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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
1ヶ月分売却≒前月の積立をキャンセル
NISAでつみたて投資をしているけど、ある時まとまったお金が必要になった、そんな場面もあるかと思います。
一般的には、生活防衛資金(一定額の現金を残しておく)で対応しよう、が答えですが実はNISAを一部売却して工面しても(理論的には)問題ない、今回はそんなお話です。
シンプルに考えてみましょう、例えば1ヶ月前に3万円を投資して特に価格変動なく売却した場合、3万円はそのまま手元に戻り、NISA(の生涯投資)枠も翌年には元に戻ります。
(つまり、投資しなかった場合と同じです)
つみたて投資でも同じことで、毎月3万円を積み立てている人が3万円分売却したら前月分、つまり1日~30日前に投資した分が無かった(投資していなかった)事になるのと同然です。
もちろん、その間の価格変動には左右される(上がれば得、下がれば損になる)のですが、最大でも(売却金額 / 毎月の積立額)ヶ月間の変動と考えると、よほどでない限りそんなに変動は無いと思います。
(しかも、その期間も積み立てなので3ヶ月前の分は3ヶ月、2ヶ月前の分は2ヶ月、といったように部分的に短くなっていきます)
もちろん、結果的に損をする可能性もありますが、期待値で言えばトントンどころかプラスです(でなければ投資する意味がありません)。
また、NISAを売却しても良い、ということはすなわち(少なくとも理論的には)全額を投資に回しても良い=生活防衛資金を確保しておく必要は無い、ということです。
クレカ積立だと価格変動なしでもポイント分だけ若干お得ね
NISA売却の唯一のデメリット
しかし、NISA枠で言うと厳密にはこれだけではありません。
同じ銘柄を積み立て続けると、その度に取得単価(価額)が平均化されていくからです。
例えば、基準価額が1万円の投資信託が1ヶ月あたり1%ずつ値上がりするとして、これを毎月3万円ずつ積み立てると、
基準価額 購入口数 保有口数 平均取得単価
1ヶ月目: 10,000円 3口 3口 30,000 / 3 = 10,000円
2ヶ月目: 10,100円 2.97口 5.97口 60,000 / 5.97 = 10,050円
3ヶ月目: 10,201円 2.94口 8.91口 90,000 / 8.91 = 10,101円
のように平均取得単価も上がっていくのですが、ここで3万円分を売却した場合、3ヶ月目の購入時点から売却時点の値上がりが無かったとしても、
30,000 / 10,201 = 2.94口 の取得価格(簿価)である 10,101 × 2.94 = 29,697円 しかNISA枠は復活しません(残りの303円は利益扱い)。
ざっくり言うと、「前月買った分だけ売却」みたいな事はできず、継ぎ足したタレを使うように、もともとあった分も混ざった上で一部売却となります。
とは言え、売ってすぐに買い戻す(今月売却した分、翌月は積立額を増やす)わけでは無いでしょうから、それほど気にしなくても良いと思います。
(厳密に言うと、1,800万円の枠が埋まるまでの期間が、前月投資をしなかった場合と比べて短くなりますが、誤差でしょう)
また、年間投資枠(360万円)に関しても、確かにこちらは売却しても復活しませんが、そもそも売却する事態になった時点で、年間360万円の積み立ては不可能になるでしょうから、問題ないと思います。
いつ、どれだけ買ったか、という情報は何年残すかなども含めて金融機関の裁量次第だから、保有口数と平均取得単価で計算するしか無いんだね
NISA枠のロスを防ぐ方法
ですが、このNISAの生涯投資枠が目減りする問題を防ぐ方法もあります。
それは、購入する商品を定期的に変えることです。
そうすれば、追加投資しても平均化(平均取得単価に算入)されませんし極論、前月分だけ違う銘柄であれば「前月買った分だけ売却」も可能になります。
とは言え、そのためにパフォーマンスが変わってしまっては本末転倒ですから、おススメは同じ指数に連動する(出来れば信託報酬も近い)他社のインデックスファンドです。
例えば、S&P500ならeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(0.09372%)の他に、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(0.0938%)や楽天・S&P500インデックス・ファンド(0.077%)、はじめてのNISA・米国株式インデックス(S&P500)(0.09372%)などです。
また、(特にこだわりが無ければ)つみたて投資枠と成長投資枠を切り替える、(証券会社によっては別資産扱いになる)分配金受取と再投資を切り替える(上記のようなファンドだとどちらにせよ分配金は出ないので結果は同じ)、という方法もあります。
これらを組み合わせると、上記の例だと 4 × 2 × 2 = 16パターン を作ることが可能です。
ちなみに、この方法は逆にNISA枠を拡張するのにも使えたりします。
(含み損がある状態で売却・再購入すると売却額以上に枠が復活するのですが、同じ銘柄をずっと積み立てていると平均化されて少々の下落では含み損が出なくなるため)
また、つみたてNISA(2023年以前)をやっていて、まだ残っている人であれば、これを優先して売却するのがおススメです。
枠復活は無く非課税なので含み益がいくらあろうと関係ありませんし、どちらにせよ20年後には無くなる枠なのでデメリットが少ないです。
ちなみに、つみたてNISAを残してかつ20年以内に新NISAの1,800万円を埋めれば、一時的に簿価で「1,800+40 × 〇万円」の非課税枠になりますが、実は自己満足でしかなく、多くの場合つみたてNISAは売却して新NISAに移した方が良い、まであります。
つみたてNISAは売却した方が良い理由2選~残しておいた方が良い、は嘘!?~売却して移した方が良いくらいなら、躊躇なく使えるわね
生活防衛資金も機会損失
このように、NISAを売却しても特に大きな問題は無いのですが、損をする可能性がある以上生活防衛資金を確保(必要時はそこから捻出)するに越したことは無い、という意見もあると思います。
しかし、生活防衛資金を確保する、という行動自体にもリスクがあるのです。
それは、確保しておいて使う機会が無かった場合(もしくは使う機会が発生するまでの間)、全額を投資に回した場合と比べて機会損失が発生するからです。
期間にもよりますが、その金額は決して小さくはなく、少なくとも「NISAを売却して非課税枠が若干目減りしたことで1,800万円が埋まるのがほんの少し早まって特定口座に回った分の運用益に対する税金」なんかよりは遥かに大きいはずです。
(機会損失は今すぐ始まりますが、目減りのデメリットは埋まった後であることにも注目)
そもそも、「損をする可能性」を危惧するのであれば、投資なんてすべきではありません。
というわけで、理論的にはフルインベストメント(資金のほとんどを投資に回し、現金を持たない運用手法)一択なのですが、生活防衛資金に全く意味が無いわけではありません。
それは、精神的なもので、一度始めた積み立ては何があっても止めない、何があっても売らない、という意思を貫く(逆に言うと、売却癖を付けない)ため、という理由です。
確かに、お金が必要になった時に生活防衛資金から崩せば、資産や積み立て設定に手を付けずに済みますし、「初志貫徹」という言葉もあります。
生活防衛資金は本当に必要なのか~キャッシュレス社会における預金~ですから、自分が理論で動くタイブなのか、感情で動くタイプなのか、も含めて自分に合うやり方を選べば良いと思います。
途中で投資を止めてしまう事による機会損失が一番大きいからね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️