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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
SPXLについて
SPXLという言葉をご存知でしょうか。
投資について色々と調べていると、まれに見かけますが、これの正式名称は「Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF」で、S&P500指数の3倍の値動きを目指すETFです。
要するにS&P500が10%上がったら30%、30%上がったら90%上がる(逆もしかり)というETFです(あくまで理論上ですが)。
レバナスなどと同じ、いわゆるレバレッジ型の商品ですので、結論から申しますと非推奨ということになるのですが、理由も含めて深掘りしていきたいと思います。
まずDirexionとは、1997年に設立された米国のETF運用会社で、SPXL以外にもSOXL(Direxion デイリー半導体株ブル3倍 ETF)やTECL(Direxion デイリーテクノロジー株ブル3倍 ETF)など、レバレッジドおよびインバースETF商品を中心に扱っているようです。
レバレッジドETFとは、その名の通りレバレッジが効いたETFで、インバースETFとは指数のパフォーマンスの反対となる投資成果を目指すもので、SPXS(Direxion デイリーS&P500ベア3倍 ETF)などがあります。
この場合、S&P500が下がれば利益が、上がれば損失が(しかもそれが3倍)出ることになります。
つまり、「ブル〇倍」となっているのがレバレッジドETF、「ベア〇倍」となっているのがインバースETFです。
ブル・ベアは相場の強気・弱気を示す言葉で、ブル(Bull)は雄牛が角を下から上へ突き上げる仕草から相場が上昇していること(強気相場)を表し、
ベア(Bear)熊が前足を振り下ろす仕草、あるいは背中を丸めている姿から相場が下落していること(弱気相場)を表しているそうです。
(日本人には(特にブルは)あまり馴染みが無く、熊の方が強そうなイメージですが)
ここでは、相場が上昇することを予想するからブル、相場が下落することを予想するからベア、ということになるのでしょう。
ベア(インバース)型は、経済成長を考えると長期的には不利になるため、短期の値幅取りや、保有株の下落リスク回避(ヘッジ)のために保有株と組み合わせて一時的に保有するために使われるのが一般的です
どちらにせよベア(インバース)型は長期保有には向かないんだね
レバナスとの違い
ではSPXLとレバナスは何が違うのか、というお話になるのですが、そもそもレバナスとは「レバレッジ(レバ)」と「NASDAQ100(ナス)」の組み合わせの略称ですので、指標としている(ベンチマークしている)指数が違います。
NASDAQ100とは、ナスダックに上場する企業(ハイテク・IT(情報技術)関連が中心)のうち時価総額上位100銘柄で構成されるため、S&P500と比べてよりハイテク・IT関連に偏っていると言えます。
金融やヘルスケア、生活必需品などの割合が多い場合と比較すると、指数自体が成長も早いけど衰退も早いもの(ハイリスクハイリターン)であることは想像に難くないでしょう。
また、具体的な商品としては、大和アセットマネジメントが運用する「iFreeレバレッジ NASDAQ100」、または楽天証券が運用する「楽天レバレッジNASDAQ-100」で、どちらもETFではなく投資信託になります。
レバナスは2021年、NASDAQ100が好調だったことも相まって、大ブレークしたのですが、現在ではすっかり鳴りを潜めてしまいました。
それもそのはず、チャートを見れば一目瞭然です。
2022年の基準価額の下落もさることながら、純資産総額が頭打ちになっていることからも、世間から見放された感じがします。
先発(2018年10月スタート)の「iFreeレバレッジ NASDAQ100」でこのような状態ですから、後発(2021年11月スタート)の「楽天レバレッジNASDAQ-100」はスタートした途端に下落の一途、という悲しい運命を背負うことになってしまいました。
だからSNSでもレバナスの話題を見かけなくなったのね
SPXLとS&P500
しかし、レバナスがダメだったのはベンチマークしているNASDAQ100自体がイマイチだったからで、SPXLならS&P500だから良いのでは、と思うかも知れません。
チャートを見てみましょう。
左側がSPXL、右側がVOO(バンガード・S&P500 ETF(S&P500に連動する非レバレッジETF))ですが、左側の方が若干鋭利ではあるものの、どちらも同じように上下しながら右肩上がりになっているのが分かると思います。
しかもこの2つ、縮尺が違うため、合わせるとこうなります。
いかがでしょう?SPXLを買いたくなりましたでしょうか?(笑)
先にタネ明かしをすると、これは表示期間が長いからです。
こちらのチャートは2013年5月から2023年5月までの10年間で、これはSPXLが実は古くからある商品(設定日は2008年11月)だからこそ表示期間を長くでき、そのため2022年の暴落を吸収できたのです。
(2021年以降を切り取ると、実はレバナスとあまり変わりません)
それ以前にも株価の上下はあったのですが、後の上下の幅の方が大きいため、(相対的に)あまり影響がない、ということになります。
ということは、将来訪れるであろう株価の上下幅は今の上下幅より大きく、今の上下はあまり影響が無い、つまり最後、いかに高い時(上記の例だと2021年末あたり)に売るかにかかっているのですが、
今が高値なのかどうかは後にならないと分からないため、出口が非常に難しいのです。
出口で失敗して、(マイナスにならなかったとしても)含み益を大きく削られるだけでもショックだね
レンジ相場に弱い
また、それだけではなく、SPXLにしろレバナスにしろ、レバレッジ型の商品は「レンジ相場に弱い」と言われています。
レンジ相場とは、一定の変動幅の中で価格が上がったり下がったりを何度も繰り返す状態のことを言い、
この場合、ベンチマークしている指数(レバナスはNASDAQ100、SPXLはS&P500)が上下を繰り返し、例え最終的に同じになったとしても、株価は少し下がってしまうのです。
それもそのはず、レバレッジを効かせる以上、(借金の利息の代わりに)どこかにコストが乗らないと成り立たないわけで、値動き次第では、そのコストだけ負わされるという事態は起こりえます。
SPXLの公式資料にも「手数料および費用の控除前の段階で、ファンドの日次基準価額の値動きがS&P500指数の300%のパフォーマンスとなる投資成果を目指します。」と記載されています。
つまりレバレッジ型の商品は、マイナスも3倍になるから危険なのではなく、単純に3倍にはならないから危険なのです。
こちらのチャートをご覧ください。
こちらは、先ほどのSPXLとVOOのチャートそのまま、表示期間を2018年1月~にしただけです。
すると、あら不思議、リターンはVOOの+46.41%に対してSPXLは+42.40%と、(両方ともプラスなのに)下回っています。
3倍になるのは綺麗に右肩上がりになった場合だけなのね
まとめ
結局のところ、SPXLはベンチマークしている指数がS&P500であることと、ETFであることから何となくレバナスより安心感はありますが、本質的にはレバナスと変わりません(出口の難しさと、レンジ相場に弱いという弱点を抱えている)。
また、SPXLの経費率も0.88%と、レバナスの信託報酬(「iFreeレバレッジ NASDAQ100」は0.99%、「楽天レバレッジNASDAQ-100」は0.77%)とあまり変わらず、ETFならではのデメリット(購入時の端数と(僅かですが)分配金が出る)もあります。
非課税枠でこれを買うには、一般NISAかジュニアNISAしかなく、今年(2023年)が最後のチャンス(特にジュニアNISAは最大18年間、非課税で保持可能)になるため、少し話題になっているのだと思いますが、
逆に言うと後発のつみたてNISAや新NISA(おそらく成長投資枠も含む)では買えないということは、国もそのリスクを認識して推奨していない、ということですから、買うのは慎重になった方が良いかも知れません。
買うなら投機と割り切ってやる感じだね
それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️