こんにちは〜🌤️おりおりです🙋♀️
2025年5月20日に改定済み
先日、「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)(愛称:S・米国高配当株式100)」(以下、SBI・SCHD)の信託報酬を業界最安水準に改定、という発表がありました。
こちらは、発表後すぐに実施され、現在すでに信託報酬は下がっています。
実は先月、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(以下、楽天SCHD)も信託報酬引き下げ(0.192% → 0.1238%)の発表があり、2025年5月23日から実施されたのですが、後から発表したSBIの方が先に実施となりました。
つまり、どの時期で見ても楽天よりもSBIの方が安い、という状態になったわけで、この商品にかなり力を入れて顧客を獲得しようとしている姿勢がうかがえます。
このSCHD、登場してからわずか半年あまりで目まぐるしく状況が変化しています。
このように、日興アセットマネジメントからもSCHDに投資を行う投資信託が登場しました。
(あくまで「SCHD」は米国ETFで、指数は「ダウ・ジョーンズ US ディビデンド 100」です)
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TracersDJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型 - 特設ページ|日興アセットマネジメント
www.nikkoam.com
こちらの信託報酬は 0.10725% となっており、楽天(0.1238%)や SBI(0.1227%)よりも低いのですが、ETFの経費率(0.06%)が含まれていないため、実質的な信託報酬は 0.16725% 程度になると思われます。
(楽天SCHDとSBI・SCHDには、この経費率を含む信託報酬である旨が記載されています)
ファンドの日々の純資産総額に対し年率0.10725%(税抜0.0975%)
Tracers DJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型 交付目論見書
※ この他に、実質的に投資対象とする上場投資信託証券において、運用などに係る費用(ファンドが保有する上場投資信託証券の純資産に対し年率0.06%)がかかります。

必ずしも後発の方が安いってわけじゃないのね
楽天 vs SBI
では、楽天SCHDとSBI・SCHDの運用開始からの基準価額(および分配金再投資後の基準価額)の推移を見てみましょう。
楽天SCHDは5月26日に2度目の分配金が出ましたが(1度目は2月25日)、SBI・SCHDはまだ出ていないため、分配金込は割愛します。
(参考までに、指標となるSCHDの価格(タイムラグを考慮して1日前のもの)と、S&P500指数を円換算したものを並べています)
その結果がこちらです。


内部でSCHDを買っているだけなので当たり前と言えば当たり前なのですが、どちらもSCHDとほぼ同じと言っても良いくらいの結果になっています。
厳密に言うと、ほんの僅かだけ楽天の方が上のようです。
S&P500 | SCHD | 楽天SCHD | SBI・SCHD | |
---|---|---|---|---|
2024/9/18 | 7.47(6.51) | -3.26(-5.01) | -3.99(-5.47) | |
2024/12/20 | -6.98(-7.51) | -9.81(-10.61) | -10.38(-11.76) | -10.77 |
(括弧内はプライスリターン(分配金なし))
ただし、信託報酬の差も僅かな上、運用期間も短いため、たまたま今はこうなっただけという可能性も高いです。

どちらを選んでも間違いなさそうね
長期投資における信託報酬の差
しかし、短期間においては誤差のような信託報酬でも、長期投資なら大きな差になるのでは、そう思った人も居るかも知れません。
そこで今の信託報酬(楽天SCHD:0.1238%、SBI-SCHD:0.1227%、TracersSCHD:0.16725%)がもし仮にこのままずっと同じだとしたらどの程度の差になるのか、シミュレーションしてみます。
やり方としては、SCHD(運用開始日は2011年10月20日)をベースに、そこから経過した日数 ×「(1 - 信託報酬 / 100)^ (1 / 365)」を掛けた値を疑似の基準価額として比較します。
その結果、こうなりました。

さすがに信託報酬ありと無しでは差が出ました(それでも僅かです)が、信託報酬の大小ではほとんど差が分かりません。
(数字(表)にしてみてもこの通りです)
S&P500 | SCHD | 疑似楽天SCHD(0.1238%) | 疑似SBI-SCHD(0.1227%) | 疑似TracersSCHD(0.16725%) |
---|---|---|---|---|
1,079.32 | 622.40 | 610.3148 | 610.4213 | 606.1195 |
要するに、100万円を一括投資してから約13年半が経った後でもSBIと楽天でたったの 1,065円 の差にしかならない、ということです(積み立て投資だともっと差は縮まります)。
ちなみに、SCHDについては過去にも何度か取り上げていますので、興味がある方はどうぞ。
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楽天SCHDが信託報酬引き下げ~SBI・SCHDと同じ年0.1238%に~
続きを見る
しかも、その信託報酬も今後はどうなるか分からないし、考えるだけ無駄と言ってしまっても良いかもね

本当にSCHDで良いのか
以上から、SCHDを買うなら楽天でもSBIでもどちらでも良いかと思います。
どちらも本家SCHDと遜色ない結果になるでしょうし、さらにこの2つであれば持っているだけで業界最安、もしくはそれに近い水準になってくれるので安心です。
また、どちらも「投資信託等の二重課税調整制度」の対象となっており、従来必要だった外国税額控除を受けるための確定申告も不要です。
(これは特定口座の話で、NISAはそもそも二重課税にならないため関係ありません)
二重課税状態の解消のため、2020年1月1日以降に支払われる、外国株式への投資利益が含まれている分配金は、外国でいったん徴収された税額分を、日本における所得税から差し引く等の調整を行う措置が行われます。これが二重課税調整制度です。
調整が自動的に行われた後でお客様に支払われますので、手続き等は不要です。
投資信託等の二重課税調整制度とは何ですか。 | よくあるご質問(Q&A)
しかし、SCHDが良いのか、というと話は別です。
先ほどの結果を見ても分かる通り、信託報酬の差なんて問題にならないくらいS&P500とSCHDの差は歴然です。
また、分配金に関しても利回りこそSCHDに劣るものの、S&P500でも(eMAXIS Slimなどの投資信託は内部で再投資しているだけで)1655や2558などの東証ETFを買えば分配金を受け取ることも可能です(しかも二重課税調整制度の対象)。
さらに、利回りを求めるのであればアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型や、インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)といった毎月分配型の投資信託の方がはるかに高いです(しかもトータルリターンもSCHD並み)。
そう考えると、良い選択になるのは(トータルリターンで劣るのは覚悟の上で)インデックスファンドの中で出来るだけ分配金利回りが高いものが欲しい場合くらいかも知れません。
そういう人であれば、VYMやSPYDなどと並んで、選択肢の一つになると思います。
この件に関しては、下記の記事でも取り上げていますので、興味がある方はどうぞ。
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NISAで高配当株を買ってはいけない本当の理由~再投資で枠消費では無い~
続きを見る
SCHDが欲しいのなら楽天でもSBIでも間違いないけど、本当に必要なのかは要確認だね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃♀️