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金融所得が75歳以上の保険料に反映へ~回避策と現役世代への影響~

2026年2月26日

こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

保険料に金融所得を反映させる仕組み

先日、「金融所得の保険料反映」に関わる、健康保険法などの改正案の概要が判明しました。

その内容は、金融機関に対し、上場株式の配当などを支払った報告書を自治体が運営する後期高齢者医療制度(75歳以上の人は全員が加入)の保険者に提出することを義務づける、というものです。

これにより、今までは特定口座で発生した利益を確定申告せず、源泉徴収で納税を済ませていた場合、保険料の計算には含まれていなかった(税金のみで済んでいた)のが、何もせずとも自動的に保険料も上がることになります。

「金融所得の保険料反映」自体については、昨年から(というかそれよりも前から)出ていた話で、いよいよ実現に向けて具体的な内容まで出てきた、ということです。

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そこでも、まずは後期高齢者医療制度に先行導入して、範囲を拡大していく、という話がありましたから、いずれ75歳以上だけでは済まなくなるのはほぼ確定でしょう。

また、公平性を考えると(今は「上場株式の配当など」となっていますが)売却益についても対象になると思われます。

多数与党だから、どんどん進んでいきそうね

保険料はどのくらい上がるのか

では、実際に金融所得が保険料に反映されたらどのくらい上がるのか、大阪市の例でケース別に見てみましょう(税金は今回の改正に関係ないため、保険料だけを比較します)。

年金が月14.9万円、配当(売却益)が月5万円 の場合

厚生労働省の最新データ(令和7年度)によると、厚生年金(国民年金含む)(会社員・公務員など)の月額平均受給額は約14.9万円となっていますから、これで計算してみます。

保険料額

令和6・7年度
保険料 = 均等割額 + 所得割額

均等割額は、57,172円(年額)です。
所得割額は、次のように計算します。
 所得割額 = 賦課のもととなる所得金額※ × 11.75%(所得割率)※(注1)
保険料の賦課限度額は、80万円(年額)です。※(注1)

大阪市:後期高齢者医療制度 (…>国民健康保険>後期高齢者医療制度)

ここで言う「賦課のもととなる所得金額」とは、(給与所得控除公的年金等控除後の)所得の合計額から住民税の基礎控除(43万円)を引いた金額です(それ以外の控除(配偶者控除や社会保険料控除、医療費控除など)は一切適用されません

この場合だと、14.9 × 12 - 110(65歳以上の公的年金等控除額)- 43 = 25.8万円 です。

つまり、保険料は 57,172 + 258,000 × 0.1175 = 87,487円(年額)になります。

ここに配当(売却益)の5万円(年60万円)が加わる(計算対象になる)と、57,172 + 858,000 × 0.1175 = 157,987円(年額)になり、年70,500円(月5,875円)もアップします。
(当たり前ですが、特定口座の利益の11.75%が取られることになります)

年金が約5.8万円、配当(売却益)が月14万円 の場合

同じく厚生労働省の最新データで、国民年金(自営業・フリーランスなど)の月額平均受給額約5.8万円にて、年金が少ないぶん配当(売却益)を厚くしてカバーしたケースです。

この場合は、保険料は月額で 140,000 × 0.1175 = 16,450円 増える、と言いたいところですが、実はそうではありません

所得の判定区分
(同一世帯内の被保険者と世帯主の総所得金額等の合計額)
均等割額の軽減割合令和7年度の軽減後保険料額(年額)
[基礎控除額(43万円)(注1)+10万円×(給与所得者等の数(注2)-1)]を超えないとき7割17,151円
[基礎控除額(43万円)(注1)+30万5千円×(被保険者数)+10万円×(給与所得者等の数(注2)-1)]を超えないとき5割28,586円
[基礎控除額(43万円)(注1)+56万円×(被保険者数)+10万円×(給与所得者等の数(注2)-1)]を超えないとき2割45,737円
(注1)前年の合計所得金額が2,400万円以下の場合。
(注2)給与所得者等の数とは次のいずれかの条件を満たす同一世帯内の被保険者及び世帯主の合計人数です。2人以上いる場合に適用します。
    (1)給与等の収入金額が55万円を超える方
    (2)65歳未満かつ公的年金等収入金額が60万円を超える方
    (3)65歳以上かつ公的年金等収入金額が125万円を超える方

保険料の軽減措置|大阪市:後期高齢者医療制度 (…>国民健康保険>後期高齢者医療制度)

配当(売却益)が無く(保険料の計算に含まれず)、年金のみだった場合、均等割額も7割軽減されるため、保険料は 17,151 + 0(所得が控除額以下のため) × 0.1175 = 17,151円 です。

ここに配当の14万円(年168万円、基礎控除後は125万円)が加わると、57,172 + 1250,000 × 0.1175 = 204,047円(年額)になり、年186,896円(月15,575円)がアップする金額です。
(配当に対する保険料率という意味では11.125%と、均等割の軽減(が無くなる)と基礎控除で相殺して、先ほど(11.75%)とほぼ同じになります)

しかし、先ほど(年金が14.9万円、配当が5万円)の 157,987円(年額)と比べて、所得の合計は変わらない(むしろ0.1万円減っている)のに、保険料は増えてしまっています

これは、年金が月5.8万円(年69.6万円)の場合、公的年金等控除額(65歳以上は110万円)が余りますが、特定口座の利益には使えない(無駄になってしまう)からです。

いずれにしても、利益の11%強くらいは保険料で取られる、と思っておいた方が良さそうだね

保険料アップを回避する方法

この保険料アップですが、完全ではありませんが一部だけなら回避可能です。

配当利回り4%よりも、4%ルールの取り崩し

ポイント

・株価(評価額)はそのまま、4%の配当金(分配金)を出す株(投資信託)を保有
・分配金を出さない投資信託を、4%ルールで取り崩す

この2つは、どちらも原則死ぬまで受け取れて、受け取れる金額(額面)も同じですが、保険料(手取り)という意味では全く違います。

保険料の計算に含まれるのはあくまで「利益」なので、月10万円を取り崩したとしても、その全てが対象になるのではなく、10万円 × 利益率(評価額が3,000万円、評価損益が+1,500万円なら50%)の部分だけです。

もちろん、利益を出しながら(元本も含めて)取り崩していくため、徐々に利益率は上がっていきますが、(近づきはするものの)100%になることはありません。

これに対して、配当金(分配金)の場合、序盤からずっと100%です。

その分、相続では前者の方が有利(税引後の手残りが多い)ですが、それよりも老後の手取りが多い(老後資金が少なくて済む)方が良い、という人がほとんどかと思います。

非課税制度を最大限活用する

また、(保険料は税金ではないですが)今のところNISAやiDeCoなどの非課税制度は対象外にしよう、という意見が強いようですから、これを最大限生かすのはマストでしょう。

そのためにも、「NISAを埋めてからiDeCoを始める」のではなく、「iDeCoを上限額まで拠出し残りをNISAに積み立てる」ことが重要になります。

同じ「月10万円を30年間」の積み立てで、実質の生涯投資枠がこれだけの差になるからです。
(会社員は、iDeCoの拠出額の上限が 2.3万円(または企業型DCと合わせて5.5万円)→ 6.2万円 に拡充されることが決まっています)

ポイント

・NISAに月10万円 を15年、その後 iDeCoに月6.2万円 を15年 → 2,916万円
・NISAに月3.8万円 + iDeCoに月6.2万円 を30年       → 3,600万円
 (NISAの生涯投資枠はまだ432万円余っている)

※積み立てに必要な金額は前者が月10万円、後者は実質月8.76万円(税率20%の場合)

【iDeCo】スイッチングの活用法~メリット・デメリットを比較~

続きを見る

また、「非課税枠の拡張」を考えると、NISAは「eMAXIS Slim」シリーズのような、分配金を出さない(内部で再投資する)投資信託で埋めるのがベターでしょう。

確定申告(申告分離課税)を行う

これまでは、保険料が上がるためタブーだった株(投資信託)の確定申告ですが、しなくても上がるのであれば、した方が良いです。

なぜなら、確定申告をすれば分離課税にも各種控除が使えるようになるからです。
(詳細は下記の記事で解説しています)

iDeCoがNISAよりも必ずお得になる理由~税率30%で成立~

続きを見る

もちろん、年金で控除を使い切る場合はこの限りではありませんが、少なくとも所得税に関しては基礎控除だけで95万円あり、今後も物価(または最低賃金)に合わせて上げていく予定とのことですし、

公的年金等控除と合わせると205万円(月額で約17万円)、さらに保険料とは違ってそれ以外の控除(配偶者控除や社会保険料控除、医療費控除など)も効くため、年金だけで使い切る人の方が少ないと思います。

しかも、分離課税(所得税10%+住民税5%)は、年金(所得税5%~+住民税10%)よりも、所得税の控除の効果が大きいです。

ただし、所得税の基礎控除は合計所得金額(今回の例だと、「(年金 - 110万円)(最低0円)+ 特定口座の利益」)に応じて変わるようになっており、

特に来年からは、132万円を超えると一気に37万円も減る(税金が3.7万円も増える)ので注意が必要です。

納税者本人の合計所得金額控除額
令和6年分
以前
令和7年分
令和8年分
令和9年分
以後
132万円以下48万円95万円95万円
132万円超 336万円以下88万円58万円
336万円超 489万円以下68万円
489万円超 655万円以下63万円
655万円超2,350万円以下58万円
2,350万円超2,400万円以下48万円48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円32万円32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円16万円16万円
2,500万円超0円0円0円
基礎控除の金額|No.1199 基礎控除|国税庁

この点でも、利益額の調整が効く(132万円を超えそうになったら取り崩し止めて貯金で凌ぐ、などが可能な)取り崩しの方が、配当よりも有利かと思います。

保険料が減るわけじゃないけど、税金(の還付)で相殺するイメージだね

保険料アップの現役世代への影響

今回は、75歳以上の全員(高齢者医療制度の加入者)を対象とした「金融所得の保険料反映」ですが、

これによって一部の資産家の保険料が上がり財源が確保されることで、現役世代の負担は多少は減る(もしくは増える速度が落ちる)とは思いますが、その効果は限定的でしょう。

75歳以上限定なら、75歳になるまでに現金化してしまえばいいだけの話です。
(75歳以降の運用益なんてそんなに期待できないでしょうし相続目的なら不動産もあるため)

しかし、今回の改正で「金融機関から報告書を保険者に提出」という流れができたら、あとは提出先を増やすだけで拡大は容易です。

とくに、会社を退職後~75歳までの間、ほとんどの人が加入する国民健康保険にも適用されるのは時間の問題でしょう

そうなると、さすがに59歳や64歳で現金化するのは筋が悪いです。

また、社会保険(健康保険組合など)にまで適用するのはハードルが高く、75歳までならマイクロ法人で当面の間は回避可能と思いますが、生活費の取り崩し程度だと、コストを考えると微妙なところです。

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ですので、保険料アップ自体は受け入れつつ、できるだけ負担を減らすために、先ほどの3点(「配当利回り4%よりも、4%ルールの取り崩し」「非課税制度を最大限活用する」「確定申告(申告分離課税)を行う」)が大事になってくると思います。

今できることと言えば、iDeCoを優先するのと、NISA・特定口座では分配金を出さない投資信託を買うことね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️


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