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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
国民健康保険料について
前回、自営業・フリーランスの節税策として、マイクロ法人と個人事業主の二刀流を紹介しましたが、果たしてトータルでどのくらい得になるのか検証してみましょう。
マイクロ法人と個人事業主の二刀流~自営業・フリーランスの節税策~
この節税策の一番の目玉は何と言っても社会保険に加入して(しかも等級が低い)、保険料を抑える事にあります。
特に国民健康保険の保険料は高齢化に伴って年々増加しており、上限額も2022年に引き上げられたばかりで、これからもこの傾向は続くでしょう。
この国民健康保険料、具体的にどのくらいかかるのかは、住んでいる自治体(市町村)によってまちまちなのですが、
基本的には前年の所得(所得割)と世帯人数(均等割)によって決まります(自治体によっては資産(固定資産税の課税対象)も計算対象(資産割)になる場合もあります)。
所得とは一般的に「収入-控除」の事を指すのですが、国民健康保険料の計算に使われる所得は限られた控除(基礎控除・給与所得控除・青色申告特別控除など)しか適用されず、
税金の計算では適用される扶養控除・生命保険料控除・寄附金控除(ふるさと納税)・住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)・小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金)などは適用されません。
また、基礎控除は所得税の計算では一律48万円なのですが、ここでは43万円(住民税と同じ)となります。
給与所得控除(給与所得の場合)は所得税と同様、以下のようになります。
給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、この給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。
給与所得控除|国税庁
そして、青色申告特別控除(事業所得の場合)は、申告方法によって65万円・55万円・10万円のいずれかになりますが、ここでは65万円とします。
収入からこれらの控除を差し引いた額を使って計算するのですが、少し計算が難しくなるため、こちらの国民健康保険計算機を使うと良いかと思います。
年齢と年収を入力するだけで、あなたの国民健康保険料を計算できます。
国民健康保険計算機
市町村によってずいぶん結果が違うのね
国民健康保険vs健康保険
では、これを使って実際どのくらい国民健康保険料がかかるのか計算してみましょう。
例えば、東京都新宿区に在住の個人事業主で40歳未満・単身・年収400万円の場合、このようになります。
一点注意なのが、この計算機、給与収入に入力した場合はちゃんと基礎控除と給与所得控除を引いてから計算してくれるため、税引前の収入をそのまま入力すれば良いのですが、
その他収入に入力した場合、控除は考慮されないため、事業所得の場合は、基礎控除43万円と青色申告特別控除65万円(合計108万円)を引いた額を入力する必要があります。
ですので、この場合は 400 – 108=292万円 をその他収入に入力します。
これに対し、マイクロ法人を設立(して社会保険に加入)した場合、下記で紹介した東京都の健康保険料額から、健康保険料は最低(役員報酬を月額63,000円未満に設定した場合)で68,278円(5,689.8 × 12)となります。
ですので、40歳未満・単身・年収400万円の個人事業主がマイクロ法人と個人事業主の二刀流にした場合、288,692 – 68,278=220,414円、健康保険料が安くなります。
同様に、40歳以上・単身・年収500万円の場合は、446,300 – 79,692 =366,608円、
40歳以上・配偶者(会社員・年収100万)と子供2人・年収500万円の場合は、583,000 – 79,692 =503,308円だけ安くなる事になります。
(年収130万円未満の場合、健康保険は扶養に入れるため保険料は変わらない(配偶者・子供の分は0))
ちなみに、個人事業主でも配偶者の賃金月額が8.8万円以上(年収106万円以上)で週の所定労働時間が20時間以上の場合、配偶者は社会保険に加入でき、子供もそちらの扶養に入れるため、単身の場合と同じになります。
年収が多いほど、(配偶者の社会保険が無い場合は)世帯人数が多いほど、お得になるね
国民年金vs厚生年金
では、年金の方はどうでしょうか。
国民年金の場合シンプルで、収入や世帯人数に関係なく個人単位で(20 歳以上 60 歳未満は加入義務あり)、令和4年度時点では1カ月当たりの保険料は16,590円です。
ですが実際、専業主婦(夫)の場合などは世帯主が負担する事になる(免除制度も世帯全体の所得が低くないと受けられない)ため、世帯で計算します。
子供の分はかからないため(20歳未満はそもそも年金に加入しておらず、20歳以上は自分が払う事が前提(そのため、学生納付特例制度がある)のため)、単純に単身なら199,080円(16,590 × 12)、配偶者が居る場合は398,160円、となります。
これに対し、マイクロ法人を設立(して社会保険に加入)した場合、先ほどの健康保険料額から、厚生年金保険料は最低(役員報酬を月額93,000円未満に設定した場合)で193,248円(16,104 × 12)となります。
当然、厚生年金は払った額に応じて受給額も変動するのですが、そもそも厚生年金は国民年金との2階建てになっており、厚生年金に加入している時点で国民年金にも加入しているため、
(最低額の厚生年金の場合は)国民年金と比べて、払う保険料が5,832円(199,080 – 193,248)少ないのに(多少とは言え)貰える年金額は増えるという、良いとこ取り状態になります。
さらに、配偶者(年収130万円未満)が扶養に入る場合、厚生年金保険料は変わらないため、国民年金なら払わないといけなかった1人分の保険料(199,080円)が丸々浮く、という事になるのです。
こちらも配偶者が(自分が勤めている会社の)社会保険に加入している場合は関係ないわね
節税額について
これまでは社会保険料についてでしたが、税金についてはどうでしょうか。
こちらは二刀流の場合、マイクロ法人と個人事業主の収入配分にもよるのですが、最適な配分(最も節税効果が得られ、増えるコストも最小限に抑えられる)で、これまでの個人事業主の収入=マイクロ法人の収入+個人事業主の収入、になると想定します。
(実際に法人で程よい役員報酬を出し続けて蓄財しないように売上調整し続けるのは難しいと思いますが)
この場合、マイクロ法人からの給与所得(役員報酬)は45,000円(年間で55万円)以上で、(本来、個人事業主のみでは受けられなかった)給与所得控除を最大限(55万)受けられるようになります。
ですが、これはあくまで所得控除で、55万円税金が安くなるわけではなく税金計算に使われる所得が55万円減るだけ(計算後の税額から直接控除できるのは税額控除)なので、実際に安くなるのは 55万円 × 税率 です。
ではその税率は?と言うと、こちらで紹介した所得税の速算表が参考になります。
例えば、年収400万円の場合、個人事業主だけでも基礎控除(48万円)と青色申告特別控除(65万円)があり、二刀流にする事でそこから55万円が引かれる訳ですから、
287万円(400 – 48 – 65)が232万円になるという事で、これは195万円~330万円未満の範囲内ですので、所得税率は10%(住民税(10%固定)と合わせて20%)となります。
ですので、実際に節税できる額は 55 × 0.2 = 11万円 です。
(他の控除が37万円(232 – 195)を超える場合はもう少し少なくなります)
これに対し、マイクロ法人に対しての税金(法人税+法人住民税)が7万円掛かりますので、差し引き 4万円 がマイクロ法人と個人事業主の二刀流にする事での節税額になります。
また、自宅が賃貸の場合、社宅として法人で借り上げて自分に貸し出す事で、家賃の7割を経費に出来るため、(個人事業主(家事按分)の場合、3割程度が現実的な割合と考えると)4割ぶん多く経費に出来る、
つまり、家賃が月10万円で税率が20%の場合、年間で 9.6万円(10 × 0.4 × 12 × 0.2)が節税額になります。
二刀流は節税というよりは社会保険料を抑えるための方法と言えるね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️