会社員のためのiDeCo出口戦略~税金を最小限に~

こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

126の法則

前回、iDeCo受け取りには一時金(一括)と年金(分割)があり、前者には退職所得控除、後者には公的年金等控除が適用される、というお話をしましたが、

iDeCoの控除について~どれだけ節税出来るか~

今回はこれらを駆使して実際に色んなパターンでどの程度税金が抑えられるのかについてシミュレーションしてみたいと思います。

その際、控除の前にまずは受け取り前の、iDeCoで運用した後の総金額、つまり元利合計(元本+利子(運用益))を知る必要があります。

これがどのくらいになるかで、控除内に収まるのか、(収まらない場合)どの程度足が出る(税金がかかる)のかが分かります。

この時、便利なのが「126の法則」という法則です。

以前、複利で運用した結果を知るのに72の法則(72を年利の%の数字で割ると、おおよそ2倍になるまでの年数になる)という法則を紹介しましたが、126の法則はこれの積み立て投資(毎月同額を投資)した時バージョンです。

格言から学ぶ投資術~投資の鉄則~

一括投資よりも積み立て投資の方が、最後の方に投資した分の運用期間が短くなる分、運用益は小さくなるため、72 → 126 と数字が増えている(2倍になるまでの年数がかかる)わけです。

126の法則で考えると、元本が2倍になるまでの年数は、

  • 年利4%の場合:126 / 4 = 31.5年
  • 年利5%の場合:126 / 5 = 25.2年
  • 年利6%の場合:126 / 6 = 21年

となります。

これから投資を始める人にとっては72の法則よりも126の法則の方が役に立ちそうね

20年が一番不利!?

これを見ると、想定利回りが高めであっても2倍になるにはおおよそ20年程度はかかる、という事になります。

基本、増えれば増えるほど控除からはみ出す額も増えるのですが、例外は退職所得控除です。

前回もお話した通り、こちらはiDeCoの拠出年数が20年以下だと1年あたり40万円、20年を超える分は1年あたり70万円、つまり20年を超えると1.75倍(70 / 40)にもなるのです。

先ほどの20年で2倍想定だと、40年後は4倍(20年後のさらに2倍)になるのですが、現実的に40年もiDeCoで拠出を行う人は稀だと思いますので実質、20年が(元利が大きく、控除が少ない)最も不利な状態かと思います。

これも踏まえながらシミュレーションしていくのですが、そもそも(退職金の関係で)退職所得控除が使えない場合もありますし、(同じ退職金なしでも)会社員と個人事業主では(掛金の最大拠出額と厚生年金の有無で)大きく変わるため、

大きく分けて「会社員(退職金なし)」「会社員(退職金あり)」「個人事業主」の3パターンで見ていきたいと思います。
(専業主婦(扶養内パート含む)は所得控除のメリットがないiDeCoより新NISA推奨のため除外)

iDeCoは所得控除が最大のメリットだから、それが無いなら自由度の高い新NISAの方が良いね

退職金が無い場合

これが最も当てはまる人が多いパターンかと思います。

会社員の場合、iDeCoの拠出額は月2.3万円(年27.6万円)が上限ですから、これだけなら20年以内でも退職所得控除(年40万円)内に収まるため、あとは運用益がどの程度か、です。

金融庁の資産運用シミュレーションによると、月2.3万円を想定利回り年6%で20年間積み立てた場合、約1,062.7万円(元本552万円+運用益約510.7万円)となり、先ほどの126の法則(21年で2倍)とも近い結果になります。

この場合、退職所得控除額は800万円(40万円 × 20年)ですから、262.7万円ほど足が出る事になりますが、ここで登場するのが公的年金等控除です。

こちらは公的年金(国民年金・厚生年金)と合算して適用(枠を食い合う)なのですが、実は控除自体は65歳未満でも年60万円(65歳以上の年110万円より少ないものの)存在し、公的年金の繰上げ受給をしない限りは64歳以下の枠は丸々空いているため、

60歳からiDeCoの年金(分割)受け取りをスタートする事で300万円(60万円 × 5年)の控除が受けられます。

つまり、ここで先ほどの262.7万円を吸収できるため、一時金(一括)と年金(分割)受け取りを組み合わせる事で理論上は、一切税金がかからずに受け取る事が可能、ということになります。

受け取り時に税金が掛からないということは、拠出時の所得控除の分が全て、新NISAと比べてもお得になるわね

退職金がある場合

次に、同じ会社員であっても退職金(会社の退職金制度)がある場合です。

この場合は原則、iDeCoの一時金(一括)受け取りは退職金と退職所得控除の枠を食い合う形になるのですが、iDeCoを受け取った後、5年以上空けて退職金を受け取る(退職所得控除の5年ルール)か、

退職金を受け取った後、20年以上空けてiDeCoを受け取る(20年ルール)ことで退職所得控除の調整が無くなり、退職金控除をフルで2回受けることが出来ます(退職金の受け取りに影響せずに、iDeCoの受け取り用に使える)。

ですが現在(2022年4月の改正以降)、iDeCoの一時金受け取りは60歳~75歳の間でしか出来ないため、退職金の受け取りが56~64歳の場合、どちらを先にしても空白期間(5年・20年)を設けることが出来ません。

ですので、退職金を59歳以下、または65歳以上で受け取れる方は(iDeCoの受け取り時期を調整すれば退職金控除を使えるため)先ほどの退職金なしのケースを参照して頂くとして、

56~64歳でしか受け取れない(退職金控除が使えない)場合は、公的年金等控除を使うしかありません。
(厳密には重複していない期間(退職後~iDeCo受取の間)の退職所得控除はあるのですが除外します)

この場合、先ほどの例(月2.3万円を想定利回り年6%で20年間積み立て)では約1,062.7万円のうち300万円が控除され、762.7万円が課税対象となります。

こうなると拠出時に非課税対象となった元本の552万円より多くなるため、(iDeCoをやる事で)損をしたという印象を受けますが、特定口座の場合は一律で20%なのに対し、

年金収入は雑所得(超過累進課税)で、所得も低いでしょうから15%~多くても20%未満には収まるでしょうし、

何より、現役時代の税率は一般的には30%~で、この税率で控除がされていた訳ですから、受け取り時に税金が取られるとはいえ、拠出時の節税額の方が大きくなるでしょう。

また、退職所得控除を使い切っていても気にせずに一時金受け取りをすれば、課税対象は控除額をオーバーした分の1/2ですので、課税対象の額自体を減らす事も出来ます
(年金とどちらに割り振る方が良いかは超過累進課税による税率も関係してきます(課税対象額が1/2でも税率が2倍以上だと意味がないので))。

額そのもの以外にも、税金が繰延べ出来る、というだけでもメリットだよ

まとめ

このように、会社員の場合、iDeCo受け取り時に税金がかかるかどうかは、(56~64歳でしか受け取れない)退職金があるかどうか、が大きく関わってきます。

退職金が無い場合、(受け取り方次第では)所得控除だけ受けられて、受け取り時も税金がほぼかからない状態に出来る(もちろん運用益も非課税になる)ため、iDeCoを活用しない手は無いかと思います(限度額まで拠出しても足りない分のみ新NISAで補う)。

これに対して退職金がある場合、どうしても受け取り時に(一般的には拠出時の節税額の方が大きいとは言え)少なからず税金が掛かってしまうため、

60歳まで資金拘束される事なども含めてトータルで考えると、(iDeCoをやらずに)新NISAのみの方が良い、となるかも知れません。

とは言え、この資金拘束に関しては数値化出来るものではなく、個々人の価値観によるので、iDeCoの方が金銭的にはるかに有利であったとしても、いつでも解約出来る新NISAの方が良い、という人が居てもおかしくないと思います。

大事なのは、(情報はしっかり集めた上で)最終的には自分が納得したやり方でやる事でしょう。

数字で出せる部分は出した上での比較検討ね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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