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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
eMAXIS Slim の オルカン vs S&P500
信託報酬はS&P500よりオルカンの方が低い、これはもはや常識として定着しつつあります。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) :0.09372%以内
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) :0.05775%以内
でも、これって不思議じゃないですか?
素人考えだと、色んな国の株でかつ構成銘柄数も多いオルカンの方が管理コストは掛かりそうな気がします。
投資信託(ファンド)の運用コストには信託報酬の他に、売買委託手数料・有価証券取引税・その他費用などがあり、それらを含めたトータルのコスト(%)は運用報告書(運用開始から1年以上が経過したファンドのみ)でも確認できるのですが、
そこにも載らない真の隠れコストというものも存在します。
投資信託の隠れコストとは~運用報告書に載らない「真の」隠れコストも~
では、それも含めた本当のコストはどのくらいなのか、これを暴くには指数(配当込み・円ベース)と基準価額の推移を比較すれば良いです(指数との差分がコストになるはずです)。
その結果がこちらです。
オルカン(緑)もS&P500(青)も指数とほぼ同じ値動きをしていますが、若干の差があり、その差が期間が経つにつれて広がっていることが分かると思います。
そして、その差(指数 – 基準価額)を率にした(指数で割った)もの(乖離率)をグラフにしたのが黄色(オルカン)と赤色(S&P500)ですが、
これを見ると、本当のコストは eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)よりも eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が低い、という結果になりました。
S&P500の方が1国だし銘柄数も少ないし、コストは安く済むはず、というのを裏付ける結果ね
一筋縄では行かないデータ作成
しかし、ここに来るまで紆余曲折がありました(不要な方は飛ばして下さい)。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の設定日である2018年10月31日(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は2018年7月3日なので遅い方を採用)から、
単純に日ごとの指数と基準価額を並べると、こうなります。
これだと、ブレが大きすぎて判断ができません(指数より(ファンドの)基準価額の方が伸びる場合もあります)。
おそらく、日によって指数の方が有利な場合と基準価額の方が有利な場合があるからだと思われます。
ですので、スタート地点(この場合は2018年10月31日)の指数(または基準価額)を1.0とした値を比較しているのですが(決められた2つの時点の価格を比較して、何%上昇したか(または下落したか)を表す指標を騰落率(とうらくりつ)と言うそうです)、
このスタート地点をどこにするかでも結果が大きく変わってきます(オルカンの方が指数との乖離(≒コスト)が小さくなる場合もあります)。
そこで、移動平均(3ヶ月)の値で比較したのが先ほどのグラフです(そのため、2019年1月30日~になっています)。
ちなみに、移動平均の期間を変えるとこんな感じになります。
オルカン と S&P500 の指数との差分比較(移動平均)(クリックで拡大できます)
どれも「帯に短し、たすきに長し」といった感じですが、コストが「S&P500 < オルカン」なのは共通しています。
(例によって今回の記事に使ったデータを全公開します)
移動平均の期間を長く取るとブレは少なくなるけど、集計期間は短くなっちゃうね
全世界株式の最強ファンド決定戦
というわけで、この3ヶ月移動平均で色んな全世界株式のファンドを比較してみましょう。
と言っても、楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド(設定日が2023年10月27日)やはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)(同2023年7月10日)などは、期間が短すぎるため、ある程度長いものに絞ります。
その結果は、こうなりました。
このうち、楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・VT)とSBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))は内部でETFを買い付けるファンド(三重課税がある)であるため、やはりコストが少々高めになっています。
(訂正)ベンチマークとする指数が違うため、指数間の差異も含んでいます。
たわらノーロード 全世界株式は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)よりもコストが低いように見えますが、これは期間が若干短いからで、このように1年あたりにすると結果は変わってきます。
ファンド名称 | 信託報酬 | 設定日 | 真のコスト (トータル) | 真のコスト (1年あたり) |
---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界 株式(オール・カントリー) | 0.0578% | 2018/10/31 | 2.703% | 0.521% |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.1133% | 2019/07/22 | 2.392% | 0.535% |
楽天・全世界株式 インデックス・ファンド(参考) | 0.192% | 2017/09/29 | 5.293% | 1.019% |
SBI・全世界株式 インデックス・ファンド(参考) | 0.1022% | 2017/12/06 | 5.569% | 1.073% |
前述のとおり、真のコストの数字自体はスタートをいつにするかと、移動平均の期間によっても結構変動するので参考程度ですが、順位は変わらないので信憑性はありそうです。
もう少し年月が経てば、2023年に登場したファンドについても明らかになりそうね
S&P500の最強ファンド決定戦
では、同様の比較をS&P500連動ファンドでもやってみましょう。
真のコスト(1年あたり)が安い順に並べるとこうなります。
ファンド名称 | 信託報酬 | 設定日 | 真のコスト (トータル) | 真のコスト (1年あたり) |
---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0937% | 2018/07/03 | 2.384% | 0.459% |
SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド | 0.0938% | 2019/09/26 | 2.229% | 0.519% |
iFree S&P500 インデックス | 0.198% | 2017/08/31 | 2.983% | 0.574% |
iシェアーズ 米国株式(S&P 500)インデックス・ファンド | 0.0938% | 2013/09/03 | 4.261% | 0.821% |
全世界株式と同様、こちらも最も後発であるSBI・V・S&P500インデックス・ファンドがかなり善戦していますが、やはり最安はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)となり、
オルカンもS&P500も現状は、eMAXIS Slim が最強、と言って良いでしょう。
もう1点、興味深いのが、iFree S&P500インデックスとiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンドが、信託報酬とは逆の結果になっているところです。
後者の過去の目論見書を見ると、2022年6月では年0.4125%となっていたのが、2022年8月から0.0938%に変わっているので、その影響もありそうですが、
これに限らず、途中で信託報酬が下がったものは、本当にその分(真の隠れコストも含めた)真のコストも安くなっているのか、しっかり見極めた方が良さそうです。
信託報酬が大きく下がったばかりのファンドは、登場したばかりのファンドと同様、しばらく様子を見たほうが良いかもね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️