こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
プラチナNISAの概要
先日、新しくプラチナNISAが始まる、というニュースがありました。
前総理が会長を務める資産運用立国議員連盟が提言し、来年度(2026年度)の税制改正に向けて動き出すそうです。
細かい部分については固まっていませんが、おおよそこのような内容になるようです。
新NISAの制度変更(65歳以上のみ毎月分配型が購入可に)という説もありましたが、わざわざ「移行可能」としていることから、新NISA(生涯投資枠1,800万円)とは別に設定される可能性が高そうです。
背景としては、(物価高で)ますます実質的に減っていく年金を補填する、というのに加えて新NISA加入者のうち60代以上の数が(20代~50代と比べて)低いことから、こういった層にも広く普及させたい、といったものがあるそうです。
ですが、世間ではもっぱら、この「毎月分配型の投資信託」の部分が取り上げられ、ファンドの利益が出ていない時は元本が削られて分配されるため、気付かないうちに元本が減っている可能性がある、といった否定的なものが多いです。
中には、こういった投資信託を運用・販売する会社(天下り先)と金融庁が結託して手数料で儲けようとしている、相続税で税収を増やそうとしている、などの意見もあります。
しかし、そもそも高齢者の場合、(よほど年金が多い人は除いて)投資をしなかったとしても預金を取り崩しながら生活するしか無いですし、その場合は(市況がどうであれ)元本は取り崩す度に100%必ず削られます。
また、運用・販売会社が儲かろうが、相続税が増えようが、購入した本人「も」手取りが増えるのであれば(Win-Winの関係で)何の問題もありません。
そもそも、気に入らないのであれば使わなければいいだけの話ですし、どうしてもメディアの特性上(ネガティブな内容にした方が閲覧数が増える・視聴率が上がる)こういった論評になってしまいがちですが、改正案自体は朗報と言っても良いでしょう。

選択肢が増えるのは良い事ね
インデックスの取り崩しとの違い
老後の年金の足し、という意味では特に最近、投資を始めた若い世代だとeMAXIS Slim S&P500(米国株式)や全世界株式(オールカントリー)を始めとした無分配のインデックスファンドを毎月、定額で取り崩す、いわゆる「4%ルール」の方がイメージが強いかも知れません。
しかし、歴史を見ると、こういった低コストなインデックスファンドが当たり前になったのはここ数年の話で、かつては株式投資と言えば国内の個別株が当たり前で、年金代わりというとその配当金でした。
ですが、個別株は投資の知識が無い人には敷居が高く、そういった人も退職金などまとまったお金の運用機会はあるため、生まれたのが毎月分配型の投資信託商品のようです。
(10年前くらいまでは毎月分配型がランキングの上位を占めていました)
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オルカンやS&P500は「時代遅れ」になるのか~インデックス投資の歴史~
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投資信託の場合、配当金ではなく分配金ですが、定期的にお金が入って来るという意味では同じで、その頻度が毎月だから毎月分配型と呼ばれています。
そして、投資した資金に対し、1年間でどのくらいの分配金があったのかを「分配金利回り」と言い、これが4%あれば実質、4%ルールの取り崩しと同じです。
積み立て中であれば、分配金を受け取ってから再投資すると、NISAだと非課税枠を消費する、特定口座だと税金が先払いになる、という点で無分配のインデックスファンドよりも不利になってしまうのですが、
老後(取り崩し期)においては、特にデメリットはありません。
逆にメリットになるのが、自分で売却する手間が無い、という点でこれはインデックスの取り崩しでも「定期売却サービス」を利用すれば可能なのですが、一部の証券会社でしか取り扱いが無く、あくまでその会社が独自にやっているものなので死ぬまで続く保証もありません。
国の制度であるNISAに定期売却サービスを組み込むのは難しかったのかもね

VYMやSCHDではダメな理由
ですが、分配金が出ると言えばVYMやSPYD、最近話題のSCHDなど、高配当株式もあります。
これらのほとんどが、内部でETFを買ってその分配金をそのまま出しているだけで、そのETFも各銘柄から出る配当金を出しているだけ(ETFは元本を削って分配は不可)なので原則、市況に関わらず枯渇する心配が無い、というメリットがあります。
しかし、逆に言うと分配金の金額が市況に左右されるということで、実際VYMは年間の利回りで2.7%~3.4%程度を推移してきました。
(SCHDも多少高いとはいえ、傾向としてはあまり変わりません)
これを(年金と合わせて)生活費に充てると考えると、変動するのは困りますし、単純に貰える金額も(4%ルールによる取り崩しに比べて)少ないです。
その代わりに(分配金が少ないぶん)価格が上がっているので損はしていないのですが、老後の定期収入を得るという目的を考えるとデメリットと言っても良いでしょう。
なぜなら、いつ死ぬか分からない以上、売却するわけにはいかず、膨らんだ分を売却するにもそのルールが難解だからです。
(分配金と取り崩しの併用になるくらいなら、最初から取り崩しのみの前提にした方が良い)
これに対して、毎月分配型は分配金が安定して出る上に原則、長期では横ばいになる(基準価額が上がりも下がりもしない)ように運用されるため、理にかなっています。
(かつては、見かけ上の分配利回りを増やすために、わざと元本を削って分配する、いわゆる「タコ配(タコ足配当)」が横行しましたが、最近では少なくなっています)
しかし、金融機関の窓口で紹介されるものを始めとして信託報酬が高かったり、購入時手数料や信託財産留保額(解約手数料)が設定されているものもありますので、注意が必要です。
(毎月分配型については下記でも解説していますので、興味がある方はどうぞ)
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毎月分配型が実はアリかも知れない件~タコ足・情弱向けは昔の話!?~
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不調な時に分配したら下がるけど好調な時は逆に上がるから、長期だと相殺されるイメージだね

新NISAの出口に活用可能
このプラチナNISA、今から投資を始める高齢者のためだけの制度かと思いきや、すでにNISAを始めている・これから始める若い世代にもメリットがあります。
それは、「現行のNISAから移行可能」というもの。
もちろん、売却して現金化してから購入すれば可能なのですが、それならわざわざ制度として設定しないはずです。
(同じ理由で、簿価(取得時の価格)で移せる可能性が高いと思われます)
そう、(1回限りとは言え)NISAに待望のスイッチングが導入されるんです。
こうなると、仮にプラチナNISAの枠が900万円だとしても、新NISAで1,800万円分、無分配のインデックスファンドを買って65歳時に4,000万円になったとしたら、2,000万円分の毎月分配型に乗り換えが可能です。
すると、分配利回りが4%でも年に80万円(月に約6.7万円)もの収入が年金とは別に得られ、残りの2,000万円は遊興費として(ペースを考えずに)自由に使えるお金となり、かなり豊かな老後を過ごせそうです。
逆に、これまで(新NISAのみ)だとインデックスファンドで増やしても、乗り換える(売却 → 購入する)とNISAの非課税枠が勿体ないため、諦めて4%ルールにするか、効率の低下を承知で高配当株式を積み立てるしかありませんでした。
実は、4%ルールの取り崩しでも、それ以上に遊興費を捻出する方法はあります。
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定率定額4%ルール~老後が豊かになりすぎる究極のルール~
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しかし、分かりやすく年金に+αの収入を追加できる、プラチナNISAもかなり有力な出口戦略になりそうです。

出口の利便性はこれからも高くなっていきそうだし、積み立ては無分配のインデックスファンドで良さそうね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️