なぜ全米株式はダメになったのか~全米株式と米国株式の違い~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

全米株式とは

オルカンと並んで二大巨頭となったS&P500ですが、正式名称は eMAXIS Slim 「米国」株式(S&P500)で、オルカンが「全」世界なのに対し、こちらは「全」米ではありません。

全米株式は別で存在するからですが、数年前までは米国株式に負けず劣らず人気でした。

しかし、今ではランキングの上位10位以内にすら登場せず、こちらのNISA対象商品リストにも、「全米」の名前が含まれるものは下記のたった3本しかありません(「米国」は145本、「米国株式」でも30本あります)。

ファンド名ベンチマーク信託報酬実質コスト設定日
楽天・全米株式
インデックス・ファンド
(楽天・VTI)
CRSP US
トータル・
マーケット・
インデックス
0.162%程度0.187%2017/09/29
SBI・V・全米株式
インデックス・ファンド
(SBI・V・全米株式)
CRSP US
トータル・
マーケット・
インデックス
0.0938%程度0.130%2021/06/29
eMAXIS Slim
全米株式
MSCI USA
インベスタブル
・マーケット指数
0.09372%以内0.154%
(0.253% ※)
2023/09/15
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)

(参考)
S&P500指数0.09372%以内0.104%2018/07/03
全米株式3本と米国株式(S&P500)との比較
※ 集計期間が1年未満(2023/9/15~2024/4/25)のため 合計(運用報告書) × 信託報酬(目論見書) / 信託報酬(運用報告書) で概算

このうち、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)と SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI・V・全米株式)はつみたて投資枠・成長投資枠ともに対象、eMAXIS Slim 全米株式は成長投資枠のみ対象となっています。

MSCI ACWI や S&P500(指定インデックス)に連動するファンドであれば、設定されてすぐのファンド(楽天オルカンなど)でもつみたて投資枠の対象になる(他は設定日から5年以上経過したファンド(FANG+など)のみ対象になる)のですが、

この状況を見ると恐らく、同じ全米株式でもCRSP USトータル・マーケット・インデックス(CRSP US Total Market Index)は指定インデックスで、MSCI USA インベスタブル・マーケット指数(MSCI USA Investable Market Index)はそうでは無いと思われます。

ちなみに前者が約3,820銘柄、後者が約2,470銘柄と、いずれもS&P500(約500銘柄)を大きく上回り、全米株式の名にふさわしい指数となっています。

これらの指数の過去30年間の推移(30年前を100とした場合)はこのようになります。

1994年6月末~2024年6月末の各指数の推移(いずれもトータルリターン)
※ CRSP US Total Market Index は2013年以降のみ(最初の値は同時期の MSCI USA Investable Market Index に合わせる)

オルカンとS&P500はあまり差が無い、とよく言われますが、それと比べても全米株式と米国株式(S&P500)の差は桁違いに小さいです。

それなのに、ここまで人気に差が出るのが不思議ね

小型株から大型株へ

コスト面で言っても先ほどの表を見る限りそこまで差は無いのですが、SBI・V・全米株式とeMAXIS Slim 全米株式は後発のファンドであり、それまでは全米株式と言えば楽天・VTIでした。

その頃はS&P500もそれほど差は無く、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も当初の信託報酬は 0.162%(楽天・VTIと同じ)だったのですが、2020年頃に 0.0968% まで下がったのを機にトレンドが変わってきました。

この2つには、内部でETF(VTI)を買い付けるのと、直接個別株を買い付けるという違いがあり、前者がETFの経費率が固定コストとして必ず乗って来るのに対し、後者は純資産総額が増えれば増えるほど(割合としての)コストは抑えられる、という面もあります。

そこで、満を持して個別株運用の全米株式であるeMAXIS Slim 全米株式が登場したのですが時すでに遅し、時流には逆らえず資金をあまり集めることが出来ず、逆に実質コストは高くなってしまっています。

しかし、少々のコストの差だけでこれだけトレンドが変わるとは思えません。
(S&Pトップ10など、信託報酬が高くてかつ後発でも一定数の人気があるものもあります)

その理由は、やはりパフォーマンスでしょう。

先ほどのグラフを過去20年、10年にするとこうなります。

2004年6月末~2024年6月末
2014年6月末~2024年6月末

このように、少しずつですがS&P500が有利になっていっています。

(過去10年が含まれる)過去20年と過去10年でこれだけ違ってくる事からも想像できますが、20年前~10年前までは全米株式が有利でした。

2004年6月末~2014年6月末

なぜこのような差が付いたかと言うと、(全米株式にしか含まれない)小型株の方が伸びていた時代から、(両方に含まれるが米国株式(S&P500)の方が比率が大きい)大型株の方が伸びる時代へと移っていったからだと思われます。

GAFAMとかM7とかのビッグテックが牽引する時代だね

時代の波に呑まれた全米株式

しかし、小型株・大型株にしろセクターにしろ、どれが伸びるかはその時によって違いますし、今が好調だからと言って今後もそれが続くとは限りません(むしろ今後どこかで流れは必ず変わるはずです)。

とは言え、今好調なものほど人気が出るのもまた事実なのですが全米株式の場合、そのタイミングが悪かったのではないかと個人的には思います。

そう、新NISA制度の開始です。

旧NISA(つみたてNISA)の設定を変えなければ原則、同じ証券会社で新NISA口座が開設され、つみたて設定(購入商品)も引き継がれるはずですが、これを機に設定を見直した人が大半でしょう。

そもそも、コストにしろパフォーマンスにしろ差はほとんど無いため、売って乗り換えるのはもちろん、新規購入分も変更するほどでもない(保有資産を見た時に似たようなファンドが複数あると見栄えが悪くなる、という理由で継続しても良い)くらいなのですが、

新NISAでどのみち(旧NISAとは)別の箱になるなら、と変更した人も多いと思います。

不運にも、こうして多くの人の投資対象から外れてしまい、資金が集まらないことによってコストも下げられず(オルカンやS&P500はどんどん下がって)、ますます不人気になる、という悪循環に陥ってしまったのが全米株式と言えるのかも知れません。

新NISA開始前に失速しちゃったのがダメだったのね

eMAXIS Slimシリーズは本当に盤石なのか

そう考えると今、不動の人気を誇っている(ダントツの1位と2位をキープしている)eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も、今後の市況次第では逆風が吹く可能性はあります。

しかし、全米株式と大きく違うのは、新NISA制度がストッパーとして働く、という点です。

売却すると翌年に非課税枠が復活する仕組みがあるとは言え、(現在の好調も相まって)伸びに陰りが出て来る頃には含み益がたっぷりある状態で、売るに売れないと思います。
(復活するのは簿価(購入時の価格)のため売ると実質、非課税枠が減ってしまう)

株を売って同じ株を買い戻すのはアリかナシか~下落局面から逃げる方法~

そうなると、大して差が無いのなら新規購入分も変更しなくて良いとなって、eMAXIS Slimシリーズには資金が集まり続けることになり、コスト競争でもますます有利になります。

また、オルカンやS&P500と連動するファンドは他社もそれに追従しないと商売にならないため、S&Pトップ10やFANG+のような、よりハイリスクハイリターンの(コストを上回るリターンを狙う)商品で勝負するしか無くなってくると思います。

これも将来、NISAにスイッチングが導入されてひっくり返る可能性はありますが、そうなったらそうなったで考えれば(その時のベストに乗り換えれば)良いですから、

少なくとも今は「人気がある=正解」のファンドを選ぶのが無難かと思います。
(サテライトという意味では、ハイリスクハイリターンの商品もアリです)

あえて人と違うものを選ぶ必要も無いんだね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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