つみたてNISAは売却した方が良い理由2選~残しておいた方が良い、は嘘!?~

こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

イメージと真実は異なる

世の中にはイメージと真実が異なる事がしばしばあります。

「つみたてNISAは(売却せずに)残しておいた方が良い」というのもその一つです。

結論から言うと、(大抵のパターンでは)つみたてNISAは出来るだけ早く売却して新NISAに移した方が良いです。

その理由は、この2つです。

  • つみたてNISAの非課税期間(20年)が終わってから新NISAに移すよりも、出来るだけ早く移した方が、生涯投資枠(1,800万円)の消費が少なくて済む
  • つみたてNISAの非課税期間(20年)が終わって特定口座に払い出された後も保有し続けると、(新NISAの枠を使う事による機会損失と比べても)税負担が大きい

新NISAにまとめた方が管理しやすい、金額が大きいので売りにくくなる、といった精神論ではなく、金銭的にお得になる、という話です。

1つ目は言われてみれば、という感じで理解できますが、2つ目はこれだけ見ても納得できないと思いますので、簡単な例で説明します。

新NISAは10年で埋めて、30年後に使う(運用結果は10年で2倍になる)と想定

 

・新NISAに移さなかった場合
 40万円 → 20年後に160万円で特定口座に払い出される → 10年後に320万円で利確

 税金は32万円

 

・新NISAに移した場合
 新NISA枠を40万円使う → 10年後の最後の40万円が特定口座に → 20年後に160万円

 税金は24万円

11年目以降の積み立ては特定口座になりますが、それはどちらも同じなので省いています。
(復興特別所得税もどちらも同じため省略)

その結果なんと、新NISAに移さなかった(つみたてNISAのまま取っておいた)場合の方が、(同じ運用結果でも)税金が高くなるのです。

条件によってこの差は大きくなったり小さくなったり、場合によっては逆転することもありますから、詳しく見ていきましょう。

10年で新NISAを埋めたら、残り10年は非課税枠が(簿価で)1,840万円 みたいなものなのに、損になるのね

例外はほとんど無い!?

では、まず新NISAが埋まるまでの年数が変わった場合はどうでしょうか。

先ほどは10年(月15万円)でしたが、例えばこれが7年(月約21.4万円)だった場合は、前者は同じで、後者の(最後の40万円の)運用期間が 20年 → 23年 になります。

そうなると、運用結果は197万円(運用益は157万円)になり、これに対する税金は 31.4万円 となりますので、これでも前者の32万円より低いままです。

20年で4倍になる利回り(7.177%)を逆算
マネーシミュレーター「みらい電卓」|野村證券
同じ利回りで23年間運用した結果

もしこれが6年(運用期間24年)だった場合、34.2万円 になりますから、ここが損益分岐点です(5年の場合はそもそも移すための年間投資枠が無いので移行不可です)。

では、使うまでの年数が変わった場合はどうでしょうか。

先ほどは30年後でしたが、これが26年後だった場合は、前者の(特定口座に払い出されてからの)運用期間が 10年 → 6年 になることで、運用結果は242.5万円(運用益は82.5万円)になり、税金は 16.5万円 にまで減ります。

しかし、後者の運用期間も 20年 → 16年 になりますから、こちらの運用結果は121.3万円(運用益は81.3万円)になり、税金は 16.26万円 と、前者よりも低くなります。

前者(新NISAに移さなかった場合)
マネーシミュレーター「みらい電卓」|野村證券
後者(新NISAに移した場合)

ちなみに、こちらは25年後以前になると逆転するようです。

つまり、新NISAが埋まるのが遅ければ遅いほど、使うのが遅ければ遅いほど、つみたてNISAは新NISAに移した方が良く、

損益分岐点は前者が6年と7年の間、後者は25年後と26年後の間ですから、移した方がいい場面の方が多いかと思います。

新NISAが埋まるのが20年を超える場合は、どちらにせよ移すことになるから、価格が低い時に移した方が良い、というわけだね

運用結果によっても変わる

しかし、これは10年で2倍になる(利回り(年率)7.177%)という想定が高すぎるからじゃないのか、という意見もあると思います。

過去に年率6%でのシミュレーションも行っていますので、詳細はこちらをご覧ください。

つみたてNISAは売却した方が良い~新NISAで買い直した方がお得に~

結論から言いますと、確かに利回りが下がると損益分岐点の年数は延びますが、少なくとも最初の想定(新NISAが埋まるまで10年、使うのが30年後)では新NISAに移した方が良い、というのは揺るがないです。

もちろん、平均利回りが5%だとしても、最初の20年が7%でその後の10年は1%、みたいな感じだった場合は(特定口座に払い出されてからの利益は少なくなるので)この限りではないのですが、さすがにタラレバが過ぎると思います。

そもそも投資自体が不確定なもので、右肩上がりになるという想定でやっているでしょうから、こういった判断も期待値で行う(想定利回りどおりに動いた場合に得になる方を選ぶ)のが筋でしょう。

逆に、確実につみたてNISAを残しておいた方が良いパターンはこのくらいかと思います。

  • 新NISAが5年で埋まる(移すための年間投資枠が無い)
  • 新NISAは一生埋まらない(20年後に移してもOK)
  • 20年以内に使う(移さなくても非課税)

厳密に言うと、後者の2つは移しても移さなくてもどちらでも良いのですが、予定の変更(積み立て額が増えた、使うのがもっと先になった等)を考えると、移しておいた方が良いのかも知れません。

これ以外の場合は、新NISAに移すという選択肢も、少なくとも検討の余地はあるね

損得だけじゃない

このように、理詰めで腑に落とすというのも一つの手なのですが、人間は感情の生き物であると言われるように、それが全てではありません。

つみたてNISAは売ったら二度と復活しない枠なので、保有しておくことで狼狽売りへの抑止力になる、というのもその一つでしょう。

また、これから投資を始める人よりアドバンテージがある、と思うことでモチベーションに繋がる、という人も居るかもしれません。
(新NISAに移行すると、見た目上は後から始めた、自分より入金力が高い人と同じなので)

インデックス投資は他人と比較せずに淡々と行うのが一番だと頭では分かっていても、SNSなどで他人と比較をしてしまうのもまた、人間という生き物なのです。

大事なのは、つみたてNISAを残しておく(新NISAに移さない)事で損をする金額は、これらの感情を優先しても良い程度の誤差だと言うことです。

最初の例にある、32万円と24万円の、8万円の税金差はこれだけ見れば大きく見えますが、少なくとも1,800万円+40万円を投資して、さらに20年以上かけて膨らんだ後の金額から見れば誤差でしかないでしょう。

また、行動することによって発生した損よりも、行動しなかったことによって逃した得の方が気分的には小さく感じる、というのもあります。
(今回の例で言うと、つみたてNISAを売却する、というイレギュラーな行動をしなかっただけなので、そもそも「損」という認識すら無いかも知れません)

というわけで、(理屈と感情を総合して)つみたてNISAを売却した方が良いかは人による、ということになります。

「一括投資 vs 積立投資」に通じるものがあるわね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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