S&P500ゴールドプラスについて~投資期間5年でOK!?~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

100のお金でS&P500とゴールドに100ずつ投資

ここに来て、一風変わった投資信託(ファンド)の人気が急上昇しています。

その名も、Tracers S&P500ゴールドプラス(通称:ゴールドプラス、ゴルプラ)。

以前より、知る人ぞ知るファンドだったのですが、なぜ最近になって再注目されたのかは、こちらの年初からの値動きを見れば一目瞭然でしょう。

ゴールドプラスと主要ファンドとの比較(2024年1月~)

7月頃まではS&P500やオルカン、NASDAQ100より上回るものの、FANG+やQLDの円換算ベース(≒レバナス為替ヘッジなし(設定が7月のため代用))と比べると若干見劣りする、そんなイメージだったのが、7月中旬からの下落を経て逆転しています。

その秘訣は、このゴールドプラスの最大の特徴である、S&P500と金(ゴールド)の両方に投資をする、という所にあります。

基本的に、株とゴールドは逆相関(株価が下落すれば金の価格は上昇し、反対に金の価格が下がれば株価が上がる)なので、株価の下落をゴールドの上昇で相殺して和らげてくれた、ということです。

しかし、単純に半分ずつ(50:50)だと、確かに下落はマイルドにはなりますが、上昇局面ではS&P500に劣後してしまいそうなところ、結果はそうなっていません。

実は、このゴールドプラス、S&P500とゴールドに50:50ではなく100:100、つまり投資額と同じ価格分のS&P500とゴールド(合計すると2倍)に投資をしているのです。

どこからそのお金が出ているの!?

他の主要ファンドとの比較

その秘密は、レバレッジ(ブル)ファンドと同様、先物取引の活用です。

要するに、半分のお金をS&P500の2倍レバレッジ、もう半分をゴールドの2倍レバレッジに投資することで、疑似的に100:100の投資を行っているのです。

当ファンドの値動きのイメージ

■ 値動きの特性が異なる株式と金を組み合わせることで、運用効率の向上が期待できるほか、市場でリスク回避の動きが強まる局面では金が強みを発揮し、ファンド全体の下値を抑制することが期待されます。

■ 当ファンドでは、米国株式および金への投資において、先物取引を活用することで、純資産総額の200%相当額の投資を行ないます。そのため、日々の基準価額の変動が大きくなります。

Tracers S&P500ゴールドプラス 交付目論見書(2024.10.9)

そう考えると、先ほどのグラフで上半期でもS&P500を上回っていたのも納得です。
(2倍レバレッジは、「日々の」値動きの2倍を目指すため、1.2 × 1.2 = 1.44 と 1.4 × 1.4 = 1.96(1.88ではない)のように、純粋な右肩上がりだと2倍以上になります(その代わりに、上下をくり返すと減価(逓減)があります))

もちろん、これはNISAの除外要件であるデリバティブ取引に当たりますから、NISAには(つみたて投資枠・成長投資枠ともに)非対象です。

ちなみに、先ほど登場したファンドと比較するとこのようになります。

委託会社名信託報酬
(目論見書)
合計コスト
(運用報告書)
設定日NISA対象
※1
eMAXIS Slim 米国
株式(S&P500)
三菱UFJアセッ
トマネジメント
0.09372%
以内
0.104%2018/07/03
eMAXIS Slim 全世界
株式(オール・
カントリー)
三菱UFJアセッ
トマネジメント
0.05775%
以内
0.131%2018/10/31
eMAXIS NASDAQ
100インデックス
三菱UFJアセッ
トマネジメント
0.2035%
以内
0.455% ※22021/01/29
iFreeNEXT
FANG+
インデックス
大和アセット
マネジメント
0.7755%0.801%2018/01/31
auAMレバレッジ
NASDAQ100
為替ヘッジ無し
auアセット
マネジメント
0.4334%2024/07/26×
Tracers S&P500
ゴールドプラス
日興アセット
マネジメント
0.1991%0.360%
(0.362% ※3)
2022/08/31×
ゴールドプラスと主要ファンドとの比較
※1 ×:非対象 〇:対象(成長投資枠のみ) ◎:対象(つみたて投資枠・成長投資枠)
※2:信託報酬引き下げ前(2023年1月27日~2024年1月26日)の費用
※3:合計(運用報告書)× 信託報酬(目論見書)/ 信託報酬(運用報告書)で計算した結果

コスト面でも、さすがにS&P500やオルカンほどではありませんが、FANG+やレバナスよりもずっと安く、NASDAQ100の最安に近いくらいなのも人気の要因になっていそうです。

NISA非対象なのにこれだけ人気があるのも納得だね

過去の成績はS&P500+ゴールド

今年だけでなく、過去の成績も見てみましょう。
(ゴールドプラスの設定日(2022/08/31)以降の値動きです)

主要ファンドとの比較
S&P500TR・BCOMGC(ゴールド)・SSO(S&P500の2倍)・UGL(ゴールドの2倍)と比較

最初のグラフと同じ組み合わせで比較したものが左側、S&P500とゴールドの指数、および2倍レバレッジETFと比較したものが右側です。

蛇足ですが、目論見書の参考資料では、S&P500が円換算、ゴールドが米ドルベースとなっているため(上記もそれに合わせています)、おそらくゴールドの方にのみ為替ヘッジが掛かっていると思われます(でないと為替変動も2倍になるので)。

<S&P500指数と金先物の価格推移>-Tracers S&P500ゴールドプラス 交付目論見書(2024.10.9)

やはり、理屈どおり昨年までのように目立った下落局面が無い状態が続くと、今年の下落を合わせてもFANG+やレバナスには劣る(それでもS&P500やオルカン、NASDAQ100よりは上になる)ようです。

また、SSO(ProShares Ultra S&P500 ETF:S&P500の日次パフォーマンスの2倍に連動)と似たような値動きとなっており、2023年前半や今回の下落時はゴールドの値上がりによって引き上げられているように見えます。

しかし、次のグラフをご覧ください。

実態は「(S&P500の2倍 + ゴールドの2倍)/ 2」よりも、「S&P500 + ゴールド」の方が近い

理屈では、SSOとUGL(ProShares Ultra Gold ETF:ブルームバーグ・ゴールド・サブインデックスの2倍に連動)を足して2で割るとほぼ同じになりそうですが、実際はS&P500とゴールドの指数をそのまま等倍で足した方が近い結果になっています。
(厳密には開始地点(100)からの増減を足しています(例:103+105=108))

これは、実際は開始時点の価格で1:1で購入してそのまま保有しているのではなく、(ルールは明記されていませんが)定期的なリバランスや、少なくとも純資産総額が増える度に新規購入時の比率が(その時の価格に応じて)変動するからだと思われます。

全く違う値動きをするもの同士だから、リバランスの影響は大きそうね

ITバブル(1999年)以降の値動き

では、この「S&P500 + ゴールド」を疑似ゴールドプラスとして、設定日以前からの値動きを見てみましょう。

疑似ゴールドプラス(S&P500TR + BCOMGC)の値動き(2022/08/31以降は実際のゴールドプラス)

これはITバブルが始まる1999年以降なので、ITバブル崩壊とリーマンショックの2回の大暴落を経験する、投資するにはかなり不利な期間なのですが、ほぼ全期間でS&P500を上回り、近年もNASDAQ100の急激な伸びにも見劣りしないくらいの伸びとなっています。

特筆すべきは、2003年12月(わずか5年足らず)でプラスに転じたあと、一度もマイナスになっていないことです。
(S&P500とNASDAQ100は、ともに2012年12月まで(14年弱)掛かっています)

これは、投資の常識(確実にプラスにするには投資期間15年は必要)を覆す、衝撃的な結果です(しかも、リターンとコストもNASDAQ100並みです)。

もちろん、あくまで疑似ですし過去は未来を保障しませんが、投資期間が短い人にとってはかなり有力な選択肢になりそうです(NISA枠を放置(非課税の機会損失)してまで買うべきかは悩み所ですが)。

ですが、せっかくNISAでは買えないファンドを買うのなら、もっと高リターンを狙いたい、そんな人にはレバナスやレバFANG+などの方が良いと思います。

さらには、ゴールドプラスよりさらに後発ですが、レバレッジに最適化して為替変動も2倍のレバレッジ・ドラッカー研究所米国株ファンド(通称:レバドラ)というものもあります。

レバレッジ・ドラッカー研究所米国株ファンドとは~為替ヘッジ無しのレバナスも登場~

このように、様々なファンドがありますから、自分のリスク許容度、また(予定)投資期間に応じて最適なものを選びましょう。

手数料が高いものとタコ足配当だけは要注意だね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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