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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
続々と登場する低コストファンド
今年に入ってから、来年の新NISA開始に合わせて次々と低コスト(信託報酬)のファンド(投資信託)が登場しています。
4/26に Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)(日興アセットマネジメント)が信託報酬 0.05775% で登場したのを皮切りに、
7/10には、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)(野村アセットマネジメント)が同じ信託報酬で追従し、
もともと1%以上の信託報酬だった eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJ国際投信)も同じ信託報酬に変わりました。
新NISAで自分の所の商品を選んでもらえれば(途中で変えたり辞めたりしない限り)1,800万円 × 人数 も純資産総額が増えるわけですから、価格競争が激化するのも納得です。
(今後、S&P500も同じような状態になるかも知れません)
まさに戦国時代といった様相で、我々にとっては有難いお話です。
ですが、すでに投資を始めていて、これよりも信託報酬が高い全世界株式、もしくはS&P500や全米株式(VTI)を買っている人にとっては、これらに乗り換えるべきか悩ましい所です。
また、乗り換えるにしても、これから買うものを変えるだけか、すでに買っているものも買い替えるか、の選択肢があります。
連動する指数(S&P500・全米株式(VTI)・全世界株式など)が違う場合は一貫性が無くなる気がしますし、同じ指数でも保有商品一覧に色んな商品が並んでいると見た目がスッキリしないという理由で、揃えたい気持ちも分かるのですが、
結論は、買い替えるのは原則NG(これから買うものを変えるだけの方が良い)です。
これから、その理由について解説したいと思います。
少し前まではVTIブームだったのに、S&P500から全世界株式へとトレンドも変わっている気がするわね
買い替えNGの理由
まず、現行NISA(つみたてNISA・一般NISA)の場合ですが原則、買い直しはできません。
年度ごとに投資枠が別になっているため、昨年以前に購入したものを売っても枠は復活しないのです(当年度中であればOK)。
ですので、無理やり買い替えるなら、NISAで保有しているものを売って、特定口座で買い直すしかないのですが、それ以降の非課税メリットを手放すことになるため、信託報酬が少々下がったとしてもほとんどの場合、トータルで損になると思います。
次に、特定口座の場合ですが、こちらは買い直しは可能なものの、課税額が増えるため、(NISA → 特定口座 ほどではないにしろ)損になる可能性が高そうです。
どの程度、税金が増えるのか、方程式を解くと答えが出ます。
Zを元本、a(b)を買い直し前(後)の利益率、税率を20%とすると、
- そのまま運用した場合
Z + (Z × (1 + a) × (1 + b) – Z) × 0.8 = Z + 0.8Za + 0.8Zb + 0.8Zab - 途中で買い直した場合
(Z + 0.8Za) + (Z + 0.8Za) × b × 0.8 = Z + 0.8Za + 0.8Zb + 0.64Zab - 上記の差分(前者 - 後者)
0.16Zab
買い直すと 0.16Zab だけ損をするということです。
例えば、100万円で投資信託Aを買って、1.4倍(a = 0.4)(140万円)になった時に、投資信託Bに買い替えて、1.6倍(b = 0.6)(224万円)になった場合、
0.16 × 100 × 0.4 × 0.6 = 3.84 万円 も損になります。
もちろん投資信託Bに買い替えて信託報酬が下がった分、後半(1.6倍になるまで)の期間の運用成績は多少良くなりますが、(よほど買い替え前の信託報酬が高くなければ)この差を埋めるのは難しいでしょう。
可能性があるとすれば、a と b は掛け算なので合計が同じでも、値が近い(0.5 × 0.5 = 0.25 など)よりも遠い(0.1 × 0.9 = 0.09 などの)方が小さくなるので、
運用し始めの頃(a が小さい)か、取り崩し期が近い頃(b が小さい)であれば損は小さくなりますが、後者の場合は買い替えるメリット(信託報酬が少ない期間)も少ないため実質、前者のみとなります。
ちなみに、買い替える前に含み損があった場合も、買い替えることで取得価額が下がって、売却時に「売却価額 - 取得価額」が大きくなって(税金が増えて)損になるため(損益通算できる場合は例外ですが)、
確実に買い替えた方が良いのは、±0の場合だけ、となります。
どのファンドも似たような値動きになるから、損益通算は配当金が無いと難しそうだね
新NISAでの買い替えはアリか
では、新NISAで買い替える場合はどうでしょうか。
これについては、特定口座で持っている投資信託Aを売って新NISAで投資信託Bを買う(特定 → NISA)パターンと、新NISAで持っている投資信託Aを売って新NISAで投資信託Bを買う(NISA → NISA)パターンがあります。
まず前者(特定 → NISA)ですが、こちらは以前に紹介したように、同じ投資信託を買い直しても必ず得になるわけですから、(信託報酬が安くなるなら)なおさら買い替えて良い、ということになります。
Xを元本、Yを含み益、aをNISA買い直し後の増加率、税率を20%(0.2)とすると、
- 特定口座でそのまま運用した場合
X + ((X + Y) × a – X) × 0.8 = 0.8Xa + 0.8Ya + 0.2X - NISA口座で買い直した場合
(X + Y × 0.8) × a = Xa + 0.8Ya - 上記の差分(後者 - 前者)
0.2Xa – 0.2X = (a – 1) × 0.2X
X(元本)は必ず正の値ですから、a(NISA買い直し後の増加率)が1より大きい、つまりNISAで買い直した時と比べて売却時に1円でも上がれば絶対にお得になります。
ただし、これには罠があって、当然ながら買い直し分も生涯投資枠(1,800万円)を消費するわけですから、その分、新規で購入できる枠が少なくなります。
特定内で買い直すと損になる以上、買い直し自体はマイナスで、それを残りの期間をNISAで運用することによるメリットで相殺してプラスになっているだけですから、
NISAに新規で(収入からの入金で)投資するメリットよりは小さく、この機会を損失することになるので、必ずしも特定からNISAへの買い替えが良いとは限りません(新規の投資だけで1,800万円まで到達しない場合はこの限りではありません)。
新規投資で1,800万円は埋まるけど年数が掛かる場合などは、買い替えでお得になるか微妙な所だね
新NISA → 新NISA は場合による
次に後者(NISA → NISA)ですが、こちらは現行NISAとは違って過去に買ったものであっても売れば枠が復活します。
ただし、復活するのはあくまで生涯投資枠(1,800万円)であって、年間投資枠(360万円)の方は買い直しでも消費するため、当年度分の積み立てと合わせてこの範囲に収める必要があります。
さらに、含み益があると実質、生涯投資枠が目減りするので要注意です。
例えば、100万円で投資信託Aを買って、150万円になった時に投資信託Bに買い替える場合、売却で空く枠は100万円分ですから、(手元には150万円あるのに)100万円分しか買えません(もしくは、プラスで50万円分の枠を消費するしかありません)。
逆に、含み損がある場合は売却で入るお金よりも空く枠の方が大きいため実質、生涯投資枠を拡張できます。
新NISAの1800万円の枠を拡張する裏技~1円も使わずに可能~
同じものを買い直してもお得で(しかも先ほどのような罠も無い)新NISAで含み損がある状態が投資信託を買い替える最大のチャンスと言っても良いでしょう。
とは言え、特定 → NISA への移行は(新規投資で1,800万円埋まる場合)原則NGですから、すでに特定口座内に買い替えたい投資信託がある場合、この方法は使えません。
そう考えると、やはり投資信託を乗り換える場合は、これから買うものを変えるだけの方が良いかと思います。
最初に選ぶ投資商品は重要ね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️