【完全保存版】稲妻はいつ輝くのか~過去30年のデータで検証~

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こんにちは〜🌤️おりおりです🙋‍♀️

2024年7月からの下落後の稲妻

投資で稲妻と言うと、「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければいけない」というチャールズ・エリス氏の名言が有名です。

ここで言う稲妻とは、株式相場で稀に訪れる急上昇相場のことで、これを逃がすだけでリターンが格段に落ちると言われています。

先日の下落時にも、eMAXIS Slim米国株式(オール・カントリー)(以下、オルカン)のファンドレポートで取り上げられ、改めて話題となりました。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)足下の当ファンドの基準価額下落について | 三菱UFJアセットマネジメント

「株価が最も上昇した5日間」とありますが、具体的には1日の騰落率が高い順に5日間、という意味です。

騰落率 (とうらくりつ)

騰落率とは、ある期間の始めと終わりとで価格がどれだけ変化したかを表すものです。たとえば、価格が100円の運用商品が105円になれば5%の上昇、90円になれば10%の下落となります。
株式や債券の場合は、1日の騰落率を評価するのが一般的ですが、投資信託では、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、3年、5年と中長期の騰落率も評価します。

騰落率│SMBC日興証券

上記は、2004年6月~2024年6月のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円建て、配当込み)(オルカンのベンチマーク)でしたが、結局、今回の稲妻はどれほどだったのでしょうか。

日経平均は過去最大の下落幅を記録した翌日、過去最大の上昇幅になったのが軒並みニュースになりましたが、米国株や全世界株はどうだったのか、その結果はこちらです。

基準価額の推移と稲妻(騰落率1%以上)(2024年)
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS NASDAQ100
インデックス
順位騰落率(%)日付騰落率(%)日付騰落率(%)日付
13.32642024/8/92.56402024/8/164.08752024/8/9
22.84042024/8/162.56112024/8/93.68312024/8/16
32.64172024/2/52.23472024/8/73.29732024/2/5
42.49752024/3/212.17662024/3/212.76152024/4/30
52.46582024/8/72.12432024/4/302.49712024/2/26
149-2.47772024/7/12-1.84742024/7/12-3.27372024/8/6
150-3.06832024/7/18-2.49272024/8/6-3.82472024/7/12
151-3.31202024/8/6-2.71872024/7/18-4.59042024/7/18
152-3.88572024/7/25-3.39352024/7/25-5.02332024/8/5
153-4.49262024/8/5-4.93162024/8/5-5.20662024/7/25
基準価額の騰落率ベスト5とワースト5(2024年)

稲妻は下落後に起きやすい(狼狽売りをすると逃す確率が高い)というのは今回も変わらないようです。
(上昇局面で起こる場合もあるため、(居ないとは思いますが)ここで手放すのもNGです)

また、その上昇幅(騰落率ベスト5)も下落時の幅(騰落率ワースト5)と比べても大差ないくらい大きいのが分かります。

下落は急に、上昇は緩やかに、ってイメージがあったから意外な結果ね

2021年以降の稲妻

では、今回の稲妻は過去と比べてどの程度だったのか、2021年にまで遡ってみましょう。

基準価額の推移と稲妻(騰落率1%以上)(2021年~)
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS NASDAQ100
インデックス
順位騰落率(%)日付騰落率(%)日付騰落率(%)日付
13.5812022/10/313.4692022/3/174.3072022/5/16
23.4282022/6/223.1112022/3/104.2912022/10/31
33.3262024/8/93.0482021/9/244.2222022/3/17
43.2932021/9/242.8922022/5/164.1372022/11/11
53.2582022/4/202.6232022/6/224.0882024/8/9
873-3.8862024/7/25-3.4682022/6/17-5.0232024/8/5
874-4.0192022/6/17-3.5622022/9/26-5.2072024/7/25
875-4.49262024/8/5-3.5632022/5/19-5.2172022/6/14
876-4.49272022/6/14-4.0342022/6/14-5.4702022/2/14
877-4.6802022/5/19-4.9322024/8/5-5.6962022/5/19
基準価額の騰落率ベスト5とワースト5(2021年~)

赤字の部分が今年のものなのですが、過去3年でも思ったほど上位を占めていません。

グラフで見ると、近年稀に見る下落と反発なのですが、短期間の間に連続して起こっただけで1日単位で切り取るとそれほどでもないようです。

とは言え、どこで反発するかなんて読めませんし(ましてや海外に投資する投資信託だと約定は翌日以降になるため仮に読めたとしても手遅れ)、手放すのはナンセンスかと思います。

逆に言うと小さな下落後でも大きな稲妻が輝く可能性はあるんだね

元の指数と為替の影響

しかし、これらのファンドは円建てですから、為替の影響も受けます。

今回の下落も、株安と円高が重なったから余計に下落幅が大きくなった、という特徴があります(逆に、2022年も株価は下がりましたが、円安に進んだため相殺されてあまり下がりませんでした)。

というわけで、為替と指数(トータルリターン)に分解するとこうなります。

基準価額・指数・為替の推移と稲妻(騰落率1%以上)(2021年~)
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
S&P500TR(ドル)米ドル/円
順位騰落率(%)日付騰落率(%)日付騰落率(%)日付
13.5812022/10/315.5512022/11/102.0052022/6/17
23.4282022/6/223.1222022/11/301.9432023/2/3
33.3262024/8/93.0672022/10/41.8472022/4/28
43.2932021/9/243.0582022/6/241.8042022/12/5
53.2582022/4/202.9872022/5/41.7482023/4/28
873-3.8862024/7/25-3.5542022/5/5-2.1342024/5/1
874-4.0192022/6/17-3.6212022/4/29-2.1392022/11/11
875-4.49262024/8/5-3.8762022/6/13-2.3622023/1/12
876-4.49272022/6/14-4.0172022/5/18-3.2352022/11/10
877-4.6802022/5/19-4.3212022/9/13-3.7422022/12/20
基準価額・指数・為替の騰落率ベスト5とワースト5(2021年~)

こうして見ると、(指数ほどではないですが)為替にも稲妻があるようです。

そして、指数単体だと今回の稲妻は(というか下落も)トップ5にも入っていないため(最大でも2.3050%)、稲妻という観点でも指数と為替の相乗効果があることが分かります。

指数だけ、為替だけでも読めないのに、両方となるともう不可能ね

過去30年の稲妻

では、もっと過去まで遡って、30年前(1994年)からのデータで見てみましょう。
(プロットする基準が、騰落率 1%以上 → 5%以上 になっています)

指数(円ベース)の推移と稲妻(騰落率5%以上)(1994年~)
S&P500TR(円)NASDAQ100(円)米ドル/円
順位騰落率(%)日付騰落率(%)日付騰落率(%)日付
116.7452008/10/2817.8892001/1/35.3762008/10/28
213.0892008/10/1316.8882008/10/283.8461995/8/15
312.2602020/3/1314.1012008/10/133.5332013/4/4
410.4032008/11/1313.0312020/3/133.4751995/8/2
59.6082020/3/2411.8762000/12/53.4441999/1/12
7702-10.2472020/3/9-10.6612000/4/14-3.7422022/12/20
7703-10.5242008/9/29-10.8382008/10/15-3.8162008/10/24
7704-11.0392008/10/15-11.4471998/8/31-4.0512016/6/24
7705-11.2892008/12/1-12.2252008/9/29-4.5941998/6/17
7706-13.0742020/3/16-13.2852020/3/16-6.7161998/10/7
指数(円ベース)の騰落率ベスト5とワースト5(1994年~)

数字上でも、先ほどまでとは桁違いに大きい稲妻であることが分かります。

やはり、リーマンショック直後(2008~2009年)とコロナショック直後(2020年)が大半を占め、NASDAQ100はITバブル崩壊直後(2000~2002年)も上位に食い込んでいます。

それにしても、10%以上となると平均利回りで2年分かそれ以上になるため、逃した時のダメージは計り知れません。

このように、言葉で理解するよりも、グラフや数字で具体的なデータがある方がよりイメージしやすいと思います。
(今回のデータもこちらに置いておきますので、色んな期間や基準値で試してみて下さい)

また、長期保有が有利になる根拠は別の観点からでもありますし、このようなデータによる検証も過去に行っております。

調べれば調べるほど、出来るだけ長く市場に居続けるのがベストであることが腑に落ちると思いますから、色んなものを見てみると良いかと思います。

最適解を見つけて実行するだけではなく、それを継続できる力も大事だね

それでは皆様、よきフィットネスライフを〜🏃‍♀️

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