こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
SCHDと同時期に登場したライバル
最近、SNSで話題になっているのが、昨年に彗星のごとく現れ、かなりの人気になったSCHD(楽天・SBIから登場)が今、悲惨な成績になっている、という話です。
さらに、同じ高配当株式で、ほぼ同時期に人知れず登場したファンドが好成績を収めている、という噂も出てきています。
その名も、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」(愛称:スマートベータ・世界高配当株式(分配重視型))です。
また、10年近く前に、あの「eMAXIS Slim」シリーズでお馴染み三菱UFJアセットマネジメントからも高配当株式ファンド(先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型))が出ており、こちらの成績も優秀です。
今回は、これらのファンドについて、比較してみました。
人気の高配当株式ファンド概要比較
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型) | 先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型) | 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型) (楽天・SCHD) | |
---|---|---|---|
運用会社 | SBIアセットマネジメント | 三菱UFJアセットマネジメント | 楽天投信投資顧問 |
設定日 | 2024年10月1日 | 2016年2月19日 | 2024年9月18日 |
運用形態 | アクティブファンド | アクティブファンド | インデックスファンド |
ベンチマーク | なし | なし | ダウ・ジョーンズ USディビデンド100 インデックス |
信託報酬(税込) | 0.055% | 1.375% | 0.1238% |
実質コスト | 0.830% ※1 | 1.639% ※1 | 0.18% |
NISA対象 | 〇(成長投資枠のみ) | 〇(成長投資枠のみ) | 〇(成長投資枠のみ) |
※1:合計(運用報告書)/ 信託報酬(運用報告書)× 信託報酬(目論見書)で算出
このように、「SBI全世界高配当株式ファンド」は、アクティブファンドでありながら信託報酬(0.055%)が格安で、これはどの高配当株ファンドよりも安く、ファンド全体でも最安クラス(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(0.05775%)より安い)ですが、
実質コストは高いです(ただし、運用開始から間もなく、純資産総額も少ないため、これから下がる可能性はあります)。
「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド」(楽天・SCHD)と同じく、NISAは成長投資枠のみ対象(つみたて投資枠は非対象)で、まさにライバルと言っても良いでしょう。
「先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型)」はこれを見る限り、信託報酬(と実質コスト)で、かなり遅れをとっています。
人気の高配当株式ファンド組入上位銘柄の比較
銘柄名 | 業種 | 組入比率 |
---|---|---|
GOLDMAN SACHS GROUP | 金融サービス | 2.4% |
JPMORGAN CHASE & CO | 銀行 | 2.0% |
WELLS FARGO & CO | 銀行 | 2.0% |
ARCHROCK INC | エネルギー | 2.0% |
CISCO SYSTEMS INC | テクノロジー・ ハードウェアおよび機器 | 2.0% |
WILLIAMS COS INC | エネルギー | 1.9% |
AMGEN INC | 医薬品・バイオテクノロジー・ ライフサイエンス | 1.9% |
PHILIP MORRIS INTERN | 食品・飲料・タバコ | 1.8% |
AT&T INC | 電気通信サービス | 1.8% |
CHEVRON CORP | エネルギー | 1.7% |
「SBI全世界高配当株式ファンド」の組入上位10銘柄はこのようになっており、S&P500やオルカン(GAFAMなどのハイテク企業が上位を占める)とは一線を画すものになっています。
また、SCHD(下記)とも、かなり違う内容となっています。
(ちなみに、「先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型)」はマイクロソフトやブロードコムといった、S&P500でも上位の銘柄も入っています)
銘柄名 | シンボル | 概要 | 比率 |
---|---|---|---|
ロッキード・マーチン | LMT | セキュリティおよび航空宇宙会社 | 4.52% |
アッヴィ | ABBV | バイオ医薬品会社 | 4.37% |
ブラックロック | BLK | 投資運用会社 | 4.20% |
コカ・コーラ | KO | 世界的な飲料会社 | 4.18% |
ホームデポ | HD | ホームセンターの運営を行う小売業者 | 4.12% |
シスコシステムズ | CSCO | インターネット向け機器の設計および販売 | 4.06% |
アムジェン | AMGN | バイオテクノロジー会社 | 3.99% |
テキサス・インスツルメンツ | TXN | 世界的な半導体会社 | 3.99% |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ | BMY | バイオ医薬品会社 | 3.97% |
ベライゾン・コミュニケーションズ | VZ | 通信、情報サービス | 3.70% |
同じ高配当株式ファンドでも、中身が全然違うから、結果も大きく変わってくるんだね

SBI全世界高配当株式ファンドの成績
では、これらのファンドの過去の成績(値動き・リターン)はどうでしょうか。
今回取り上げた、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」と「先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型)」、「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(楽天・SCHD)の3つ以外にも、S&P500(円換算ベース)とそのトータルリターン、
また、(3ヶ月に1回ではないですが)同じく分配金目当てでは絶大な人気をほこる、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」と「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」(それぞれ、奇数月・隔月タイプがNISA(成長投資枠)対象です)とも比較してみました。
2024年10月以降は、SCHDの一人負け

S&P500 | S&P500 TR | SBI全世界高配当株式 | SBI全世界高配当株式 (分配金込) | 先進国好配当株式 | 先進国好配当株式 (分配金込) |
---|---|---|---|---|---|
120.62 | 122.20 | 114.08 | 117.23 | 103.81 | 118.44 |
楽天・SCHD | 楽天・SCHD (分配金込) | インベスコ(奇数月) | インベスコ(奇数月) (分配金込) | アライアンス(隔月) | アライアンス(隔月) (分配金込) |
---|---|---|---|---|---|
100.15 | 102.51 | 112.59 | 115.72 | 104.58 | 115.51 |
こちらは、2024年10月からなので、2025年の年初来よりはマシ(2024年10月~12月は好調)なのですが、それでも楽天・SCHDはほぼトントン状態です。
おそらく、今年の4月以降に買った人を除き、ほとんどの人は評価損益がマイナスになっていて「タコ足配当(タコ配)」だ、と一部で騒がれているのも分かります。
ただし、内部で売却して調達しているわけではなく、配当金をそのまま分配金として出しているだけですし、価格が下がっているかどうか(普通分配金か、特別分配金(元本払戻金)か)で判断するのは本質的ではないと思います。
それに対して、SBI全世界高配当株式は、配当込みで(同時期に買っていた場合の)S&P500に匹敵するリターンになっていて、
さらに特筆すべきは、4月からの米国関税ショックによる下落幅もかなり抑えられている、という点です。
(高配当株式ファンドはイメージとは異なり、下落耐性はS&P500と大差ないものが多いです)
純資産総額(人気)は、SCHDの一人勝ち

SBI全世界高配当株式 | 先進国好配当株式 | 楽天・SCHD | インベスコ(奇数月) | アライアンス(隔月) | インベスコ(毎月) | アライアンス(毎月) |
---|---|---|---|---|---|---|
175 (+149) | 720 (+324) | 1,709 (+1,662) | 72 (+33) | 563 (+356) | 26,655 (+11,059) | 34,291 (+5,487) |
純資産総額の推移ですが、これはSCHDがぶっちぎり状態になっています。
(ただし、最近は伸びに陰りが見え始めていて、これは先ほどの成績(S&P500に大きく劣後)が原因かと思われます)
純資産総額
『純資産総額』はファンドの大きさです。 たとえば、10人の投資家が10万円ずつ投資したとします(1万口あたり1万円のファンドを10口購入)。そのときの合計100万円が、『純資産総額』です。そして、そのお金でファンドマネージャーが株を買い、その株が120万円に値上がりしたとします。このときの純資産総額は、120万円になります。
毎日変わる「純資産総額」と「基準価額」とは?|はじめての投資信託|北陸銀行
しかし、インベスコ(奇数月)やアライアンス(隔月)は微妙なものの、なぜか毎月分配型(NISA非対象)の方は、今の純資産総額もさることながら、伸びも桁違いです。
(おそらく、多数の現役世代がコツコツ積み立てる、というよりは少数の高齢者が多額のお金を投入していると思われます)
SBI全世界高配当株式や、先進国好配当株式は、成績以前にまだまだ知名度が足りていなさそうです。
長期リターンでは、アライアンスと先進国好配当株式

年数 | S&P500 | S&P500 TR | SBI全世界高配当株式 | SBI全世界高配当株式(分配金込) | 先進国好配当株式 | 先進国好配当株式(分配金込) | 楽天・SCHD | 楽天・SCHD(分配金込) | インベスコ(毎月) | インベスコ(毎月)(分配金込) | アライアンス(毎月) | アライアンス(毎月)(分配金込) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19.51 | 21.09 | 14.08 | 17.23 | 4.68 | 19.43 | 0.16 | 2.52 | -4.58 | 16.57 | -1.02 | 16.67 |
3 | 20.39 | 22.20 | - | - | -0.82 | 19.07 | - | - | 1.71 | 24.13 | 1.21 | 21.37 |
5 | 22.78 | 24.63 | - | - | 4.21 | 24.71 | - | - | 1.95 | 24.35 | -0.67 | 19.95 |
8.2 | 17.10 | 19.09 | - | - | -0.11 | 14.84 | - | - | -6.97 | 12.41 | 0.18 | 19.25 |
10 | 14.83 | 16.87 | - | - | - | - | - | - | -6.52 | 10.19 | -0.02 | 16.80 |
11 | 14.45 | 16.52 | - | - | - | - | - | - | -4.71 | 10.65 | 0.52 | 17.57 |
20 | 10.29 | 12.45 | - | - | - | - | - | - | -1.11 | 7.67 | - | - |
26.7 | 7.36 | 9.35 | - | - | - | - | - | - | -0.44 | 6.48 | - | - |
現在までの期間(日数)を横軸、リターン(年率平均)(%)を縦軸としたリターングラフにすると、SBI全世界高配当株式は運用期間が短い(データがない)ですが、先進国好配当株式は分配金込みでかなり優秀なリターンになっています。
しかも、分配金なしでプラスマイナスゼロ付近(もしくは、わずかにプラス)をキープしており、分配金の出し方としてはかなり理想に近いと思います。
ただし、そういう意味では「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型)」が、これ以上に優秀(S&P500と同等)で、かつ歴史もあります。
(アライアンスとインベスコはこちらでも取り上げています)
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プラチナNISA頂上決戦~毎月分配型の最強はどれか~
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(値下がりしない範囲で)出来るだけ分配が欲しい場合、かなり良さそうね
「配当と成長の両立」は不要!?
しかし、このように分配金に寄ったリターンではなく、分配金も出しつつ、基準価額も上がる方が良い、という意見もあると思います。
(楽天・SCHDや楽天・VYMも、「配当と成長の両立を目指すなら」とうたっています)
「楽天・高配当株式」シリーズが誕生!
まとまった金融資産からの収入(インカムゲイン)確保を目指しつつ、中長期的な資産の値上がりも期待したい!そのような資産運用ニーズにお応えします
~配当と成長の両立を目指すなら~「楽天・高配当株式」シリーズ
ですが、これは目的を考えると微妙だと思います。
そもそも、資産拡大の効率を考えれば、分配金は出ない(内部で再投資される)方が良いですし、それ(非効率)を覚悟の上で、分配金が欲しいから高配当株式ファンドを買っているはずです。
また、働いている(積み立てている)間は、たとえ分配金を生活費などに使ったとしても、(そのぶん、余剰資金=積み立てに回せるお金、が増えるだけで)実質的に分配金をそのまま再投資するのと同じです。
つまり、分配金が出るメリットは、引退後(取り崩し期)に安定した収入源になること、その一点だけになります。
もちろん、引退後にも資産拡大して、分配金が増えていくのは有難いのですが、その代わりに引退直後の分配金が少なくなり、引退に必要な資産額(年齢)が増えてしまっては元も子もありません。
また、「死ぬ時が一番金持ち」状態になる、という意味でも非効率です。
効率を考えると、どのみち売却する前提になるから、それなら分配金が無いほうが4%ルールで計算しやすいね

SBI全世界高配当株式ファンドは買いか
以上から、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」(愛称:スマートベータ・世界高配当株式(分配重視型))は、分配金が欲しいのであれば、合理的な選択肢だと思います。
信託報酬(0.055%)は破格ですし、実質コスト(0.830%)こそ高めなものの、この手のアクティブファンドの中では安いです。
(ちなみに、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の信託報酬は1.727%(実質コストは1.739%)です)
アクティブファンドであること自体がデメリットと言えばデメリットなのですが、インデックスファンドでトータルリターンの大半を分配金で受け取るのは難しいでしょうし、
そもそも、S&P500などではなく高配当株式の指数をベンチマークとする時点で、先ほどの組入上位銘柄のように実際の時価総額順・比率ではなく、市場平均とは言い難いと思います。
(今回のSCHDの一人負けで、ある意味それが証明されたとも言えるかも知れません)
また、プラチナNISAで無分配のファンドから毎月分配型への乗り換え(スイッチング)も検討されているようですし、そうなれば(毎月ではないものの)このファンドも対象になる可能性は高そうです。
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ただし、今のところコスト込みのリターンでもアライアンス・バーンスタインが優秀なため、今後に期待したいところです。

今の純資産総額が少ないぶん、コスト面での伸びしろはありそうね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️