来的には危うくなってきたのかも知れません。
こうなると(少子化対策など時間がかかるものを除いて)一番手っ取り早いのが保険料支払い終了・年金受給開始を遅らせる事です。
そもそも寿命が延びているのだから、働ける最大年齢(労働寿命)も上がっているはずで、引退を遅くして働きながら年金保険料を納める、というのは合理的な考えでしょう。
厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っているのが年金積立金管理運用独立行政法人、通称GPIFだよ
国民年金は優秀!?
しかし、年金について語るにあたって、元が取れるかどうか(払った分だけ貰えるか)がよく議論されてますが、忘れられがちなのが、「資金拘束」についてです。
年金はただの貯金ではなく、受給開始年齢になるまでは絶対に引き出せない資金です。
ですので、そもそも元が取れるだけでは割に合わないのです。
資金拘束される=運用の機会を逃している、わけですから増えてもらわないと困ります。
例えば、(国民の義務(強制)なので実際は不可能ですが)国民年金を払わずに自分で運用した事を考えてみましょう。
2022年現在、国民年金保険料は16,590円ですから、これを40年間、毎月積み立てると、積立金額 796万3200円 に対して、運用益を含めた総額は想定利回り(年率)が7%だと 4,354万5654円、5%でも 2,531万6,674円 になります。
後者だとしても、65歳から90歳まで25年間分割して受け取ると、単純計算で年に126万5,833円、月に10万5,486円という事になります。
(実際は受け取っている間も残りを運用すれば、もう少し多くなります)
現在の老齢基礎年金(国民年金)の満額 78万900円から考えると、33年(25,316,674 / 780,900 = 32.419…)、つまり98歳まで生きれば(自分で運用するより)お得、となり、
平均寿命(2021年時点で男性81.47歳、女性87.57歳)がこれから上がっていくとしても届かない確率が高いものの、それほど乖離しているわけでもなく、
少なくとも国民年金は、国が運用(たとえ回らなくなっても、どこからか補われる(その場合、割を食うのは一部の高所得者))という安心感を考えると十分割に合った制度と言えるでしょう。
とは言え、老後資金はこれだけでは足りず、逆に言えば自分で追加投資すれば、これと同等以上の運用が出来るわけですし、
税金についてもつみたてNISAやiDeCoなどの優遇制度もあるため、しっかり活用していきましょう。
結局は年金以外に自分で積み立てるしかないわね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️