NISAシミュレーションの落とし穴~〇〇年で〇千万円は嘘!?~

こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

積立シミュレーション

YouTubeやブログなどで良く見かけるのが、毎月〇〇万円を〇〇年間積み立ててNISAを埋めると〇千万円になる、といったようなシミュレーションです。

ご存知の方も多いと思いますが、NISAの上限は今年から1人あたり生涯で1,800万円(年間で360万円)となったため、毎月の積立は月30万円以下であれば好きな金額を設定でき、

その金額から積立期間が逆算できます(月5万円なら、1800 / 5 / 12 = 30年)。

これを下記のようなシミュレーションに当てはめると、合計資産額(元本+利益)がいくらになるのかが分かります。

月10万円(15年)の場合

このように、毎月の積立金額ごとの資産額を計算していくと、下記のような表になります。

積立期間元本利益合計
月5万円30年1,800万円2,361万円4,161万円
月7.5万円20年1,800万円1,283万円3,083万円
月10万円15年1,800万円873万円2,673万円
月15万円10年1,800万円529万円2,329万円
月30万円5年1,800万円240万円2,040万円
積立期間ごとの資産額

この結果、(合計資産額が一番大きくなる)月5万円が正解、とはなりません

早く積立が終了しても運用は続くため、その期間(便宜上、運用期間とします)も考慮しないとフェアではありません。

積立期間+運用期間を30年に合わせると先ほどの表はこうなります。
こちらの計算機で、初期投資額を先ほどの合計額にして、毎月の積立金額を0円にする)

積立期間利益(積立中)運用期間利益(運用中)合計
月5万円30年2,361万円0年0円4,161万円
月7.5万円20年1,283万円10年1,995万円5,078万円
月10万円15年873万円15年2,977万円5,650万円
月15万円10年529万円20年3,989万円6,318万円
月30万円5年240万円25年5,062万円7,102万円
積立期間ごとの資産額(積立後の運用も考慮)

やっぱり、条件が同じなら毎月の積立額は多い方が資産は大きくなるのね

積み立ても取り崩しもしない期間とは

しかし、このシミュレーションも現実と乖離していると思います。

現実的に、積み立ても取り崩しもしない期間が10年も20年も続くような状態は考えにくいからです。

例えば、月収40万円の会社員が月10万円を積み立てていたとして、引退すれば収入が無くなる訳ですから、積み立て終了と同時に資産の取り崩しを開始するしか無く、

仕事量を減らしてサイドFIREやバリスタFIREのような形の期間を挟むにしろ、フルFIREと比べて取り崩し金額を抑えるような感じになるだけで、ぴったりプラマイゼロで生活費を埋めるような収入にするのは難しいと思います。

先ほどの例だと、(積み立て額を差し引いた)月収30万円をパートなどで稼ぐとなると、時給2,000円でも150時間働く必要があり、会社員(残業が無ければ 8時間 × 20日 = 160時間)と比べて大差なく、

社会保険料(会社負担分)や、将来受け取れる年金が減ることまで考えると、会社員を続けた方が良い、までありそうです。

パートではなく、ストック型の副業ならこの限りではありませんが、それこそ同じ収入がずっと続く、なんてあり得ないと思います(どんなものでも放置すれば下がっていくでしょうし、新たに積み上げていけば上がることもあるでしょう)。

流行り廃りなど(時間を掛けても収入が伸びなくなる可能性)も考えると、生活できるギリギリに仕事量を調整するより、収入を伸ばせるうちに伸ばして金融資産を貯めよう、と考える人も多いでしょう。

会社員を続けつつ、積み立てていた金額をそのまま遊興費に回す、であれば実現は可能ですが、資産形成のシミュレーションをするにあたって、わざわざそんな計画を盛り込むのも少し違う気がします。

積み立ても取り崩しもしない、という期間自体が現実的じゃないんだね

一定額まで非課税、にするためのNISA

では、なぜこのような歪なシミュレーションになるのかと言うと、それはNISAという「枠」の中だけで考えているからです。

1,800万円まで、という縛りがあるから、そこに到達した後は運用するだけ、となるのです。

しかし、実際の投資可能額は1,800万円ではないはずです。

それを超えた分は特定口座に積み立てれば良いだけ、という話なのですが、そもそも投資判断においてNISAと特定口座を分けて考えること自体ナンセンスだと思います。

NISAの意図を考えれば、投資を広めつつ富裕層優遇にならないように一定額まで非課税としたいが、売買のタイミングは自由かつ何度でも行えて個々の管理が煩雑になるため便宜上、「枠」という形にしただけ、とも考えられます。
(ハイリスク投資に流れないように特定の投資信託に絞る、という意図もあるでしょうが)

ちなみに、富裕層優遇を防ぐなら累進課税にすれば良いだけでは?という意見もあるかも知れませんが、税金の仕組み上、年単位にせざるを得ない(過去年度分と合算して税率決定という訳にはいかない)ですし、

譲渡益においては売却タイミングによって金額が上下するため(毎年利確した方が税率が低くなる等)、公平性を考えると難しいと思います。
(だから、自分で利益発生の有無を調整できない配当金(分配金)だけ総合課税が選択可になっているのでしょう)

ですので、考え方としてはNISAと特定口座、ではなく全部同じ口座で1,800万円までは利益に税金が掛からない(もしくは還付される)だけ、とイメージした方が良いかと思います。

税金が掛かったとしても、儲かった分の20%だけなのですから、それを避けるために儲けるのを止める、なんて判断にはならないでしょう。

税制上で得をするのが目的であれば、それこそNISAもせず、年金も出来るだけ抑えて生活保護を受給した方が良い、ということになってしまいます。

利益全体で見たら税率は0%から徐々に上がって最大でも20%まで、とも考えられるね

投資も貯金と同じ

そう考えると、最初の表も(積み立ても取り崩しもしない)運用期間で埋めるのではなく、(特定口座で)積み立てを継続する前提で考える方が自然です。

ただし、税金の差はありますから、それを考慮するとこうなります。

元本利益
(NISA)
利益
(特定)
利益
(合計)
税金合計
(税引後)
月5万円1,800万円2,361万円0円2,361万円0円4,161万円
月7.5万円2,700万円3,278万円265万円3,543万円54万円6,189万円
月10万円3,600万円3,850万円873万円4,723万円177万円8,146万円
月15万円5,400万円4,518万円2,566万円7,084万円521万円11,963万円
月30万円10,800万円5,302万円8,865万円14,167万円1,801万円23,166万円
積立期間ごとの資産額(特定口座も考慮)

こう見ると、先ほどの表よりもずっと差は大きくなります。

元本が違うのだから当たり前なのですが結局のところ、入金力が全て、という身も蓋もない結果になります。

合計資産額は、月5万円と比べて月7.5万円は約1.5倍、月10万円は約2倍、月15万円は約3倍、月30万円は約6倍、と積み立て額と同じ倍率で増えるだけ、というのが税引後であってもほぼ変わらない、というのが面白い所です。
(その税金すら工夫すれば減らすことも出来ます)

特定口座の売却益を非課税にする方法~節税は総合課税だけじゃない~

そういう意味では、投資だろうが貯金(月5万円と月10万円とで合計額は2倍の差が付く)とほとんど同じなのです。

複利効果のイメージで何となく、月々の積立金額を増やせば資産は指数関数的に増えていきそうな感じがするのですが、そんな事はありません。

ですから、将来のために、と必要以上に切り詰める必要は無く、今も大事にしながらバランスを取っていくのが良いでしょう。

NISAも特定口座も関係なく、貯金の代わりに投資をしているだけなのね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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