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お金

避けられない負担増~70歳以上の高額療養費~

2025年3月1日

こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

70歳未満との違い

前回、高額療養費の負担上限額(自己負担限度額)の引き上げについてお話しましたが、

高額療養費の引き上げについて~サイレント増税!?~

続きを見る

これは70歳未満の話で、実は70歳以上も引き上げの対象になっています。

その詳細はこちらです。
(年収約370万円以上の区分もあるのですが、70歳未満と同じ金額なので割愛しています)

所得区分(現)~2025年7月(現行)2025年8月~2026年7月所得区分(新)2026年8月~2027年7月2027年8月~
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保・後期:課税所得145万円未満
57,600
<多数回該当:44,400>
【外来:18,000
※:年間上限 144,000
60,600
<多数回該当:46,500>
【外来:18,000
※:年間上限 144,000
約260~約370万円69,900
<多数回該当:47,400>
【外来:28,000
※:年間上限 224,000
79,200
<多数回該当:48,300>
【外来:28,000
※:年間上限 224,000
約200~約260万円65,100
<多数回該当:46,800>
【外来:28,000
※:年間上限 224,000
69,900
<多数回該当:47,400>
【外来:28,000 ※】
※:年間上限 224,000
~約200万円60,600
<多数回該当:46,500>
【外来:20,000
※:年間上限 160,000
60,600
<多数回該当:46,500>
【外来:20,000
※:年間上限 160,000
住民税非課税Ⅱ24,600
【外来:8,000】
25,300
【外来:8,000】
住民税非課税Ⅱ25,300
【外来:13,000】
25,300
【外来:13,000】
住民税非課税Ⅰ
(年金収入80万円以下など)
15,000
【外来:8,000】
15,400
【外来:8,000】
住民税非課税Ⅰ15,400
【外来:8,000】
15,400
【外来:8,000】

高額療養費の自己負担限度額(70歳以上)(高額療養費制度の見直し(厚生労働省)を元に作成)

70歳未満と大きく違うのが、通常の上限額(入院含む)とは別に外来療養の自己負担額の合計にも上限が設けられている(年収約370万円以下に限る)点と、住民税非課税が2つの区分に分かれている点で、どちらも現在すでにあります(改正後も同じです)。

前者に関しては、「~年収約370万円」にのみ年間上限(14.4万円)もあるのですが、そもそも住民税非課税だと最大でも 8000 × 12 = 9.6万円 なので、特段有利というわけではありません。

「国保・後期」とは、それぞれ国民健康保険、後期高齢者医療制度の略で、こちらは75歳での切り替えで、70歳以上だとどちらもあり得るため、このような表記になっています。
(「旧ただし書所得の合計額が210万円以下の場合も含む」とありますので、69→70歳で区分が上がる、といった事は無いと思われます)

また、2026年8月(2回目)の改正で所得区分が細分化されるのに合わせて年収約200~370万円の人は、75歳以上の自己負担割合が1割から2割に増えます
(370万円以上の人は70歳未満(全所得区分)と同じ3割で、これは改正前後とも同じです)

所得区分(現)~2026年7月(現行)所得区分(新)2026年8月~
2027年7月
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保・後期:課税所得145万円未満
70~74歳 : 2割
75歳以上 : 1割
約260~約370万円70~74歳 : 2割
75歳以上 : 2割
約200~約260万円
~約200万円70~74歳 : 2割
75歳以上 : 1割
住民税非課税Ⅱ住民税非課税Ⅱ
住民税非課税Ⅰ
(年金収入80万円以下など)
住民税非課税Ⅰ
医療費の自己負担割合(高額療養費制度の見直し(厚生労働省)を元に作成)

70歳以上となると所得=ほぼ年金のみで370万円以上の人はほとんどいないだろうから、それ以下の区分がどうなるかだね

引き上げ率は酷い結果に

前回もお話した通り、重要なのは引き上げ「額」ではなく引き上げ「率」なので、これも見ておきましょう。
(上段が通常の上限額、中段(<>内)が多数回該当、下段(【】内)が外来療養です)

所得区分(現)2025年8月~
2026年7月
所得区分(新)2026年8月~
2027年7月
2027年8月~
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保・後期:課税所得145万円未満
5.21%
<4.73%>
【0%】
約260~
約370万円
15.35%
<1.94%>
55.56%
13.30%
<1.90%>
【0%】
約200~
約260万円
7.43%
<0.65%>
55.56%
7.37%
<1.28%>
【0%】
~約200万円0%
<0%>
11.11%
住民税非課税Ⅱ2.85%
【0%】
住民税非課税Ⅱ0%
<0%>
62.50%
住民税非課税Ⅰ
(年金収入80万円以下など)
2.67%
【0%】
住民税非課税Ⅰ
高額療養費の自己負担限度額(70歳以上)(前年比)(高額療養費制度の見直し(厚生労働省)を元に作成)

特筆すべきは何と言っても外来療養の自己負担額の上限アップでしょう。

今まで割安だった「~年収約370万円」の上の方はまだ分かるのですが、高額療養費が据え置きになる一番下の区分や、住民税非課税ですら上昇しているのは驚きです。

それぞれ、18,000円 → 20,000円(2,000円アップ)、8,000円 → 13,000円(5,000円アップ)、という金額で見ると小さいですが、

完治しない持病を抱える可能性も低くない高齢者にとって、ほぼ毎月掛かる費用、と考えたら「塵も積もれば山となる」、何なら「真綿で首を締める」ような増額、と言っても過言ではないでしょう。

しかも、これは公的年金による所得のみで到達する範囲の話ですから、引退すれば(所得区分が変わることで)限度額が下がる現役世代とは違い、一生下がりません。

外来で毎月1.3万円以上かかっている人は実質、年金が月5,000円減らされるのと同じね

各区分の人口比率

では、これを避けるために外来が8,000円、入院込みでも15,000円(改正後も400円しか上がらない)という最強の「住民税非課税Ⅰ」(低所得Ⅰ)を目指したい、となるのですが、これは現実的ではないかも知れません。

なぜなら、住民税非課税(単身だと年金が年155万円以下)の時点で基礎控除(43万円)と公的年金等控除(110万円)を引いた残りはほとんど無い、つまりこの「年金収入80万円以下」というのは控除「前」の話で、

これに該当するには年金が月額で 80 / 12 = 約6.7万円 以下である必要があるからです。
(これは、国民年金のみや、何なら生活保護が受けられるレベルの金額です)

少ない年金で老後を迎えるには~非課税世帯と生活保護~

続きを見る

これを見ると約305万人(約17%)も居るのですが、「世帯」ではなく「人」なので、大抵が現役時代のほとんどが専業主婦だった人かと思われます。
(この場合も、夫が亡くなると遺族厚生年金が入るため該当しなくなる)

ですので、共働きが当たり前になった、そうでなくても晩婚化で独身時代が長くなった世代が70歳以上になる頃にはこの比率はもっと低くなるでしょう。

さらに国民年金の第3号は廃止すべきという声も大きくなっているからね

住民税非課税は必須に!?

とは言え、今30代・40代の会社員(厚生年金に加入)でも、「住民税非課税Ⅱ」(低所得Ⅱ)は十分に狙えるラインかと思います。

そのために、やるべき事はこの2つです。

ポイント

・年金は60歳から繰上げ受給
・出来るだけ早くフリーランスになるかサイドFIREする

前者は、申請するだけで年金の受給額を76%に(24%カット)できる、という神技です。
(月々の受給額が減るだけで、トータルでは得になる可能性が高いです)

物価高(インフレ)やインデックス投資が定着してきた近年、「プラス12年の法則」を鵜呑みにする方がナンセンスだと言っても過言ではないでしょう。

後者は、いち早く国民年金のみにして厚生年金の加入期間を少なくする事で受給額を減らす、という方法です。

こちらも、年金保険料が下がった分、貯蓄に回せば損にはならないはずです。

もちろん、個人事業主とマイクロ法人の二刀流や、バリスタFIREで1等級の社会保険(厚生年金保険)に加入するのもアリです。
(こちらも受給額は国民年金に毛が生えた程度で、保険料はむしろ国民年金より安い)

この2つをやらなくても住民税非課税になる計算だとしても、年金の受給額(および保険料)が物価に合わせて上がる(なのに住民税非課税のラインは上がらない)可能性も十分にあるため余裕を持たせるためにもやっておいた方が良いかと思います。

もちろん、年金の受給額が下がった分はNISA&iDeCoでカバーね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️


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